■東京都が指定定期検査期間制度利用へ−4月1日から2トンを超える質量計(大型はかり)の定期検査業務を委託
東京都は計量法の新しい制度である指定定期検査制度を利用するための準備を進めてきており、希望者を募った上で、2月中にはもっとも相応しい団体を指定定期検査機関として指定する。東京都は指定機関に一定部分の定期検査業務を委託し、4月1日から指定定期検査機関として業務を開始させる。指定定期検査機関の業務範囲は、島しょを除く都内全域の、ひょう量2トンを超える質量計(大型はかり)の定期検査で、この分野の東京都の業務を全面的に引き継ぐ。東京都は東京都公報の告示や、受検者へ案内書を送るなどして定期検査業務の指定機関への委託を周知する。東京都は指定機関へ実用基準分銅や検査用具などの検査設備を貸与するほか、必要な技術的支援をする。
指定定期検査機関は、1992年の計量法の改正で新設された制度で、地方公共団体の知事が指定した機関が、取引・証明に使用する計量器(特定計量器)の定期検査業務や計量証明検査業務を代行する制度である。2001年4月からは公益法人に加え民間企業等も指定の対象となった。
東京都は98年度から検討を重ねてきており、このほど同制度の導入を決めた。東京都は昨年11月30日に「指定定期検査機関及び指定計量証明検査機関の指定等に関する事務処理要綱」を作成し、指定を希望する団体等に配布している。東京都は同要綱をもとに申請団体を審査し、2月に指定定期検査機関を指定する計画である。指定の有効期限は3年。業務規程の認可を受け、指定定期検査機関は2002年4月1日から、ひょう量が2トンを超える質量計(大型はかり)の定期検査業務を開始する。
指定定期検査機関は、東京都と業務委託契約を結び、指定された範囲について東京都計量検定所の定期検査業務を受け継ぐ。
東京都が指定定期検査機関制度を導入したのは、地方分権、規制緩和の進展に対応した検定所の指導・監督業務の強化と経費節減のほか、新しく地方自治法上の中核市(人口30万人以上、面積100平方キロメートル以上で指定された都市)や特例市(人口20万人以上で指定された都市)になる自治体で計量業務が円滑に推進できる仕組みづくりを考えてのことである。
東京都が指定定期検査機関に求めているのは、
@指定機関としての公正性・中立性・検査技術水準の維持、
A指定機関の安定的・継続的な執行体制の確立
であり、@Aの条件を満たす機関を指定定期検査機関に指定する。
検査設備に関して、東京都は指定定期検査機関に、
分銅運搬及び実用基準分銅(500kg)用のポーターリフト(最大積載量1t)、
検査分銅として2級実用基準分銅(500kg【平型・鋳鉄】、500kg【バスケット型・鋳鉄】、
20kg【枕型・鋳鉄】、10kg【枕型・ステンレス】、5kg【枕型・鋳鉄】、5kg〜500kg【増しおもり型】、40kg【バスケット型】、
その他コンパレーター、充電機、巻尺、環付ワイヤーなどの検査用具を貸与するほか、必要な技術的支援をする。検査車両等は指定定期検査機関が手配する。
指定定期検査機関の活用は計量行政の大きな流れになっており、この動きが強まっている。