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 2002年12月1日(2470号)


■ デフレ経済下でも元気印の京都企業のベンチャー精神に学ぶ          −平成14年近畿計量大会 11月22日京都で開かれる− 堀場雅夫氏と小谷泰久知的基盤課長の講演も 

  近畿地区の大阪、京都の2府、滋賀、奈良、和歌山、兵庫の4県の計量協会・計量団体連合会が毎年11月に実施している「近畿計量大会」の平成14年度大会が、11月22日午後、京都府計量団体連合会の当番主催によって、京都市中京区の全日空ホテル平安の間で開かれ、会員・来賓等あわせて270名が参加した。今大会では「計量・計測と産業づくり」をテーマに掲げて、これに関連する基調講演、記念講演、パネルトークを行った。

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         近畿計量大会は午後1時に開会、主催者代表として京都府計量連合会会長の石田武久氏が挨拶に立ち、計量器事業に連動するモノ造り産業の振興こそが日本経済再生の正道と力説し会場の賛同の拍手を浴びた。来賓祝辞が経済産業省技術環境局長(代理小谷泰久知的基盤課長)、京都府知事(代理麻生純副知事)、京都市長(代理不室嘉和収入役)の順にあって、以後祝電の披露、近畿計量協議会会長感謝状贈呈(染山孝雄氏、金村正敏氏の二氏に)、基調講演、記念講演、パネルトーク、京都宣言、次期開催県決定(兵庫県)、交流会の式次第で進行し、午後6時30分に閉会した。

小谷泰久氏の基調講演

 「新産業創出を支える知的基盤の整備」が講師の小谷泰久氏(経済産業省知的基盤課長)の演題。知的基盤とは、科学技術基本計画、知的基盤整備特別委員会について基本事項を解説した後、同特別委員会が8月末にまとめた6項目内容を説明した。6項目は@計量標準、A地質情報(地球科学情報)、B化学物質安全管理、C人間生活・福祉、D生物資源情報、E材料。

 つづいて「計量標準の目標と計量計測技術の開発・標準化」の小テーマに時間を割いて説明。計量標準と計量計測技術は産業の共通基盤であり、基準認証分野での国際相互承認を推進する上からも国際的同等性を確立した計量標準を保持することが必要性であることにふれ、このため@国家計量標準の計画的開発・供給、A国際比較による国際整合性の確保、Bトレーサビリティを通じた円滑な供給、C中核となる機関及び関連機関のネットワークの整備、が大事であると述べた。国家計量標準の具体的整備目標として@次世代産業のための基盤整備、A電気関連標準整備の加速、B国際相互承認に必要な基本となる標準の整備、C環境、安全への対応に必要な標準整備、の4項目をあげた。

堀場雅夫氏の記念講演

 堀場雅夫氏は竃x場製作所取締役会長で、産業界ならびに一般社会でも有名な人。「ベンチャー魂なくして企業の発展は無し」の演題で、経験と考えを話した。ベンチャーとは企業を興すことだけではなく、企業内においても「やる気」に通じる開発精神のことで、誰でもが持たなくてはならないものであることを強調した。自分の企業の事業のうち利益が出る分野はわずかであり、その分野で新しい標準を確保できるようでない事業分野はよくてトントン、大方は赤字になっていると述べた。自身も京都帝国大学理学部在学中に堀場無線研究所を創業、卒業後してしばらくして堀場製作所を設立した。

京都の元気な企業がパネルトーク

 「京都発信 こんなにある京都の知恵・元気企業」の演題で、元気印企業の代表が自社事業の概要を紹介した。パネリストは潟Cシダ福田雅夫氏、兜x永製作所小佐野常夫氏、鞄津製作所十川好志氏、増田産業(有)増田典氏、鞄津テクノリサーチ井上毅氏、日本新薬且R本保雄氏、福田金属箔粉工業葛橋彪氏で、コーディネータは京都府計量検定所長の浅井利彦氏が務めた。IT、バイオ、リサイクル、環境および研究開発と計量計測の関係を、それぞれの企業の事業成功の事例で示した。

 2002年12月1日(2470号)

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