日本計量史学会:2020年度定時総会と研究発表会開催、2020年3月6日、日本計量会館で
日本計量史学会の「2020年度定時総会・研究発表会」が、2020年3月6日、日本計量会館で開催された。
新型コロナウィルス感染拡大の状況から、研究発表会を当初予定から短縮し、懇親会は中止した。
進行は小川実吉理事。
小川実吉理事
出席者、議決権行使者の合計が会員の過半数に達しており、総会が成立していることが報告された。
山田研治氏を議長に選出して議事を進行した。
山田研治議長
議案は2つ。
議題1は、2019年度決算案の承認。山田研治会計担当が説明した。岡路正博監事が監査報告をした。
山田研治会計担当が説明
岡路正博監事
2019年度決算案は拍手で承認された。
投票で2020・2021年度役員を選任した。(役員名別項)
第1回理事会を開催し、理事互選により、山田研治会長、副会長3氏(大井みさほ、黒須茂、西脇康)、溝口義浩事務局長を選任した。
第1回理事会を開催
理事互選で山田研治会長を選出
報告事項は2つ。
報告1は、2019年度事業報告。溝口義浩事務局長が報告した。
溝口義浩事務局長
報告2は、2020年度事業計画と同事業予算。2020年度事業計画は溝口義浩事務局長が報告、同事業予算は山田研治会長が報告した。
退任した内川恵三郎前会長があいさつした。
内川恵三郎前会長
日本計量史学会:2020年度定時総会と研究発表会開催、2020年3月6日、日本計量会館で
司会は小川実吉理事。
葉山茂英氏
葉山茂英氏が「古代・中世の権衡資料−南関東地方の考古遺物から−」と題して発表した。 動画はこちら
葉山氏は次のような内容の発表をした。
秤には天秤と棹秤があるが、古代・中世の主な秤は棹秤である。
南関東地方では、9〜10世紀、質量単位は高い精度で匁単位(1匁=3.75g=5円玉)と合致するか近似する。そこから、秤製作専門工人の存在。さらに官が管理していた可能性が考えられる。
棹錘が匁単位を基準として製作され、悼秤の目盛付けがなされていたと考えられ、遅くとも9世紀には匁単位が一般社会に普及していたと考えられる。
古代の秤の錘の出土地域は、南関東では神奈川県と東京都は国府の所在地の周辺市域から出土し、政治と秤が強い関係を有していたと想定される。
松本榮壽氏
松本榮壽氏と小浜清子氏の発表。松本氏が代表して「天才アンペ−ルを探って」と題して発表した。 動画(部分)はこちら
松本氏は次のように発表した。
アンペールは、電流の単位「アンペア」や「アンペールの法則」で知られるが、どのような人でどのような人生を送ったのか。30年来の友人であるフランソワ・アラゴの著した『アンペールの伝記』などをもとにアンペールの人物像を紹介した。
アンペールは電流(courant)や電圧(tension)という電気関連の用語を造った。さらに、最初の電信機を構想し、その模型はアンペール記念館に展示されている。またアラゴとともに電磁石を作り、1832年、最初の磁石発電機を製作した。
アンペールは電磁気学の創始者の一人だが多才な人である。現代に生きるのは電気のアンペールの法則であろうが、数学、物理学、化学、自然史、動物学などと幅広く、最後は全科学の分類学に手をそめた。
日本計量史学会:2020年度定時総会と研究発表会開催、2020年3月6日、日本計量会館で
【会長】○山田研治
【副会長】▽大井みさほ▽黒須茂○西脇康
【理事】▽新井宏▽内川恵三郎▽小川実吉○作間英一▽篠原光彦▽島田好昭▽高松宏之▽中本文男▽松本榮壽○横田貞ー▽横田茂子▽吉田清
【事務局長(理事)】○溝口義浩
【監事】▽岡路正博▽山崎敬則
日本計量史学会:2020年度定時総会と研究発表会開催、2020年3月6日、日本計量会館で