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 2003年4月13日(2486号)


■NPO「トレーサビリティ研究協会」を設立 −設立祈念講演会を開催− 計量トレーサビリティの普及をめざす 協会設立祈念講演会開催 4月26日(土)大阪市で

  松下電器産業で長年にわたり計量のトレーサビリティの構築、普及を進めてきた鎌田三雄氏らを中心に、NPO(特定非営利活動法人)の「トレーサビリティ研究協会」(鎌田三雄理事長)が設立され、活動を始めた。同協会は2002年8月28日付で大阪府知事からNPO認証された。協会の創立を記念し、4月26日(土)に(独)産業総合技術研究所計量標準総合センター(NMIJ)の小野晃氏を講師に記念講演会を開催する。また同協会では、新規会員を募集している。

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   「トレーサビリティ研究協会」は、国内企業・行政機関において計測・計量活動をしてきた人々が中心となり発足。「計測・計量トレーサビリティ思想を啓発・普及する事業を進め、日本や国際社会における学術文化、産業経済、環境および教育の各分野に貢献する」ことを目的とし、計測・計量トレーサビリティを市民社会に普及させるための活動をしていく。

 同協会の主な事業内容は、▽正しい計測普及のための社会教育の推進▽「測る文化」の振興を通じて文化・芸術・スポーツ振興への支援▽国際的に共通な「SI単位」と国際的な計測情報の普及による世界に通用する計測人材の育成▽環境を測る技術と仕組みの創出による環境保護推進▽計測・計量関係資料の企画出版▽計測計量システムや計測技術に係わるコンサルティング▽計測計量技術セミナー開催。

 現在、約30名の会員を登録している。会員は、正会員、賛助会員、準会員の3種類。同協会は「計量計測分野の技術と管理に携わる各分野、各機関、個人からの専門的な学識経験と新しい人材の活動参加と活動支援で、『測る文化』の定着とレベルアップのための社会貢献を実現するために、ぜひ協力してほしい」と参加を呼びかけている。

 「トレーサビリティ研究協会」の創立を記念し、4月26日(土)に(独)産業総合技術研究所計量標準総合センターの小野晃氏を講師に記念講演会を開催する。鎌田三雄氏が同協会の紹介と活動方針を説明する。

【日時】平成15年4月26日(土)、13時〜16時30分

【会場】(株)中央電気倶楽部(大阪市北区堂島浜2−1−25)、5階大会議室

【プログラム】第1部=▽NPOトレーサビリティ研究協会について▽活動方針の説明「市民社会の計測トレーサビリティ活動を目指して」(理事長・鎌田三雄)
第2部=講演「計測・計量標準開発と社会普及の重要性」((独)産業技術総合研究所計量標準総合センター部門長理学博士・小野晃)
第3部=懇親会(16時30分〜19時):ホテルアンビエント堂島

【参加費】▽講演会=会員1000円、一般2000円、▽懇親会=4000円(希望者のみ)

【問い合わせ先】トレーサビリティ研究協会=〒556−0014、大阪市浪速区大国1−12−23−304、TEL 06−6636−1960、FAX 06−6636−1892、e-mail:kamadam@ann.hi-ho.ne.jp

 2003年4月13日(2486号)

 

 ■遠隔校正実現の可能性広がる −産総研が「長さ標準器」の遠隔校正技術を開発−

 

 (独)産業技術総合研究所計測標準研究部門(小野晃部門長)は、産総研が開発した「タンデム型低コヒーレンス干渉計」を利用した測定法を使って、長さ10mの単一モード光ファイバーを通しての遠隔精密長さ計測に成功した。長さ標準器(ブロックゲージ等)の遠隔校正の可能性を示したといえる。

 現在は、長さ標準器を校正するには、器物そのものを標準研究所や校正機関に送る必要があるが、送付の際に紛失や破損の可能性があり、また、往復に要する時間もかかる。今回、産総研が開発した計測技術を用いれば、器物はユーザーの測定室に設置したままで、校正機関等から光ファイバーを通して送られてくる光で器物を照明し、反射光を検出器で検出するだけで国家標準にトレーサブルな長さの値が得られることになる。

 産総研では今後、この測定技術の不確かさをさらに向上させ、同時に開発している光通信帯域での「波長安定化光源」と組み合わせた上で、外部機関との遠隔校正実証実験をおこなうことにしている。

 今回の成果は、干渉光を光ファイバーで伝送させる方法で実現した、世界で初めての提案・実験である。遠隔校正が実現すると、現在の情報化社会に適したトレーサビリティ制度が確立できるとともに、一般ユーザーが実施する計測の信頼性が向上し、安く敏速に計測器・標準器が実現できることになる。

 2003年4月13日(2486号)

 

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