■<1〜3月の企業景況感は悪化> =中小企業の景況は一進一退= 02年度貿易黒字額は36.6%増
景気の指標に明るい材料がなかなか出てこない。内閣府が4月24日に発表した法人企業動向調査によると、1〜3月期の企業の景況感を示す判断指標はマイナス27で、前回調査のマイナス24から3ポイント悪化、3期連続でマイナス幅が拡大した。経済産業省が30日に発表した3月の鉱工業生産指数(速報、2000年=100、季節調整済み)は前月比0・2%減の93・3で、2カ月連続の低下となった。財務省は23日、全国財務局の管内経済情勢報告を発表し「地域経済は総じて横ばいで推移している」と、経済情勢の総括判断を前回(今年1月)から据え置いた。統計指標等は集約時期に差があるので、注意してみる必要があるが、相対的に不安材料が多いのが現状である。財務省が23日発表した02年度の貿易黒字額は前年度比36・6%増の9兆6795億円で、4年ぶりに増加している。
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企業業績は改善
内閣府の3月法人企業動向調査では、1〜3月期の企業の景況感を示す判断指標が3期連続でマイナス幅を拡大した。4―6月にかけて景気見通しはさらに悪化しており、内閣府は「企業の景況感は悪化している」との判断を示した。1─3月、4─6月の景気判断指標(BSI)は、全業種でマイナスとなり、全体としてマイナス幅も拡大した。特に、海外需要見通しが1─3月、4─6月にかけ、急速に悪化している。企業自身の売上高見通しや経常利益見通しはマイナス幅が縮小傾向にあり、業績自体は改善している。設備投資は、昨年度下期までは前年比マイナス幅が縮小傾向にあり、設備投資の下げ止まり傾向が見える。
経済産業省の3月鉱工業生産指数は93・3で、2カ月連続で低下した。3月の出荷指数は2・6%減の93・9。在庫指数は0・7%減の90・8。製造工業生産予測によると4月の生産は0・9%減少、5月は2・1%増加の見通し。鉱工業生産の基調判断は、前月から変わらず「生産は弱含みで推移しており、最終需要動向が不透明であることなど、今後の動向を注視する必要がある」。02年度の鉱工業生産指数は、前年度比2・6%増の93・1と2年ぶりに上昇。
中小企業金融公庫は4月の中小企業景況調査で「中小企業の景況は一進一退の状況が続いている」としている。
3月の完全失業率は5・4%
総務省が4月25日に発表した労働力調査結果によると、3月の完全失業率(季節調整値)は2月より0・2ポイント悪化して5・4%となった。若年層での失業率の高さが目立ち、15〜24歳は過去最悪の13・2%。
個人消費は上向かず
個人消費が上向かない。日本百貨店協会が発表した3月の全国百貨店の売上高は、前年同月比3・7%減の7258億円で12カ月連続で前年水準を下回った。また、日本チェーンストア協会が発表した3月の全国スーパーの売上高も、2・0%減の1兆1752億円で9カ月連続の前年割れとなった。