毎年、3月の第一日曜日に実施される計量士国家試験が、3月7日に全国9会場で9時20分より一斉に実施された。計量士国家試験は、適正な計量の実施の確保を推進するため、計量に関する専門知識・技能を有する者の養成を目的として、毎年1回実施されている。受験資格の制限がないため、東京会場の早稲田大学では幅広い受験者がみられた。
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今年の出願者は去年より434名多い、12705名で過去最高の出願者数となった。試験の区分別では環境計量士(濃度関係)が8914名、環境計量士(騒音・振動関係)が2408名、一般計量士が1383名となっており、環境計量士の濃度関係の出願数が増えている。
試験当日の受験率(速報)は、環境計量士(濃度関係)が63・2%(5630名)、環境計量士(騒音・振動関係)が61・6%(1483名)、一般計量士が73・8%(1020名)となった。
合格発表は5月末頃の予定で、 本紙上及び計量計測データーバンクのほか官報、経済産業省ホームページ(http://www.meti.go.jp)に掲載される。昨年実施の計量士国家試験は合格率が、環境計量士(濃度関係)11・5%、環境計量士(騒音・振動関係)13・7%、一般計量士23・4%で、実施年によって増減はあるが難しい資格試験のひとつである。
計量士制度は、「経済取引の発達、産業技術の進歩等これらに関して要求される計量技術が高度化・専門化するようになったことを踏まえ、計量に関する専門の知識・技能を有する者に対して一定の資格を与え、一定分野の職務を分担させることにより、計量器の自主的管理を推進し、適正な計量の実施を確保することを目的と」している。出願者数が年々増加している環境計量士は1974年に創設されたもので、1992年に「濃度関係」と「騒音・振動関係」に区分された。計量士になるには国家試験を受験するほかに、(独)産業技術総合研究所計量研修センターに入所して所定の講習を修了する方法がある。