2001年1月14日(2384号)

■はかりトレーサビリティ研究会発足(1月26日・グランドヒル市ヶ谷−(社)日本計量機器工業連合会)

 計量法トレーサビリティ制度で「はかり」の校正サービス事業者(JCSS認定事業者)を立ち上げるために、はかりトレーサビリティ研究会がつくられる。事務局は(社)日本計量機器工業連合会。同研究会の第1回研究会が1月26日、東京都新宿区のグランドヒル市ヶ谷で開催される。
 基準・認証制度の見直しで、計量法トレーサビリティ制度のJCSS認定事業者の認定基準が緩和され、対象計量器が拡大される。質量の分野でもこれまでの分銅とおもりについて階層性を設けるとともに、「はかり」についても本制度の対象とすることが予定されている。
 本研究会は「はかり」の認定事業者立ち上げのための準備を進めようというもの。校正事業者として認定を希望する企業・団体が中心となって、校正技術・管理技術の向上を図るとともに、認定事業取得のための活動を行い、2〜3年後を目途にはかりに関する認定事業者を立ち上げるための準備を進めることにしている。研究会への参加者を募集している。研究会参加費は年間五万円。
 昨年12月21日に発足へ向けての準備会が開催された。

第1回研究会開催要項

【日時】
1月26日(金)、15時〜17時
【会場】グランドヒル市ヶ谷(東京都新宿区市ヶ谷本村町4−1、電話 03−3268−0111)
【議題】▽正副主査、監査役の選任▽今後の活動及びスケジュール▽その他
【問い合わせ先】(社)日本計量機器工業連合会(市 川敏夫)=東京都新宿区納戸町25−1、〒101−0021、東京都新宿区納戸町25−1、電話03−3268−2121、FAX03−3268−2167、電子メールkeikoren@gol.com


2001年1月14日(2384号)

■1月6日、経済産業省が発足、知的基盤課長は伊藤章氏、計量行政室長は小此鬼正規氏−計量器産業の振興等は製造産業局産業機械課の所管

 1月6日、通商産業省が衣替えして経済産業省が発足した。計量行政等の所管は、適正な計量の実施を確保する計量行政の主要業務を「産業技術環境局知的基盤課計量行政室」が担当する。計量器の輸出入、生産、流通等の事業に関わることは「製造産業局産業機械課」が所管。電気の取引に関する計量は外局の「資源エネルギー庁」の管轄。4月からは、計量標準の整備・供給は、計量研究所、電子技術総合研究所などが統合した独立行政法人「産業技術総合研究所」が所管する。

 旧来の通商産業省が所管していた計量に関する業務は、所属する局、課が編成替えになり、知的基盤課は工業技術院から産業技術環境局に、計量行政室は機械情報産業局総務課から産業技術環境局知的基盤課に編入された。所属は変わったが計量標準の整備等に関する部門は知的基盤課が、計量行政に関する部分は計量行政室が引き続き担当するので行政事務の遂行に混乱はない。
 経済産業大臣は平沼赳夫氏。副大臣は中山成彬、松田岩夫の両氏。以下大臣政務官は西川太一郎、竹本直一の両氏。事務次官広瀬勝貞氏。計量業界に関係する部署では、日下一正産業技術環境局長、伊藤章知的基盤課長、小此鬼正規計量行政室長、岡本巖製造産業局長、佐々木伸彦産業機械課長と、行政のスムーズな移行が人事面でも考えられている。

 1月6日現在での知的基盤課の所管業務は、経済産業省組織令では以下のように規定されている。

@鉱工業の科学技術の進歩及び改良を図るための技術上の情報及び研究材料の整備に関すること。
A計量の標準の整備及び適正な計量の実施の確保に関すること(資源エネルギー庁の所掌に属するものを除く)。
B地質の調査及びこれに関連する業務を行うこと。
C計量行政審議会の庶務に関すること。
D製品評価技術センターの組織及び運営一般に関すること。
E計量教習所の組織及び運営一般に関すること。

 計量教習所は4月から独立行政法人産業技術総合研究所の計量教習部門(計量研修センター)を構成する。
 計量法トレーサビリティ制度の校正サービス事業者(JCSS認定事業者)の認定実務を担っている製品評価技術センターも、4月から独立行政法人になり「製品評価技術基盤機構」になる。
 独立行政法人は発足が4月なので3月までは経済産業省に所属する。計量研究所や電子技術総合研究所も産業技術総合研究所の支所という位置付けである。


2001年1月1日(2383号)

