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 2002年7月21日(2453号)


■エッセ
ー日本 山 紀行「2002夏霧ヶ峰高原に遊ぶ」

 歩くこと、ウォーキングが流行っている。東京神田のミズノスポーツの1階売り場にはウォーキングシューズ売り場が設営されている。かつては自転車であった。冬場はスキーであったりスノーボードであったりしたが、2002夏はウォーキングなのである。

 大きな声では言えないがスポーツ用品は売れていない。ミズノも売り場の係員を減らして売り上げ減少を凌いでいる。上階にはハイキングの売り場があり、こちらもそこそこの動きがある。中高年の山歩きが盛んになっているからだ。とくに中高年女性の山への進出がめざましい。

 登山はウォーキングの延長みたいなもので、筋肉をバランスよく使う全身運動である。また自分の力量に応じた生涯スポーツとして楽しむのに向いている。健康は食事と運動によって創られる。健康には身体の健康と心の健康があり、2つをともに勝ち得ることが大事だが、これがなかなか実現しにくい。

 ある知人が降圧剤を服用するようになった。ストレスと運動不足がもたらした高血圧症への対処のためだ。肥満はその人の自制心のバロメーターであるから、肥満は恥ずかしいことなのだ。運動しないで食べてばかりいれば肥満するのは当たり前だ。運動しないうえに食べないと虚弱な肉体になる。だから食事と運動の適切な組み合わせによって健康は創り出すのである。

 旅行もまた人の健康と元気を創りだすことを経験が教えている。現代は旅行に車を使うようになった。車を使っての旅行には、運転という楽しみがある。運転を移動の手段とだけすることもあるが、運転自体を楽しむ文化もある。コラムニストでエッセーストを自称するN氏の2座席のオープントップの車の助手席にのせてもらった。熱海から鎌倉まで走ったら日焼けをした。運転を楽しむために出かけるなら霧ヶ峰の高原道路がいい。気が向いたら散策路を見つけてのんびり歩こう。そう、ドライブ用の靴をウォーキングシューズに履き替えて。

甲斐鐵太郎(旅行家)

 2002年7月21日(2453号)

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