■【7−9月期は電気計測器生産が好調】10月鉱工業生産動向は2ヶ月連続で上昇 10−12月大企業全産業景況判断は+5.6%
各種経済統計値は大枠では上昇傾向にある。経済産業省が11月28日発表した10月の鉱工業生産指数(速報、2000年=100、季節調整済み)は97・5と、前月より0・8%上昇した。2カ月連続の上昇で、指数は01年3月以来約2年半ぶりの高水準となった。出荷指数も1・2%高い100・6。財務省が12月4日発表した景気予測調査(11月調査)では、大企業全産業でみた03年10─12月期景況判断指数はプラス5・6となり、前回8月調査時の見通し(プラス2・5%)から改善した。7─9月期の法人企業統計(法人季報)(財務省、12月4日発表)では、全産業の設備投資が前年同期比プラス0・4%となり、2期連続でプラスとなった。ただ、消費動向は思わしくなく、デフレ傾向も変わっていないことから、政府も慎重な見方は崩していない。
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鉱工業生産は持ち直しの動き
経済産業省が12月3日発表した03年7−9月期の産業活動分析によると、鉱工業生産は「02年10〜12月期から足踏み状態であったが、当期(前期比1・3%、2期ぶり)は比較的大きな上昇となった」としている。国内向け出荷は前期比0・4%と2期ぶりの上昇。輸出向け出荷は同1・0%と2期連続の上昇となっている。
電気計測器は2期ぶりの上昇
電気計測器の生産は、工業用計測制御機器、電気測定器、半導体・IC測定器とすべての品目が増加して、前期比6・3%と2期ぶりに上昇した。
精密機械工業分野では、7−9月期の計測機器の生産は、工業用長さ計が増加したが、分析機器が電気機器メーカー向けに減少したこと、試験機、測量機器、精密測定機などが減少したことで、前期比1・9%減と5期ぶりに低下している。
日本工作機械工業会が11月30日発表した10月の工作機械受注額(確報値)は、前年同月比24・7%増の726億円と、13カ月連続で前年実績を上回った。
世界経済は回復基調
世界経済の回復傾向の中で、11月26日、経済協力開発機構(OECD)は加盟国の経済見通しを発表した。日本の03年実質成長率は前回4月のプラス1・0%から同2・7%へ、04年も前回の同1・1%から同1・8%へそれぞれ上方修正した。
中小企業は厳しい
財務省の景気予測調査(11月調査)では、中小企業全産業の景況判断は、10─12月期がマイナス20・0%となり、前回8月調査時点の見通し(マイナス16・4%)から悪化。先行きに不透明感があり、今後の動向を注視する必要がある。
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