■経済産業省が1月6日発足、「適正計量の確保」は産業技術環境局知的基盤課計量行政室が担当

 1月6日、通商産業省が衣替えして経済産業省が発足する。計量行政等の所管も変わり、適正な計量の実施を確保する計量行政の主要業務は「産業技術環境局知的基盤課計量行政室」が担うことになる。計量器の輸出入、生産、流通等の事業に関わることは「製造産業局産業機械課」が所管する。電気の取引に関する計量は外局の「資源エネルギー庁」の管轄になる。4月からは計量標準の整備・供給は、計量研究所、電子技術総合研究所などが統合した独立行政法人「産業技術総合研究所」が担うことになる。計量教習所も産業技術総合研究所の計量教習部門(計量研修センター)を構成する。計量法トレーサビリティ制度の校正サービス事業者(JCSS認定事業者)の認定実務を担っている製品評価技術センターも、4月から独立行政法人になり「製品評価技術基盤機構」になる。独立行政法人は発足が4月なので3月までは経済産業省に所属する。


産業技術総合研究所

 工業技術院の15の研究所は「産業技術総合研究所」(産総研)に統合され、物理標準、電気標準、化学標準を含めた計量標準の研究業務は単一の研究部門である「計測標準研究部門」に一元化され、220名程度の研究技術者を擁する単一の組織となる。法定計量の実務はそのほとんどが計測標準研究部門で行われる。法定計量業務は筑波と大阪とで実施するが「業務の効率化と高度化を一層進める」という。

 計量標準に関して産業界との連携を強化するために、計測標準研究部門と並列して「計量標準管理部」を設置する。産総研の計量標準整備や法定計量に関する実施計画案を作成する。産業界との接点。

 計量標準のグローバル化に対応するため「国際標準協力室」を設置する。メートル条約のアジア太平洋地域の活動拠点であるアジア太平洋計量計画(APMP)の事務局を日本が引き受けており、運営は「協力室」が行う。2002年、OIMLのアジア太平洋地域の活動拠点のアジア太平洋法定計量フォーラム(APLMF)の事務局も日本が引き受ける予定である。

 計量教習は計量教習所(東京都東村山市)を茨城県つくば市に移転し、名称を産総研「計量研修センター」とする。環境計量関連の教習を強化し、海外の計量技術者の育成にも重点を置く予定。

 産総研の「計測標準研究部門」、「計量標準管理部」、「国際標準協力室」、「計量研修センター」の4部門をまとめて「計量標準総合センター」(仮称)と呼ぶ予定である。

製品評価技術基盤機構

 計量法校正事業者認定制度(JCSS)は、計量法第143条の規定に基づき、経済産業大臣が計量器の校正又は標準物質の値付けの事業を行う者に対して、ある特定の校正分野における能力を国際標準を用いて認定する任意の制度。JCSSは、国際的な校正機関・試験所認定機構の相互承認協約であるILAC/MRAに署名しているので、認定事業者のロゴ付き校正証明書を提示することになり、校正を受けた計量器又は標準物質が国家標準にトレーサブルであり、信頼できる校正データであることを国際的に証明することが可能となる。JCSSは製品評価技術センターが運営。同センターは4月1日付けで「独立行政法人製品評価技術基盤機構」となる。JCSSの認定権限は経済産業大臣から製品評価技術基盤機構の理事長に移管される。

 従来、特定標準器で校正された計量器によって校正された計量器に対してのみ、JCSSロゴ付きの校正証明書を発行できたが、計量法の改正(4月1日施行)で、JCSSロゴ付き校正証明書のついた計量器を参照標準として校正をされた計量器に対してもJCSSロゴ付きの校正証明書を発行することができる。階層化で産業界、QS9000、ISO9000や試験所等で使う現場レベルの標準器・計測器が国家標準にトレーサブルであることを証明できJCSSの利用範囲の拡大が期待される。

知的基盤課の所管業務(経済産業省組織令から)

第63条 知的基盤課は、次に掲げる事務をつかさどる。(注:1月6日現在の組織区分にもとづく業務)

  1. 鉱工業の科学技術の進歩及び改良を図るための技術上の情報及び研究材料の整備に関すること。
  2. 計量の標準の整備及び適正な計量の実施の確保に関すること(資源エネルギー庁の所掌に属するものを除く)。
  3. 地質の調査及びこれに関連する業務を行うこと。
  4. 計量行政審議会の庶務に関すること。
  5. 製品評価技術センターの組織及び運営一般に関すること。
  6. 計量教習所の組織及び運営一般に関すること。

経済産業省の根拠法令と経過

 99年7月16日に経済産業省設置法を公布、2000年6月7日経済産業省組織令、同8月14日経済産業省組織規則の公布で、経済産業省の体制が決まった。


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