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日本計量新報 2009年3月29日 (2767号)

計量関係も減収減益
平成21年3月期第3四半期決算短信

金融危機、世界不調の影響色濃く
輸出企業は為替差損増

上場している計量計測関連企業の平成21年3月期、第3四半期決算(短信)が出揃い、概ね減収減益または損失を出している企業があるなど厳しい内容となった。米国のサブプライムローン問題に端を発した世界的な金融危機の影響で、設備投資の抑制や生産調整など景気の減速感が急激に強まった。海外においても、欧米諸国は世界的な金融危機の影響から景気が低迷し、急成長を続けてきた中国をはじめとするアジアやその他新興国の景気も減速に転じた。


各社の概要は以下の通り。

愛知時計電機

第3四半期連結累計期間(2008 年4 月1 日から同 年12 月31 日まで)の売上高については、ガス関連機器と民需センサー・システムは前年同期並。第1四半期から作業屑等の売却額を売上高に計上したことも重なり、水道関連及び計装も増収になるなど、全体では前年同期比11.3%増の274 億7 千4 百万円。営業利益は2 億8 千4 百万円、経常利益は3 億6千万円の増益。また、四半期純利益は投資有価証券売却益の計上もあり、3 億4 百万円の増益。

IMV

平成21年9月期第1四半期の売上高は12億4千7百万円となり、前年同四半期と比べ1億6千6百万円の増収(対前年同四半期比15.4%増)。経常利益は6千8百万円となり前年同四半期と比べ1億2千5百万円の増益(前年同四半期は経常損失5千7百万円)。また、第1四半期連結会計期間より「棚卸資産の評価に関する会計基準」が適用され、棚卸資産評価損を計上したことにより、四半期純利益は2千6百万円となり前年同四半期と比べ6千3百万円の増益(前年同四半期は四半期純損失3千6百万円)となった。

エー・アンド・デイ

第3四半期連結累計期間の売上高は238億3千3百万円(前年同期比10.4%減)となり、営業損失は3億6千8百万円(前年同期は22億8千万円の利益)、経常損失は14億7千5百万円(前年同期は20億7百万円の利益)、四半期純損失は15億9千7百万円(前年同期は12億8千5百万円の利益)。

オーバル

売上高は105億2千9百万円、利益面では営業利益は4億5千8百万円、経常利益は4億2千8百万円、四半期純利益は2億8千5百万円。

島津製作所

第3四半期連結累計期間の売上高は1977億2千9百万円(前年同期比3.3%減)となり、営業利益は146億4千4百万円(前年同期比17.4%減)、経常利益は132億2千3百万円(前年同期比17.6%減)、四半期純利益は68億9千2百万円(前年同期比25.0%減)。

東京計器

第3四半期連結累計期間の売上高は112億5千2百万円となり、営業利益は3億1千8百万円、経常利益は2億4千7百万円、四半期純利益は6千1百万円。

長野計器

昨年4月に(株)ニューエラーを子会社としたことにより、計測制御機器部門及びその他部門の売上が大幅に増加し、その結果、第3四半期連結累計期間の売上高は321億8千4百万円(前年同期比5.9%増)。損益面においては、圧力計部門及び圧力センサ部門の売上減少の影響、製品開発への先行投資的な費用発生、急激な円高の影響による為替差損の増加、及び「棚卸資産の評価に関する会計基準」の新規適用などにより、営業損失は1億7千2百万円(前年同期は8億3千9百万円の営業利益)、経常損失は6億3千2百万円(前年同期は6億2千2百万円の経常利益)、四半期純損失は10億6千3百万円(前年同期は2億3千7百万円の四半期純利益)。

東京精密

売上高396億1千4百万円(前年同期比42.8%減)、営業利益10億2千5百万円(前年同期比87.0%減)、経常利益5億8千3百万円(前年同期比92.6%減)となった。四半期純利益はたな卸資産評価損25億1千9百万円、ウェーハ外観検査装置事業整理損失46億5千4百万円、米国子会社解散および清算に伴う損失23億1千2百万円を主な要因とする特別損失97億1千6百万円を計上したことで、88億5千3百万円の赤字。

リオン

第3四半期連結累計期間の売上高は127億4千7百万円(前年同期比12億2千2百万円減)となり、営業利益は1億9千4百万円(前年同期比は7億9千2百万円減)、経常利益は1億2百万円(前年同期は8億1百万円減)、四半期純損失は8億4千3百万円(前年同期比13億4千万円減)。

セコニック

売上高は前年同期に比べ、48億7千2 百万円の減収(25.5%減)となり、利益面については、為替差損の発生も影響し大幅な減益。

日本計量新報 2009年3月22日 (2766号)

九州電力
電気メーター自動検針の実証実験を開始

九州電力は家庭の電気メーターから電力使用量を読み取る検針業務について、本格的な自動化の検討に入るため、2009年度下期から自動検針に対応した新型メーターの実証実験を開始する。

新型メーターは、福岡市など都市部を中心に、約1万戸に導入。自然環境の異なる地域でも実験を重ね、結果を見極めたうえで新型メーターの普及計画を策定する。
 自動化を検討する理由は2つ。検針業務のコスト削減と、各家庭に合わせた省エネコンサルティングの実現である。

九電は現在、社内の約350人の委託員と、業務委託する二つの会社が検針業務を担当。月に1度、委託員らが各家庭を巡回し、電力使用量を確認している。

新型メーターは電力使用量を計量するだけでなく、計量データを通信できる機能を持つ。九電は実験で新型メーターを配電制御用の通信網と接続し、各家庭の電力使用量のデータを収集する。

引っ越し時などに家庭で電気を一時停止したり再開したりする場合、これまでは専門の要員が訪問して機器を操作する必要があった。しかし、新型メーターは、遠隔操作で電気供給の開始や停止をこなせる。

また、自動検針では各家庭の電力使用量を即座に把握でき、時系列で電力使用状況のデータを蓄積することも可能。こうしたデータを基に、各家庭の事情に合わせた省エネコンサルティングや、きめ細かい料金体系の導入も検討する。

電気メーター検針業務の自動化は、カナダ、アメリカ等では既に導入されている。日本でも九電のほか数社が共同して自動化に取り組んでおり、関西電力では既に約1000億円を投じ、検針業務の全面的な自動化に入った。

今後全国的に導入の動きが広がれば、メーターの大量生産により、低コストでの運用が可能となる。

ただし、現段階では、検針自動化によって九電がどれだけコストを削減できるか明らかになっていない。実証実験を通じて効果を見極めていく。

九電では、09年度末には中間評価を出す予定。


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