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2001年3月11日(2391号)


■(株)双葉測器製作所がJcss認定事業者に

 (株)双葉測器製作所(〒116−0012、東京都荒川区東尾久8丁目21番地14号、Tel 03−3894−6848、FAX03−3800−8155、鈴木啓之社長)は、圧力標準器の専門メーカーとして重錘型圧力計・液柱型圧力計・空気式重錘型圧力計、高精度重錘型圧力計、その他関連機器・部品を製造しているが、このほど経済産業大臣から計量法トレーサビリティ制度に基づく圧力標準の認定事業者として認定された。認定番号は0094であり、これにより国家標準とのつながりを公的に証明するJcssロゴマーク付きを付した校正証明書を発行することができる。認定を受けたJcss圧力標準の事業の範囲は別表のとおりであり、この校正事業の範囲は産業分野で求められるほとんどの領域をカバーしている。

 計量法は日本の計量制度の基礎をなす法律であり、この計量法を基にしてトレーサビリティ制度が形成されている。平成五年に新しく施行された計量法では、計量標準の校正サービス事業者制度を新設。この事業者を通じて産業方面への計量標準の流れを形成する仕組みをつくりあげた。これが計量法トレーサビリティ制度であり、経済産業大臣の認定を受けた事業者は国家標準とのつながりを公的に証明するJcssロゴマーク付きを付した校正証明書を発行することができる。

 (株)双葉測器製作所は、わが国を代表する圧力標準器の専門メーカーであり、計量行政機関ならびに産業方面に対して重錘型圧力計・液柱型圧力計・空気式重錘型圧力計、高精度重錘型圧力計 その他 関連機器、部品を製造し、供給してきており、豊富な実績をもとに大きな信頼を勝ち得ている。

 同社はこのほど経済産業大臣から計量法トレーサビリティ制度に基づく圧力標準の認定事業者として認定された認定番号は0094。認定事業者のうち圧力標準分野では3番目の認定となるが、圧力標準に関する事業の範囲ではこれまでの認定事業者よりも広範囲となっており、産業界が要求するほとんどの圧力標準の校正需要に対応することができる。

 計量法の制度上に構築されている計量標準供給制度は、先端技術分野における生産管理や適合性評価分野における計量計測の信頼性付与といった高精度の計量に対応することを目的に、計量計測器に対し、国内において最上位の計量標準(国家計量標準)を基準とした校正を行い、それとのつながりで計量器の精度(不確かさ)を対外的に証明するものであり、計量法トレーサビリティ制度あるいはJCSS認定事業者制度といわれている(根拠条文は計量法第134条−第146条)。計量標準供給制度は、国家計量標準の供給及び校正実施機関の認定を行う制度である。校正実施機関(認定事業者)は、計量法、関連法規及びISO/IECガイド25(校正機関及び試験所の能力に関する一般要求事項)の要求事項に基づいて審査され、経済産業大臣により認定された分野における計量器の校正等の事業を行うこととなる。
(注:ガイド25は改正され、2000年10月からISO/IECガイド17025での受付が始まった)

 計量標準の低位と高位との双方向の流れのシステムを一般に「トレーサビリティ」という。トレーサビリティとは語源的には「なぞる」「トレースする」ことであり、これに従うと計測標準をトレースすることがトレーサビリティであるということになる。トレーサビリティを定義的に規定した表現に「不確かさがすべて表記された、切れ目のない比較が連鎖を通じて、通常は国家標準または国際標準で決められた標準に関連づけられ得る測定結果または標準の値の性質」というのがあるので、その概念はつかめよう。

 日本国内における計量標準の流れは、計量法トレーサビリティ制度の立ち上げの途上であることや校正証明書が相互の国で通用するための協定の締結がまだ十分になされていないことなどから、単純ではない。

産業界および学術界ではその分野で必要な特別な計測量を扱っており、その標準を独自にもっていることなどもあるので、それに対応しただけの計測標準(計量標準)があり、その標準の流れができている。

 計量法校正事業者認定制度は次のような内容になっている。

  1. 対象とする計量標準は、産業界のニーズや計量標準の供給体制の整備状況等をもとに経済産業大臣が判断して定めている。具体的には、国家計量標準(一次標準)を経済産業大臣が特定標準器等又は特定標準物質として指定している。経済産業大臣(国)、日本電気計器検定所又は経済産業大臣が指定した公益法人(指定校正機関)は、指定された特定標準器等又は特定標準物質を用い、認定事業者に対し計量標準の供給を行う。
  2. 経済産業大臣により認定された認定事業者は、特定標準器等又は特定標準物質により校正等を受けた計量器等(特定二次標準)を用い、一般ユーザーに対し校正サービスを行うことができる。認定事業者の認定は、計量法、関連法規及びISO /IEC ガイド25の要求事項に基づいて行われる。(注:ガイド25は改正され、2000年10月からISO/IECガイド17025での受付が始まった)
  3. 計量器を使用する一般ユーザー等は、自己の計量器等(実用標準)を認定事業者に依頼し、特定二次標準による計量器の校正等を受けた場合には、国家計量標準とのつながりを記した標章付きの校正証明書の交付を受けることがでる。
  4. 認定機関(NITE)は、ISO /IEC ガイド58 に基づいて運営されている。

 日本の計量法トレーサビリティ制度におけるJcss認定事業者は、平成13年2月20日現在12事業区分で101事業者(事業の区分と認定事業者は別表のとおりである。
 認定事業者の事業の区分として、21 区分が定められており、平成10 年12 月現在では認定事業者の認定申請における事業の区分として、16 区分が供給されていたが、平成13年2月20日現在では12事業区分101事業者となっている。
 経済産業省では今後数年間で標準供給体制を整備し、最終的には以下の21 区分全てで標準が供給される予定である。

  1. 長さ、
  2. [体積]、
  3. 質量、
  4. 力、
  5. 圧力、
  6. [粘度]、
  7. [時間]、
  8. 流量、
  9. 熱量(標準物質に含まれる「熱量標準安息香酸」として供給)、
  10. 電流、電圧、[起電力]、[静電容量]、[インダクタンス]、電気抵抗、[電気のコンダクタンス]、[インピーダンス]、電力及び電力量(以下、「電気等」とする)
  11. [磁界の強さ、起磁力及び磁束密度]、
  12. 電磁波の減衰量及び電磁波の電力密度、
  13. 温度、
  14. 光度、放射強度、光束、輝度及び照度(以下、「光」とする)、
  15. 音圧レベル、
  16. 振動加速度レベル、
  17. 中性子放出率、放射能、吸収線量、吸収線量率、カーマ、カーマ率、照射線量、照射線量率、線量当量及び線量当量率(以下、「放射線及び放射能」とする)
  18. 硬さ、
  19. [衝撃値]、
  20. 湿度、
  21. 標準物質

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