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情報通信機器の生産設備需要に一服感
東証1部上場の大倉電気が倒産
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日本経済の減速傾向が統計上の数字にもはっきりと現れている。日本銀行は今年度実質GDPはマイナス1・2〜0・9%との見通しを10月29日に発表した。実質GDPのマイナスは3年ぶりのことで、景気回復は完全に腰折れになった格好であり、経済界では現在のデフレ現象に加速がつくことを懸念する声が強まっている。日銀は経済見通しの悪さから現行の金融政策の維持を決めている。政府の経済見通しは実質で1・7成長を見込んでいたが、現在の景気後退を考慮してマイナス1%に修正する方針を明らかにしている。経済産業省が10月29日に発表した9月の鉱工業生産動向(速報)は生産指数(1995年=100、季節調整値)は92・8で、前月比でも2・9%低下した。この生産指数は7年8カ月ぶりの低水準であり、同省は今後の低下傾向を否定しない。同時に発表された在庫指数は急速な需要減を反映しており、26年ぶりの高水準になった。
9月工業生産指数は7年8ヶ月ぶりの低水準、在庫指数は急激に悪化
経済産業省が10月29日発表した9月の鉱工業生産動向(速報)によると、生産指数(季節調整値、1995=100)は92・8と前月より2・9%低下し7年8ヶ月ぶりの低水準となった。季節調整前の原指数では前年同月比12・7%低下と現行基準の下で過去最大の下げ。自動車やパソコンが国内・海外向けともに不振であることや、9月の動向が米同時テロ発生後の活動を織り込んでいることから、テロの影響も出始めていると見られる。経産省は基準判断を「生産は引き続き低下傾向」と示し、需要の先行きを懸念している。
出荷に対する在庫の過不足を示す在庫率指数(季節調整値、1995=100)は、前月比5・2%上昇の115・7と、26年ぶりの高い水準となった。原因は出荷が前月比で3・1%と大きく減少したため。特に輸送機械、一般機械、IT関連の電気機械といった業種で落ち込みが目立つ。
2001年度GDPマイナス1%
日本銀行は10月29日に開いた金融政策決定会合で、01年度の実質GDP(国内総生産)は3年ぶりにマイナスになると予測した。全予測値から最高値と最低値を除いた「大勢見通し」で前年度比1・2%減〜0・9%減だった。
政府は実質1・7%の成長を見込んでいた政府経済見通しを、マイナス1%程度に修正することを明らかにしており、見通しの厳しさはほぼ一致している。
02年度のGDPの大勢見通しも前年度比1・1%減〜0・1%増と、2年連続マイナス成長になることを示唆している。
国内卸売物価指数は大勢見通しで01年度が前年度比1・2%低下〜1・0%低下、02年度が同1・3%低下〜0・9%低下と予測している。