■<JCSS校正事業者が認定から登録へ> 今国会に内閣提出法案、参議院で審議中 −経済産業省関係8法の改正案として− 行政の裁量余地なくす公益法人改革の一環
計量法トレーサビリティ制度のJCSS校正事業者を「経済産業大臣の認定を受けることができる」から「経済産業大臣の登録を受けることができる」ように計量法を改正する法律案が3月17日、参議院へ提出された。計量法など経済産業省関連の8法を一括して改正する「公益法人に係る改革を推進するための経済産業省関係法律の整備に関する法律案」で、参議院から先に審議される。この法律案は、公益法人改革の法改正の一環であり、要件を明示して登録制にすることにより行政の裁量余地をなくすのがねらい。(関連記事3面)
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計量法トレーサビリティ制度のJCSS校正事業者は現在、計量法第百四十三条で「計量器の校正等の事業を行う者は、経済産業省令で定める事業の区分に従い、経済産業大臣に申請して、その事業が次の各号に適合している旨の認定を受けることができる」と規定されており、経済産業大臣が認定する制度である。法律案はこれを「経済産業大臣に申請して、登録を受けることができる」と改正する。登録に関して必要な手続は、経済産業省令で定める。
法律案は第百四十三条2項で「経済産業大臣は、前項の登録の申請が次に掲げる要件のすべてに適合しているときは、その登録をしなければならない」としており、行政の裁量余地を排除するものになっている。
登録の要件は@「特定標準器による校正等をされた計量器若しくは標準物質又はこれらの計量器若しくは標準物質に連鎖して段階的に計量器の校正等をされた計量器若しくは標準物質を用いて計量器の校正等を行うものであること」、A「国際標準化機構及び国際電気標準会議が定めた校正を行う機関に関する基準に適合するものであること」の2点である。JCSS校正事業者になるために必要な要件の中身は、現在と同じである。
法律案は、一部を除いて2004年(平成16年)3月1日から施行するとしている。
「公益法人に対する行政の関与の在り方の改革実施計画」(2002年3月29日閣議決定)は、法律に基づいて公益法人が国から指定・認定等を受けて行っている検査・検定等の事務・事業については、法令等に明示された一定の要件を備え、かつ、行政の裁量の余地のない形で国により登録された公正・中立な第三者機関により事務・事業を実施する制度へ移行することとしている。
今回の法律案はこの決定を具体化したもの。同計画では、原則として2003年度中に必要な法改正を実施することになっている。