日本計量新報 2009年4月26日 (2771号) |
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2月の計量計測機器生産額
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日本計量新報 2009年4月26日 (2771号) |
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守隨本店 国内最大級
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電子式吊はかり |
(株)守隨本店(早川静英社長、愛知県名古屋市中川区福川町3−1、電話052−361−1511)は、先頃、ひょう量100tの国内最大級の電子式吊はかりを完成させ、三菱重工長崎造船所へ3月末に納入した。
吊はかりは、作業現場において活躍する。据置タイプの台はかりでは対応しきれない寸法の大きなものや、作業者が容易に近づけない高温環境下、極低温環境下の過酷な環境条件で測ることもあり、他のはかりにくらべ大きなひょう量と確かな精度、操作性を求められる、オールマイティなはかりである。
今回完成した吊はかりは、比較的大ひょう量モデルが多い吊はかりのなかにあっても、超弩級の大きさである。にもかかわらず、設計から製作・完成までの期間は約4カ月間と、かなりの短い時間で完成させている。同社では、これまで多くの吊はかりを取り扱ってきた実績と技術力の積み重ねがあり、今回のような特殊な商品についても短期間で完成に漕ぎ着けた。
最大の特長は、ひょう量100tに至っても、通常品と変わらぬ高い精度(2000分の1)を維持していること。実際のユーザーは、96tくらいまで計量している。
開発時に苦労したことを早川社長に尋ねると、
「ロードセル外注先が設計する際に、製品の安全性を確保するため、コンピュータによるシミュレーションを重ね、二重三重の強度確認を行った」「製品・部品の自重が非常に重いので、各工程(特に検査工程)において担当者はかなりの力仕事となった」「それに伴い、作業の安全性確保にもとても気を遣った」「さらに、部品の切削加工では大型のマシンを必要とし、外注先探しにも苦労した」。また今回のことをふまえ、今後の商品開発について聞いたところ「参加者全員がチャレンジすることの喜びを実感でき、次のチャンスが待ち遠しい」と抱負を語った。
今回納入した吊はかりは、船舶用スクリューや、その他の搭載設備の計量に活躍する。これらは、重量分布など船舶の重心位置を検出するためのデータとして、船舶の安全航行に欠かせないものである。
【仕様】▽ひょう量=100t▽寸法・質量=全長1962mm、重量約600kg
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