日本計量新報 2008年11月30日 (2751号)
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計量計測企業の2009年3月期の第2四半期
設備投資の減速で軒並み減収減益
2009(平成21)年3月期決算の企業の第2四半期決算がでそろった。米国のサブプライムローン問題に端を発した世界的な金融不安の高まり、原油・原材料価格の高騰、急激な円高による輸出企業の業績低迷など、景気の後退懸念が強まった。欧米諸国の経済環境も米国の金融危機の影響から減速に転じ、さらに急成長を続けてきた中国などの新興国についても、インフレ率の高まり等から景気減速感が鮮明となった。一方で半導体不況の影響により半導体メーカーによる設備投資抑制が強まり、また産業・経済の屋台骨であった自動車の大幅な生産調整、設備投資の減速がさらに景気に影響した。そのなかで計量計測機器関連の上場企業の決算結果を見てみると、一部の企業を除き軒並み減収減益の厳しい結果となった。
企業別の概要
前年同期比で売上増の企業は、愛知時計電機(20億5千6百万円増)、オーバル(7千万円増)、コニカミノルタHD(80億1千3百万円増)、テルモ(61億7千6百万円増)、長野計器(18億2千8百万円増)、森下仁丹(4億6千7百万円増)。
反対に売上減の企業は、エー・アンド・デイ(10億7千7百万円減)、エスペック(7億6千3百万円減)、オムロン(114億4千万円減)、神栄(36億1千4百万円減)、セコニック(39億6千4百万円減)、チノー(3億1千9百万円減)、東亜DKK(1億6千8百万円減)、東京計器(28億1千3百万円減)東京精密(180億6千2百万円減)、日本精機(68億6千8百万円減)、山武(31億8千7百万円減)、横河電機(74億9千3百万円減)、リオン(5億1千9百万円減)。
営業利益増の企業は、愛知時計電機(3億8千1百万円増)、東亜DKK(2千3百万円増)。
営業利益減の企業は、エスペック(4億9千1百万円減)、オーバル(1億2千5百万円減)、オムロン(79億8千7百万円減)、コニカミノルタHD(83億8千9百万円減)、神栄(7千8百万円減)、セコニック(6億5千8百万円減)、チノー(2億9千2百万円減)、テルモ(20億7千4百万円減)、東京計器(10億2千7百万円減)、東京精密(37億6千9百万円減)、長野計器(3億6千6百万円減)、森下仁丹(8千4百万円減)、日本精機(22億5千8百万円減)、山武(5億4千6百万円減)、横河電機(37億8千5百万円減)、リオン(4億5千4百万円減)。エー・アンド・デイは営業損益4億2百万円(前期比で18億4千7百万円減)。
経常利益増の企業は、愛知時計電機(2億4千3百万円増)、東亜DKK(3千5百万円増)、日本精機(1億9千9百万円増)。
経常利益減の企業は、エスペック(2億9千2百万円減)、オーバル(9千7百万円減)、コニカミノルタHD(67億9千3百万円減)、神栄(3千6百万円減)、セコニック(5億5千6百万円減)、チノー(2億9千4百万円減)、テルモ(11億1千6百万円減)、東京計器(9億8千5百万円減)、東京精密(33億9千3百万円減)、長野計器(2億8千万円減)、森下仁丹(7千8百万円減)、山武(7億8千7百万円減)、横河電機(13億1千万7百万円減)、リオン(4億7千万5百万円減)。エー・アンド・デイは経常損益7億1千7百万円(前期比で20億5千3百万円減)
(四半期純利益は次号以下)
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日本計量新報 2008年11月30日 (2751号)
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計測標準フォーラム第6回合同講演会
基調講演は「わが国のトレーサビリティーの方向」
左から、講演会のようす、田中充氏
計測標準フォーラム第6回合同講演会が11月21日、東京都大田区の産業プラザPiOで開かれた。
本講演会は毎回約500名の計量・計測の関係者が集まる年に1度の大規模な講演会。基調講演セッションの後、計量標準セッション(A会場)と日本NCSLIセッション(B会場)の2つの並列講演セッション(各9講演)、NMIJ(産総研計量標準総合センター)や各団体からのポスター発表等で構成された。
日本NCSLI(National Conference of Standards Laboratories International - Japan)は、計量・計測標準、計測器校正、試験・計測分野の技術と管理を進歩させることを目的に、会員のボランティアにより技術フォーラムの開催等の活動を行っている団体。
NMIJなどがポスターセッション
1階大展示ホールでは、NMIJや各団体のポスターセッションがあった。最新の研究成果などをパネルに展示し、質問にも答えた。
製品展示、カタログ展示
1階大展示ホールでは展示会出展者による製品展示、カタログ展示があり、13社、8団体が出展した。電気分野に関する有料のチュートリアルセミナーが開催された。
次回は来年10月30日
計測標準フォーラム第7回合同講演会は、2009年10月30日(金)、大田区産業プラザPiOで開催する。
産業現場への計量トレーサビリティの普及が課題
基調講演は、田中充(独)産業技術総合研究所標準・計測担当研究コーディネーターによる「わが国のトレーサビリティーの方向−計量標準証明体制と整備戦略2010」。
田中氏は、日本の計量トレーサビリティを拡充するために必要とされる技術開発や広報宣伝普及活動が転換点にさしかかっているという問題意識で、産業現場への普及も含め、今後の計量トレーサビリティの拡充の方向を示した。
(次号以下へつづく)
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