公取委の19社に対する排除勧告の内容は、次の4点。@水道メーター(乾式直読型の口径13o、20o、25o)の受注価格の引上げを図るため、共同して受注予定者を決定し、決められた予定者が受注できるようにする行為を取りやめていることを確認する。A違反防止のために採った措置及び、今後同様の違反行為をおこなわないことを東京都に通知するとともに、自社の従業員に周知徹底させる(この通知と周知徹底の方法はあらかじめ公取委の承認を受ける)。B今後、同様の違反行為を行わない。C以上の措置内容を速やかに公取委に報告する。
勧告を応諾すれば、公取委は審判手続を経ないで勧告内容で審決をするが、応諾しない場合は審判手続を開始する。期限は7月30日。
1996年7月11日に公取委が東京都発注の水道メーターの指名競争入札参加25社(当時)の審査を開始して以降、水道メーターの受注価格が低落していた。19社は遅くとも01年7月19日までに、東京都が一般競争入札の方法で発注する3口径メーターの受注価格を引上げるため談合することを合意し、受注物件を愛知時計電機、東洋計器、リコーエレメックス、金門製作所の大手4社と、4社以外の中小業者が受注するものとの2つのグループに分けて、受注予定者と受注価格を決めていた。
公取委は、@大手4社が受注する物件は、愛知時計電機が従来の受注実績等を考慮して物件ごとに受注予定者を決定し、A中小業者が受注する物件は、愛知時計電機から中小業者の受注予定者の決定を任された高畑精工が、受注実績等を考慮して物件ごとに受注予定者を決定する方法で、東京都が一般競争入札方式で発注する3口径メーターの大部分を受注していた、と認定している。19社は、02年7月17日以降は談合をやめている。
【排除勧告を受けた19社(社名、代表者)】▽愛知時計電機(株)(池田一)▽東洋計器(株)(土田泰秀)▽リコーエレメックス(株)(中村高)▽(株)金門製作所(小野田晃夫)▽高畑精工(株)(山本康雄)▽(株)ニッコク(御法川法男)▽(株)吾妻計器製作所(生田明)▽大阪機工(株)(土井隆雄)▽東京水力器機(株)(内田邦夫)▽日本計器工業(株)(浜中光四郎)▽日東メーター(株)(樋口知明)▽(株)阪神計器製作所(松田健仁)▽明治時計(株)(湯沢信雄)▽武田時計(株)(武田次郎)▽(株)水戸量水器工作所(江崎克文)▽(株)愛北製作所(荒深修)▽柏原計器工業(株)(三浦秀司)▽大平メーター(株)(秋澤秀光)▽(株)西部水道機器製作所(和泉正史)
水道メーターは、上水道等の配水管又は給水管の中を流れる水量を適正に計量する必要があることから、計量法令で検定の有効期間が8年と定められている。8年を経過したメーターは、新品の水道メーターのほか、外ケースを研磨・塗装し、内部の計測器部分を交換した、いわゆる「修理品」と交換される。
東京都は、談合防止のため、97年に入札方式を指名競争入札方式から、一定の条件を付した、いわゆる制限付一般競争入札方式に改めている。