■<日銀9月短観>大企業景況感、2年9ヶ月ぶりプラス
日銀が10月1日発表した9月の企業短期経済観測調査(短観)によると、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は、景気のけん引役である大企業製造業がプラス1となり、前回6月調査(マイナス5)から6ポイント改善した。改善は2期連続。プラスに転じたのは2000年12月調査以来2年9カ月ぶり。景気の持ち直し傾向が企業心理の面からも裏付けられた形だが、懸念材料もありこのまま景気の本格回復につながるかどうかは依然不透明な状況である。
大企業・非製造業のDIはマイナス13で前回調査から横ばいである。中小企業・製造業のDIはマイナス23(前回マイナス28)と6期連続改善した。中小企業・非製造業のDIはマイナス31(同マイナス35)で2期連続で改善した。
大企業・製造業の設備投資計画は前年度比11・1%増、非製造業0・4%増だが、今回の調査で下方修正した。
中小企業景況感が大幅改善
商工中金が9月30日発表した9月の中小企業景況観測調査によると、景気の現状に関する景況判断指数は49・4と、前月比3・4ポイント上昇した。改善は2カ月ぶり。
「好転」「悪化」の分岐点である50は引き続き下回った。調査は取引先800社を対象に面接方式で実施した。
製造業は50・4と、同4・4ポイント上昇。2000年11月以来2年10カ月ぶりに50を超えた。
関西の景気判断がプラスに
大阪商工会議所と関西経済連合会が9月30日発表した経営・経済動向調査では、7−9月期の国内景気が4−6月期より「上昇」とみる割合から「下降」の割合を引いた値は6・1となり、2001年3月の調査開始以来初めてプラスに転じた。前期はマイナス36・0。今後予測は、10−12月期20・9。