-------------------------------------
4月10〜12日 東京ビッグサイト開催概要
出品各社の見どころ
計量標準相互承認の現状と課題
計量計測技術がもたらすもの
進展する計量法トレーサビリティ制度
-------------------------------------
(社)日本計量機器工業連合会が主催する「インターメジャ2002」(第20回国際計量計測展)が4月10日から12日までの3日間、東京・有明の東京ビッグサイト(東京国際展示場)で行われる。
210小間、出展社数86社、と前回よりも多数の出展社数に期待が持てる。今回は「みせます!新しい計る、測る、量るの世界」をテーマとし、最新の機器・技術が一堂に会す。
同展は、1965年以来隔年ごとに開催され、今回で20回目を迎える。計量計測機器の展示会としては最大級の規模。また、同連合会は2002年5月に創立50周年を迎えるため、記念すべき展示会ともいえる。併催事業として「出展製品・技術説明会」「NMIJセミナー」「国際計量標準シンポジウム」が開かれる。さらに、日本工業新聞社主催の「センサ総合展2002」や「韓国部品産業展2002」「DISKCON
JAPAN」「OPTICAL DISK PRODUCTION」が同時開催されるため、より多くの最先端技術などに触れられる貴重な機会。
会場では、品質管理/試験・検査/研究開発/分析/環境測定/設備診断/工程管理/プロセス/制御/搬送/取引/質量測定/セキュリティなどの用途に最適な各種計量計測機器、システム、データ処理装置及び関連機器を幅広く展示し、様々なユーザーのニーズに応える。特別講演会は、10日と11日の2日間で合計3講演行われる。10日には「バイオテクノロジー(BT)、情報技術(IT)、ナノテクノロジー(NT)の融合による新領域の創造と都市型シリコンバレーによる新産業の創生」をテーマに東京大学医科学研究所所長新井賢一氏が、11日には「ナノテクの世界と計量計測」(独)産業技術総合研究所
ナノテクノロジー研究部門部門長横山浩氏、「ナノマテリアルの現状と将来展望」三菱マテリアル<CODE
NUM=01F1>総合研究所フェロー武下拓夫氏がそれぞれのテーマで講演を行う。開催期間中、毎日先着7000名に「計量計測機器総覧」が無料進呈される。
計量計測技術がもたらすもの
計測技術は基礎技術をさらに根底で支える技術であり、同時に先端技術と対をなして新技術、新商品を生み出す。計測技術は計測機器といいかえてもよい。
ナノテクノロジーをささえる計測技術
ナノテクノロジーは次世代の産業技術として注目を集めている。情報、物質、エネルギー、バイオ、医療など広範な応用分野を有するため、新たな産業創造などの波及効果による経済的効果が期待される。
ナノテクノロジーは、物質を構成する原子、分子を個別に制御し、目的とする形状や機能を実現しようとするものである。これら必要な基盤技術として、ナノメートルオーダの寸法を十分な分解能で計測するための計測技術が注目されている。
(独)産業総合技術研究所の計測標準部門では、原子間力顕微鏡(測長AFM)を開発し、サブナノメートルのオーダの実現に成功し、ナノ寸法スケールの校正サービス業務を実施する。
ナノテクノロジーでの測定は、高い分解能が必要とされるため、顕微鏡系などが応用されている。また、そのために測定領域が小さくなってしまうことからプローブの走査が必要とされている。走査型プローブ顕微鏡(SPM)の場合は、トンネル電流、原子間力などの値をプローブの機械的操作により3次元座標上で求めていくことにより、2次元の画像情報として測定結果を得ている。
支援技術と応用技術の両面をもつ計測技術が社会でもっと活用されるための基盤となるべきなのが計測情報インフラである。ここには計測テクノロジーインフラの概念が重なる。
計測機器はコンピュータネットワークと結びつくとそれ自体センサーとして機能することもある。コンピュータとネットワークされた計測システムは、センサーとしての機能を飛び越えて、課題解決システムを形成することになり、計測企業の一部は今後この方面のビジネスを開拓することになるであろう。
ますます重要になってきている環境測定などで、PHS、携帯電話を使って、離れたところで観測したデータを送信することが可能になった。インターネットに接続していればデータは世界中何処へでも送信可能である。電源の確保が難しいところでは、電源確保は、ソーラーパネルなどが有効である。PHS・携帯電話のサービスエリア外は、無線ブリッジなどでの対応も可能である。
進行中のデジタル情報通信革命を意識して計測器企業はどのような身構えをすればいいのか。意識をどのようにもてばいいのか。そして社会基盤であり、基礎技術のそのまた基礎をなす技術であり、先端技術を支援し、また先端技術と結びついて新技術を生み出す計測技術を存分に機能させるためのインフラ整備をしなければならない。
極微量分析
環境問題の高まりや製造業における生産管理工程の高度化等により、ダイオキシン類やクリーンルームにおける不純物等の極微量物質の分析の需要が高まっている。計量法もこれらの需要の高まりに応える形で改正されている。また、新素材の開発やDNA分析など、原子、分子レベルの情報がもとめられており、これらの需要に応える計測機器の開発が急務である。
環境の現状を把握するための計測機器はますます重要になっている。
ISO14001を支援する計測機器
ISO14001は、1996年9月に制定された「環境マネジメントシステム規格」である。このISO14001を支援する計量計測機器(システム)として、各社から
化学薬品安全管理システム、 廃棄物計量システム、PRTR/ASP(化学物質管理システム)、環境影響評価システム、中水利用システム、水質連続モニターシステム、などが提供され、注目されている。