経済産業省産業技術総合研究所計量研究所(NRLM)は3月28日、オランダのNMi(計量研究所)と型式承認に関する二国間相互承認覚書(MoU)に調印した。今回のNRLMとNMiの二国間による相互承認のMoUの調印で、日本とオランダ間の型式承認は両国間の試験の重複を避けることができるようになった。対象機種は非自動はかりと自動車等給油メーター。自動車等給油メーターの相互承認は初めてである。日本の製造事業者は計量研究所でOIML計量証明書を取得してNMiに型式申請をすると、オランダまたはEUの型式を取得できることになり、改めてNMiで型式承認試験を受ける必要がない。政府は国際取引におけるワンストップテスティングの実現を目指しており、計量器の型式承認手続きにおける二国間の相互承認の実現もその一環である。
製造事業者や承認機関は大きな経済的節約効果が期待できる。
MoU合意事項
【型式承認提出必要書類】▽Certification▽Test
report▽Technical document
【参照技術基準】▽該当機種のOIML勧告を参照基準とする=非自動はかり(R76)、自動車等給油メーター(R118)
【型式承認手続き】▽OIML計量証明書の提出により試験を省略して承認手続きをおこなう
覚書の調印式は3月28日、神奈川県川崎市のかながわサイエンスパークでおこなわれ、今井秀孝計量研究所長とRien
ChariteNMiマネージングディレクターが覚書に署名した。(↑写真)
計量研究所は法定計量分野の型式承認試験に関する二国間相互承認をこれまでも積極的に推進してきている。非自動はかりに関しては、これまでNMi(オランダ)、PTB(ドイツ)、ATS(韓国)と相互承認の覚書をかわしている。NMiとの今回の覚書は、非自動はかりに関しては計量法の改正等も反映させて98年調印の覚書を改訂したもの。
自動車等給油メーターの型式承認に関する相互承認は今回が初めてである。
【計量研、NMi相互承認覚書調印へのあゆみ】
法定計量分野における基準認証への取り組みとして、計量研究所は経済産業省産業技術環境局知的基盤課の省内関連部署と連絡しながら国際相互承認活動を進めている。NRLM(日本)とNMi(オランダ)の二国間による型式承認に関する相互承認プロジェクトの経過の概要は次のとおりである。
▽1996年4月 相互承認プロジェクト会議がNRLMで開かれる。
▽1997年3月 非自動はかりに関するピアレビュー(NRLMよりNMiを訪問)
▽1997年5月 非自動はかりに関するピアレビュー(NMiよりNRLMを訪問)
▽1998年2月 NRLMにてMoUの調印式(対象機種=非自動はかり)、調印者はNRLM(H.Imai)、NMi(A.J.Nederlof)
▽1999年10月 MoUの対象機種拡大会議(自動車等給油メーターの追加)、自動車等給油メーターに関するピアレビュー(NMiよりNRLMを訪問)
▽2000年2月 自動車等給油メーターに関するピアレビュー(NRLMよりNMiを訪問)
▽2001年3月 NMiジャパンでMoUの調印式(対象機種=非自動はかり、自動車等給油メーター)、調印者はNRLM(H.Imai)、NMi(M.Charite)
【NMi(Nederlands Meetinstituut)】1876年に「オランダ計量研究所」として発足。1989年に政府100%株式保有の株式会社に。ヨーロッパ有数の検査・認証機関。