ことしの3月4日に経済産業省が実施した第51回計量士国家試験でまた出題ミスが見つかった。追加合格者は出なかったものの、6月につづきまた試験問題にミスが見つかったことから、事態を重く見た経済産業省は試験問題確定の責任者等を厳重注意するとともに、11月12日、計量士国家試験委員会を開き、再発防止へチェック体制を強化することを決めた。
試験問題にミスが見つかったのは、一般計量士分野の専門科目「計量器概論及び質量の計量」で、第10問の正解が2つあることが分かった。改めて採点作業をおこなったが、追加的に合格基準を超える受験生はいなかった。本年の合格者857人、うち一般計量士の合格者166人に変更はない。
経済産業省は改訂した正解番号一覧をホームページで公表した。(http://www.meti.go.jp/information/downloadfiles/c11112aj.pdf)
経済産業省は「今回の事態は計量士国家試験制度の信頼を損ねるもの」だとして再発防止策を決めた。7月開催の計量士国家試験委員会で決めている、正解番号の公表時期の早期化(今回の5月末の合格者発表時から3月末へ発表時期を早める)、委員会の討議回数の増加、各分科会委員全員での解答確認、などに次の対策を追加した。
@試験問題の作成には関与せず、試験問題を確定する最終段階での客観的チェックのみをする試験問題委員を追加発令し、試験問題を最終確定する前の最終検証を強化する。A試験終了後から正解番号を公表するまでの間に、試験委員以外の第3者による試験問題と正解の確認作業を必ず実施することにする。
経済産業省は「再発防止策の徹底で、今後同様のミスが発生することがないようにしたい」としている。