■景気は緩やかな回復基調−設備投資意欲活発に−
景気の回復を示す指標が増えてきた。内閣府が10月7日に発表した8月の景気動向指数(DI、速報値)は、景気の現状を示す「一致指数」と数カ月先の見通しを示す「先行指数」がともに55・6%となり、景気が上向いていると判断する分かれ目になる50%をともに4カ月連続で上回った。一致指数が3か月連続で50%を超えれば、景気の回復基調が確認されるとされており、景気は緩やかな回復基調にあると言えそうだ。
一致指数を見ると、全11系列のうち、速報段階で5系例が3カ月前対比でプラス。鉱工業出荷指数が高水準であるほか、雇用関連の指標も高い。
設備投資意欲が景気を後押し
設備投資の動きが活発化してきた。日本政策投資銀行が9月18日に発表した大企業対象のアンケート調査では、03年度の設備投資額は、製造業が引っ張り、全産業で前年度比で4・9%増え、3年ぶりに増加する見通しになった。製造業は前年度比16・2%増と2桁増、非製造業は同0・2%増。業種別では、電気機械が同22・3%増、計測機器関連を含む精密機械も3年ぶりに増加する見通しである。
日本銀行が10月1日発表した9月の企業短期経済観測調査(9月短観)でも、03年度の設備投資計画は、大企業の製造業が前年度比11・1%増、非製造業も0・4%増となっている。全規模全産業でも2・2%増の計画となった。ただ、中小企業の設備投資計画は、前年度比マイナスが続いている。