暫定税率失効で10.7円値下げ(4月1日)
ガソリン計量器メーカーもGSへ対応方法を連絡
ガソリン価格の約35%が税金
暫定税率失効で約19%に比率減少
適正計量への信頼が価格論議の前提
ガソリン税の暫定税率が失効した4月1日、レギュラーガソリンのリットルあたりの店頭価格(全国平均)は、石油情報センターの調査で142.2円となり、3月31日に比べて10.7円下がった。軽油もリットルあたり10.5円下がり121.8円になった。経済産業省は石油業界へ安定供給を要請するとともに本省、地方局に対策本部を設置した。また、ガソリン・軽油販売関連の中小企業者を対象に金融支援対策を講じた。ガソリン価格論議も、ガソリン計量器での計量販売での消費者の計量値への信頼が前提である。
いわゆるガソリン税(揮発油税、地方道路税)は蔵出し税であり、精油所からの出荷時に課税される。ガソリンの安定供給のためガソリンスタンドはある程度の備蓄をしている。この備蓄ガソリンは暫定税率がかかっているため、4月1日から値下げして販売すると赤字になる。そのためガソリンスタンドの対応に差が出たが、多くは4月1日から値下げした。料金を表示するタイプのガソリン計量器(金額表示付計量器)は、設定を変更する必要があるので、ガソリン計量器のメーカーはガソリンスタンドへ対応方法などを連絡した。
石油情報センターの調査で、4月1日、前日に比べてレギュラーガソリンは全国平均でリットルあたり10.7円安の142.2円で販売された。最も値下げ幅が大きかったのは北海道で19.6円安、値下げ幅が小さかったのは九州・沖縄で4.9円下がった。軽油も全国平均で10.5円安の121.8円で販売された。
3月31日までガソリン税額は53・8円だった。内訳は本則税率分が28.7円、暫定税率分が25.1円。3月31日のレギュラーガソリンの全国平均価格はリットルあたり152.9円だったから、約35%が税金だったことになる。暫定税率の失効で現在は約19%が税金分である。
暫定税率の期限切れは地方予算の執行にも影響があり、共同通信のまとめでは33道府県が財源不足に備えて、2008年度道路関係予算の一部を一時凍結する。
経済産業省はガソリン・軽油販売関連の中小企業者を対象に金融支援対策を講じた。販売事業者に対する資金繰り対策として、資金繰りの悪化した石油販売業者に対して、(社)全国石油協会による特別保証枠(原則、無担保・無保証)の拡大(借入限度額を2000万円を一時的に最大7000万円まで引き上げ)、事業の継続に支障を来す可能性がある事業者に対する特別利子補給制度(最長5年間)の創設など、金融面での支援を実施する。また政府系中小企業金融機関等における特別相談窓口の設置(全国943カ所)、セーフティネット貸付の活用を呼びかけている。
民間調査機関による、ガソリン価格の値下がりによる世帯平均の負担軽減効果は1カ月2674円との推計もある。ただ、暫定税率が復活すると消費者へのマイナス効果も避けられないという。
ガソリン計量器への信頼が前提
ガソリンスタンドで消費者にガソリンを計量して提供するのがガソリン計量器で、計量法上では燃料油メーターという。消費者がガソリン価格に一喜一憂するのも、ガソリンが適正に計量されて販売されているという信頼と安心感を前提にしている。
燃料油メーターには、自動車等給油メーター、小型車載燃料油メーター、大型車載燃料油メーター、簡易燃料油メーター、微流量燃料油メーター、定置燃料油メーターの6種類がある。ガソリンスタンドに設置しているガソリン計量器は「自動車等給油メーター」である。
(次号以下につづく)
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