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 2002年11月10日(2467号)


■ <東京都計量検定所>質量のJCSS校正事業を11月1日から開始−全国初、1トンまでの実用レベル分銅を校正

 東京都計量検定所(奥秋彰一所長)は、全国で初めて1mg分銅から1t分銅までの幅広い質量を対象とするJCSS認定校正事業者資格を取得し、11月1日からJCSSロゴマーク付の校正証明書を発行する新事業を開始した。認定取得は8月19日、認定番号は0114。計量検定所のJCSS認定校正事業者資格取得は東京都計量検定所が初めて。質量分野で1t分銅までの幅広い質量を対象とするのも初めてである。都内の中小企業や大学等の研究機関からの要望が多い実用レベルの分銅のJCSS校正開始への期待は高い。(関連記事5面)

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検定所で初めて認定取得

 東京都計量検定所が事業を開始する範囲は、OIMLの分銅等級のF2クラス分銅で1mgから20kgまで、M1及びM2クラス分銅で10mgから1tまでとなっている(5面表1)。東京都計量検定所のJCSS校正は実用レベルの分銅を幅広く取り扱うのが特徴であり、また1tの分銅を取り扱うのは東京都計量検定所が全国で初となる。今後、ますます製品の品質管理が求められるなか、特に製造業でJCSS校正がなお一層普及していくことが期待されている。奥秋彰一所長は「都内企業を中心に需要に応え、東京の産業力の育成に貢献できればうれしい。それがJCSS制度全体の裾野も広げることになればよい」と語っている。

 また、JCSS校正と基準器検査を同時に受検すると、基準器検査手数料が一部免除になることから、同時申請するときはより割安なサービスの提供ができるようになる(5面表2)。

 東京都計量検定所は1999年度(平成11年度)からJCSS認定校正事業者に関する検討を開始した。慎重な討議と準備を重ねて、本年1月31日に認定申請書を認定機関である(独)製品評価技術基盤機構(NITE)へ提出し、審査を経て8月19日、質量分野のJCSS認定校正事業者として認定された。条例関係の整備など運用開始に必要な準備を整え、11月1日からJCSS校正事業を開始した(5面経過参照)。

JCSS制度

 計量法トレーサビリティ制度(JCSS)は1993年(平成5年)11月に施行された改正計量法により導入された国家計量標準供給制度と校正事業者認定制度からなる制度。先端産業分野をはじめ工業生産における高精度の計測や品質管理の信頼性確保を目的として、創設された。認定事業者の発行するJCSS標章(ロゴマーク)付き校正証明書は、国家計量標準にトレーサブルであることを証明し、認定基準を満たす事業者の技術能力や品質システムの信頼性をも保証している。JCSS認定校正事業者は校正機関の能力に関する要求事項であるJISQ17025(ISO/IEC17025)を満たしている。

 東京都計量検定所が取得した質量区分(分銅等)におけるJCSS校正は、国家標準につながる分銅を用いて、依頼を受けた分銅の質量を計測し、不確かさとともに値付けを行うものである。企業では、ISO9000の普及や海外貿易において国際基準に基づくはかりの精度確認が求められている。国内企業が米国自動車メーカー等へ部品を納入する場合、はかりの信頼性を保障するため、分銅のJCSS校正証明書を要求されるのである。正確な質量の値が分かっている分銅を用いて、はかりをチェックする必要があるのでJCSS校正への需要が増えている。

 しかし、質量区分におけるJCSS認定事業所数は、10月22日現在、全国で10事業所で、普及が十分とはいえない状況にある。そこで都内中小企業、大学等の研究機関からの需要が高く、その供給がとりわけ不足していた質量区分の実用レベルの分銅について、東京都が校正事業者の資格を取得したのである。

 2002年11月10日(2467号)

■  秋の褒章・叙勲   【藍綬褒章】石田隆一氏


褒章
【藍綬褒章】
石田隆一氏(65歳、(株)イシダ代表取締役、(社)日本包装機械工業会副会長、(社)日本計量機器工業連合会常任理事)
(経歴と受章のことばは3面)

 

 2002年11月10日(2467号)

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