■高山市宮川の朝市
高山市は昨年のNHK朝の連続ドラマ「さくら」による宣伝効果のため大にぎわいで、休日など市内に住む者は交通渋滞に悩まされたという。
高山市に住む二人のM氏と富山市のH氏、W氏とで岐阜県馬瀬村の民宿老田屋に宿泊して幻の名川、馬瀬川で鮎釣りをした。鮎釣りに没頭した後の夕食時の語らいなどで楽しい休日になった。老田屋には20日間の夏休みをとってこの川で釣りを楽しむ嘘のない素晴らしい人柄の藤沢市在住のS氏がいる。鮎釣りは人をそれほど虜にする。
低水温で存分の釣りとはいかなかった悔いを残しての東京への帰途、富山の二人とは高山市繁華街で別れて宮川の朝市を見物した。ここを訪れるのは数度。昨年は交通混雑を恐れてパス。
ブームも後退した今年でもこれまでの見物の時より遙かに人の出が多かった。市(いち)は日を決めて実施されるのが普通だが、宮川の朝市は毎日立つ。市(いち)は祭りでもあり、それは非日常のハレの日でもある。祭りは人の気分を高揚させる。宮川の朝市が立つ通りはすっかり観光名所になり、屋台の出店のほか沿道の家々も物売りの店にかわった。地ビールだの飛騨牛の串焼きだのを出して人気であり、沿道が洒落たプロムナードコース(散歩道)になっている。訪れた日は夏休み最初の日曜日だったため子供連れが多かった。人混みは祭り気分を盛り上げる。不調に終わった鮎釣りの寂しさを晴れて夏模様の宮川の朝市のにぎわいで吹き飛ばすことができた。
甲斐鐵太郎(旅行家)