■業務用大型ガスメーターに不具合 −遮断弁の作動不良、ガス漏れの可能性− 都市ガス業者は点検と全数交換を実施
大規模料理飲食店、ホテル、工場など主として業務用に使用する30号以上の大型ガスメーターの一部に、遮断弁の作動不良や微量のガス漏洩が発生する恐れがあることが判明した。都市ガス事業者など対象メーターを設置している事業者は、該当製品の点検と全数交換を実施する。一般家庭で使用するガスメーターに問題はない。
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不具合が見つかったのは、2000年2月から2003年3月までに愛知時計電機(株)が製造した業務用大型ガスメーター部品(遮断弁)と、2002年8月から10月に(株)金門製作所が製造した業務用大型ガスメーターの一部。愛知時計電機製メーター6971台(うちLPガス向け375台)、同社遮断弁組み込みのガスメーター1万5717台、金門製作所製メーター1328台(うちLPガス向け30台)が該当する。
該当する愛知時計電機製(同社の遮断弁を組み込んだメーターを含む)のガスメーターは、メーター内に組み込まれている遮断弁の一部に、弁を繰り返し作動させると弁の動作に伴って摩耗粉が発生し、それが堆積することにより、地震時等にガスを遮断する機能が適切に作動しなくなる可能性がある。摩耗粉が発生しやすくなるのは、遮断弁軸受け側の材質をステンレス系に変更を行ったことと、業務用大型ガスメーターに用いている遮断弁が重くスライドする距離が長いことが影響している。
金門製作所のガスメーターについてはメーター組立工程における品質管理の不備からメーター配線保護チューブの継ぎ手のナット締め付け不足のため緩みを生じる可能性があり、このため同チューブを伝わり本体上部のコントロールボックスを経て微小なガス漏えいが発生する可能性がある。
都市ガス事業者など対象メーターを設置している事業者は、該当製品の点検と全数交換を実施する。対象の顧客にダイレクトメールで通知するとともに、ホームページなどでも対策と該当メーターを公表している。
今回、不具合が見つかったのは業務用の大型メーターであり、一般家庭で使用するメーターとは色(業務用はグレー、家庭用はクリーム色)、大きさ(家庭用は高さ45p以下)、形状などが異なっているので簡単に区別できる。