2007年6月3日 (2677号)
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鎌長製衡が6年前倒しで再建完了
日本政策投資銀行など3行が一括弁済資金融資
事業内容評価し協調融資
有力な産業用はかりメーカーの鎌長製衡(株)(金本重孝社長、本社・香川県高松市)が6年前倒しで会社整理手続きを終了した。同社の事業内容を高く評価した日本政策投資銀行(小村武総裁)、香川銀行(遠山誠司頭取)、中国銀行(永島旭頭取)の3行が協調して会社整理残債務の一括弁済資金融資(Exitファイナンス)を実行したため。融資金額は非公表。3月30日付で会社整理手続終結が決定した。
金本重孝社長
鎌長製衡は、トラックスケールやパッカースケール、ホッパースケールなどを主力商品とする日本有数の産業用はかりメーカー。グループ企業によるバブル期の土地投機失敗などにより1995(平成7)年に会社整理開始決定を申し立てた。以後、会社整理計画に基づき順調に再建をすすめてきていた。
今回の3行による協調融資(シンジケートローン)により、当初計画していた2012(平成24)年度の整理債務完済より6年前倒しして債務の返済を終えた。会社整理開始から10年で返済を完了したことになる。
期待される今後の事業展開
同社は会社整理の法的手続きが完了することにより、取引先からの信用力向上、設備投資実行などの事業展開など、事業基盤のいっそうの維持・強化が期待されている。
今回の3行協調による一括弁済資金融資は、会社整理の早期終結で会社の信用を高め、事業基盤を安定化させることを目的としたもの。
3行は鎌長製衡の事業内容の以下の点を評価した。1.小回りのきく営業体制と開発力で、顧客の細やかな要望に応え、汎用品と差別化ができている。2.このような事業内容により実績を重ね、産業用はかりという分野で高いシェアを維持し、強固な事業基盤を築いている。
鎌長製衡の概要
【設立】1947(昭和22)年1月
【資本金】3億円
【売上高】36億5300万円(07年3月期)
【従業員】136人
【代表取締役】金本重孝
【事業所】▽高松本社・工場(高松市牟礼町)▽東京支店▽大阪支店▽名古屋支店▽九州支店▽中・四国支店
【主力製品】トラックスケール、パッカースケール・フレコン充填機、ホッパースケールなど産業用はかり、リサイクル処理機器、各種指示計
会社整理手続き経緯
▽95年9月=高松地方裁判所に対し、整理開始決定を申立▽97年3月=整理計画実行命令▽07年2月=高松地方裁判所に対し、整理計画変更申立▽07年3月=整理計画(変更)実行命令、Exitファイナンス実行、整理手続終結決定(3月20日付)
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2007年6月3日 (2677号)
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計量制度検討小委員会第3WG開く
意見反映し報告書修正
計量制度検討小委員会第3WG(今井秀孝座長、第11回会合)が5月22日、経済産業省で開かれた。
議題は、計量制度検討小委員会第3WG報告書(案)の修正。主要修正点は、計量標準の整備に関する記載と、計量証明におけるデータ改ざんに関して計量証明の事業の改善に関する事項の2点。
修正は、パブリックコメントでの意見や、都道府県との協議の結果をふまえたものである。
計量標準の整備に関しては「「指定計量標準(仮称)制度」の創設」としていたのを「国家計量標準の指定の範囲の拡大」に変更する。計量証明事業者の能力・品質の担保に関しては、より具体的な事項を追加した。地方自治体と国がおこなう事項を明確化した。検討の結果、事務局案を了承した。全国環境研協議会からの環境計量での精度管理に関する意見が紹介された。
2年に及んだ第3WGでの検討は今回の会合で終了した。
「「指定計量標準(仮称)制度」の創設」から「指定の範囲の拡大」へ
第3WGの報告書の目玉の一つであった「「指定計量標準(仮称)制度」の創設」という記述が、「国家計量標準の指定の範囲の拡大」に変更された。同制度の「趣旨を実現する方向を更に検討することとしたため修正」というのが事務局の説明である。
同制度の創設が要望された状況認識に変更はないが、新しい制度の創設となると法律改正などが必要になり、今国会に計量法改正案が提出されていないこともあり、新制度創設にこだわると目的達成が先延ばしになる恐れがある。「指定の範囲の拡大」とすることで柔軟に対応しようとしている。
指定内容としては、1.SIトレーサブルかそれと同等な計量標準と、2.上記以外であっても整備が必要な計量標準、に区分して整備する。
JCSS制度の現行の問題点も記述が補充された。
JCSS校正を受けられる種類の拡充等、ユーザーの需要に対応し、S登録事業者の拡充を図るため修正された。
(次号以下につづく)
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2007年6月3日 (2677号) |
第57回
計量士国家試験の合格者番号発表
経済産業省は5月31日、3月4日実施した「第57回計量士国家試験」の合格者番号を発表した。同日付官報に掲載されたほか、経済産業省のwebサイト(http://www.meti.go.jp/information/data/c70531aj.html)にも掲載されている。今回の合格者は環境計量士、一般計量士合わせて992名。(詳細は次号以下)
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