■１０月の鉱工業生産指数は２ヶ月連続のマイナス−生産はバブル以前の水準まで後退

日銀短観　大企業製造業・業況判断指数マイナス３８％
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　　　　　　　中小製造業・業況判断指数マイナス４９％

　経済産業省が１１月２９日に発表した１０月の鉱工業生産指数（９５年　１００、季節調整済み速報値）は前月比０・３％減の９２・５と、２カ月連続のマイナスとなった。９２・５は、生産がバブル経済に入る直前の８８年３月（９２・４）の水準まで低下したことを示している。日銀が１２日発表した１２月短観では、大企業製造業・業況判断指数はマイナス３８％、３月予測はマイナス３６％となった。中小製造業・業況判断指数はマイナス４９％、３月予測はマイナス５５％。

　１０月の鉱工業生産は、電気機械工業が前月比２・０％減と落ち込み、ＩＴ関連の不振から半導体製造装置や作業用機械も低下し一般機械工業も同３・０％減となった。輸送機械工業は前月比１・３％減。精密機械工業は前月比13・6 ％減、前年同月比17・9 ％減。分析機器等の影響が大きい。出荷指数は前月比０・４％減の９４・９、在庫指数も同１・１％減の９７・０。

　生産指数は、バブル崩壊後の９４年１月（９２・６）を下回り、８８年の水準まで落ち込んだ。
　内閣府が１２月１０日に発表した１０月の機械受注統計によると、民間設備投資の先行指標である「船舶、電力を除く民需」の受注額は、前月比１０・１％減と２カ月連続で減少した。受注額は８７年１１月以来、約１４年ぶりの低水準。製造業が前年同月比４１・６％減で８８年以降最大の落ち込みとなった。製造業の２８１０億円は統計開始（８７年４月）以来最低水準。電気機械が前月比マイナス２１・３％となっている。

　中小企業庁が１２月７日に発表した「商業、サービス業設備投資動向調査」によると、中小規模の商業者が２００１年度中に行う設備投資は前年度実績比７・２％減の６２８５億円に落ち込む。サービス業も同１２・８％減の６２１６億円。

　日銀の中原伸之審議委員は１２月１１日東京都内で講演し、経済情勢はデフレスパイラルの初期の段階である、と指摘した。