日本計量新報 2008年1月20日 (2707号) |
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計工連が新年交歓会開く
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左から、新年交歓会のようす、講演会のようす、講演をする田中康夫氏
講演会の講師は、新党日本代表で参議院議員の田中康夫氏。同氏が長野県知事時代に縁のあった計工連会長宮下茂氏の要請で実現した。講演では、普段新聞やテレビの報道では表面に出てこない政治と経済の実情が話され、日本や役所の改革は、役所や公務員にはできないことを印象づけた。税収入の過半は公務員の給与になってしまい公共事業や福祉に使われる税は半分もないことや、高齢化率21%に近づく超高齢化社会への対策も、下手をすると結局は箱物作りで機能をなさない恐れがあることを指摘した。公共事業の実施要領が鉄とコンクリートを使う仕組みになっていて、別の形式でお金を使えないようになっているという現状の告発は、この方面の知識のない者に強烈な印象を与えた。
新春交歓会は正午過ぎに開会、挨拶に立った宮下茂会長は「本会の使命は、企業の計量計測技術がイノベーションによって新市場を創出し、また社会と産業界の新興と発展の礎となるように側面から支援し、業界の明確な将来ビジョンの策定を助成することである」と述べ、会員の奮起を促すとともに、関係する学問分野、技術行政分野、その他の支援を求めた。
来賓代表として挨拶した経済産業省製造産業局次長の内山俊一氏は、現在の世界経済の状況の混迷に触れ、とりわけ米国経済と日本経済は不況下の物価高騰というスタグフレーションの様相を示しているという所感を述べた。
計量計測機器産業の昨年の規模拡張は4%ほどで推移しており、成長感に乏しい。しかし、アジア市場の発展と活発化に対応し、アジアでビジネスを行える商品の開発と事業体制の構築に取り組む企業が増えている。ただし、商品の性質からどうしても国内市場限定という企業もある。売り上げを伸ばして企業の発展につなげようとする企業がある一方、製造技術を利用したコスト削減を基本にして企業体質を変えようとする企業もある。実際には、この双方を組み合わせて対応することが必要である。
計量計測機器産業は、分析機器や環境測定機器、あるいは包装分野の領域での計量技術の組み合わせ、また流通分野での情報技術としての計測技術の活用などによって、市場を拡大してきた。昨年末に新光電子が音叉振動式の分析用天びんを商品化し、力と質量の計測領域を精密度において1けた向上させた技術革新は、最大のトピックスとして賞賛される。音叉振動式の利点は、精密度の長期安定性と小さな電力で利用できること、小型軽量などであり、この方面の技術にこだわって商品を地道に開発してきた新光電子の取り組みは見事である。なお、音叉振動式は新光電子だけが利用している技術である。計量法の規定では抵抗線式と電磁力平衡式、2つの概念が規定されていて、音叉振動方式は包括的な第3の規定の静電容量式に組み込まれたままである。計量法の検定の対象商品である音叉振動方式は、検定付きとしても流通している。
また、新光電子ではJISの規定を満たしたハカリ(はかり、質量計)を昨年国内第1号として販売した。技術革新と新市場開拓にかける同社の意欲のほどが、音叉振動式天びんとJISはかりという2つの新製品に象徴されている。
左から、滋賀県、京都府、兵庫県
(社)滋賀県計量協会の「平成20年新春年賀交歓会」が1月8日、滋賀県草津市のクサツエストピアホテルで開かれ、会員や来賓など約70数名が集った。
京都府計量団体連合会の「平成20年新年交歓会」が1月9日、京都市中京区のウイズユーで開かれ、会員や来賓など約50人が参集した。
(株)兵庫県計量協会と兵庫県計量士会による「平成20年計量年賀交歓会」が1月11日、神戸市中央区の神戸メリケンパークオリエンタルホテルで開かれ、約110数名が集った。