新光電子がJCSS申請を援助
ビブラ・ファミリー・クラブで10社が講習会
田中亀仁氏がトヨタの計測管理を講演
音叉式天びんで著名な新光電子がJCSS登録申請を援助している。2006年にビブラ・ファミリー・クラブ（VFC）を組織し、会員のなかからJCSS登録を希望する東日本、西日本各5社参加で「JCSS取得会」を開催してきた。取得会参加会社はJCSS登録を申請している。VFCは今年度も「第2回JCSS取得会」を開催することにしている。VFCは5月11日、つくばのつくば国際会議場で総会と講演会を開催し、トヨタ自動車の田中亀仁氏がトヨタの計測管理を紹介した。参加者は新光電子つくば事業所を見学した。
  
中央：岡崎稔社長、右：田中亀仁氏
VFCには計量計測機器の販売会社や各地域を基礎に事業を展開するはかり企業などが参加している。総会には約30社ほどが参加した。総会参加者は、岡崎社長や野村操つくば事業所長の案内で、4つのグループに分かれて新光電子つくば事業所を見学した。
あいさつした岡崎稔新光電子社長は、音叉式天びんの独自技術を持つ新光電子の歴史を紹介した。同社は2003年度から10カ年計画を展開しているが、毎年約10％売上を伸ばしており、昨年の販売額は28億3000万円である。岡崎社長は、新しい時代に計量分野としてどうかかわっていくのかという問題意識でVFCを立ち上げ、具体的にはコンプライアンス時代にどう対応していくのかということで、JCSS（登録校正事業者制度）取得に必要な講習会を企画し、参加会社が各自のスケジュールで申請をするまでになったと述べた。
新JIS規格適合天びんを開発
VFC総会で同社の安西正光常務取締役が新JIS規格に関して説明し、同社が新JISに適合する天びんを開発、販売するために取り組んでいることを紹介した。
今年もJCSS取得会実施
VFCは今年度も事業の一環として「第2回JCSS取得会」を開催することにしている。「JCSS取得会」は2007年8月から2008年5月までの10カ月間を予定しており、今年度も東日本、西日本各5社の計10社の参加を予定している。講習会は10カ月の間に14日の座学講習（基礎知識の拾得JISQ17025など）と実習（JAB技能試験など）を実施し、各社校正室での現地指導も実施する。その後、各社はそれぞれのスケジュールでJCSS申請をすることになる。講師は、大黒常雄技術管理部長、中山武彦品質管理課長、稲葉徳男品質管理係長。
トヨタの計測管理 −はかれるものは造れる
VFC総会で、トヨタ自動車(株)計測技術部の田中亀仁（たなか・かめと）氏が「トヨタのものづくりを支える計量計測管理について」と題して講演した。
トヨタは従業員が全世界で28.6万人、07年の生産台数は950万台に迫る勢いである。トヨタは「はかれるものは造れる」を中心に据えて計量計測管理を推進している。トヨタがめざすマネージメントシステムとは「特定の目的をもって、事物を量的に捕らえる方法・手段を考究し、実施し、その結果を用い初期の目的を達成させること」というものである。その心は「愚直に！地道に！徹底的に！」で、計測品質へのこだわりで信用・信頼される計測を実施している。何を計測するのかを中心に、何で計測するのか、どうやって計測するのか、どこで計測するのか、誰が計測するのか、を考えて計測管理を実施している。（次号へつづく）
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