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日本計量新報 2008年3月9日 (2714号)

2007年度
第2回計量行政審議会計量標準部会開く
放射線(速中性子フルエンス)の標準供給開始へ

液体流量、石油流量、電磁波の減衰量は供給範囲拡大
標準物質の追加

2007年度第2回計量行政審議会計量標準部会(今井秀孝部会長)が2月28日、経済産業省で開かれ、2月14日付で経済産業大臣から諮問があった計量標準の供給拡大などを決めた。承認されたのは放射線(速中性子フルエンス)の標準供給の開始、液体流量、石油流量、電磁波の減衰量の供給範囲拡大と標準物質の追加である。本部会の決定が計量行政審議会の決定となる。今後、国はこの内容を告示する。本会議の次回開催は2008年10月頃を予定している。

     

放射線(速中性子フルエンス)の標準供給開始

▽特定標準器=速中性子フルエンス絶対測定装置群であって、(独)産業技術総合研究所が保管するもの

▽校正等を行うもの=(独)産業技術総合研究所

▽校正の種類・範囲=速中性子フルエンス校正用の減速材付中性子検出器であって、エネルギーが144keV、565keV、5MeV又は14・8MeVの場合において、校正範囲が1×10の3乗cm-2以上1×10の7乗cm-2以下のもの

▽特定2次標準器の校正周期=2年

▽測定の不確かさ=特定標準器による校正等における相対拡張不確かさ(k=2)は、3.6%〜6.2%を予定

中性子は原子力分野を始め、航空宇宙、医療、半導体、非破壊検査、各種分析などに関係し、多くの種類の中性子測定器や中性子線量当量測定器、中性子線源が使われている。中性子は放射線の一種であることから安全・安心の観点や規制強化から中性子測定器、中性子線量当量測定器への国家標準のトレーサビリティが求められている。産業のグローバル化の面からも国際的に通用する校正・試験結果へのニーズが高まっている。

産総研はこのたび加速器を用いて発生する4エネルギー点(144keV、565keV、5MeV、14・8MeV)の単色中性子による速中性子フルエンスについて標準供給実現の見通しを得た。

個人線量当量測定器、周辺線量当量測定器に対してはRI線源中性子と熱中性子による校正も必要となるが、これらについても2010年度までに段階的に供給体制を整備する予定。
(次号以下につづく)

     

中性子フルエンス校正装置の平面概略図

日本計量新報 2008年3月9日 (2714号)

第58回計量士国家試験 3月2日実施

出願者数は前年比100・8%

     

毎年3月の第一日曜日に実施される計量士国家試験が、3月2日、全国9会場で9時20分から実施された。

今年の出願者数は10732名で、前年比100.8%。また、実際の受験者数は7192名(3月9日現在の暫定値)。前年比は102.6%と微増した。受験率は67.0%。

試験区分別の速報は以下の通り(出願者数/受験者数/受験率。カッコ内は前年比)。

▽ 環境計量士(濃度関係)=7452名(101.5%)/4919名(103.5%)/66.0%

▽環境計量士(騒音・振動関係)=1864名(95.8%)/1212名(98.5%)/65.0%

▽ 一般計量士=1416名(104.0%)/1061名(103.5%)/74.9%

環境計量士(騒音・振動関係)は、ここ数年出願者・受験者共に減少傾向にある。

合格発表は5月末頃の予定で、本紙および計量計測データバンクのほか、官報、経済産業省ホームページ(http://www.meti.go.jp/information/license/index.html)に合格者の受験番号を掲載する。

計量士国家試験は、適正な計量実施の確保を推進するため、計量に関する専門知識・技能を有する者の要請を目的として、毎年一回実施されている。受験・応募資格に特に制限はなく、誰でも受験できるため、受検者層は幅広い。ただし、昨年実施された第57回の合格率は、全体で14.2%。実施年によって増減はあるが、難しい資格試験の一つである。

計量士制度は、「経済取引の発達、産業技術の進歩等これらに関して要求される計量技術が高度化・専門化するようになったことを踏まえ、計量に関する専門の知識・技能を有する者に対して一定の資格を与え、一定分野の職務を分担させることにより、計量器の自主的管理を推進し、適正な計量の実施を確保することを目的」としている。出願者数が多い環境計量士は1974年に創設されたもので、1992年に「濃度関係」と「騒音振動関係」に区分された。

計量士になるには、国家試験を受験するほかに、(独)産業技術総合研究所計量研修センターに入所して所定の講習を修了する方法がある。


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