since 7/7/2002
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横田 俊英
オープントップ軽スポーツダイハツ・コペンに乗る
ダイハツ・コペンのマニュアル車
2002年12月31日、やっと年末の煩わしい雑務からら解放されてダイハツの軽自動車「コペン」を駆ることができた。「今日は自分のために時間を使うぞ」と心に宣言してコペンを中央道に向ける。コペンはまだ1450kmしか走っていない。「スーパーアクティブシフト付き電子制御4AT」というオートマチック・トランスミッション車が用意されているにもかかわらず注文したのは「スーパー5MT」という名の5速マニュアル・トランスミッション車である。普通はマニュアル車は10万円安いのに、ダイハツ・コペンの場合には値段が同じ。ほとんどの人がマニュアル車に惹かれながらもオートマチック車を選ぶとディーラー社員が語っていた。
パールホワイトのアクティブトップ、本革シートにMOMOのハンドル
「DC-パールホワイトI」(W16)という白系の車体を選び、本革製のヒーター付きスポーツシート(赤い色)とイタリアのMOMO製本革巻きスポーツステアリングホイールを注文する。ボディーは電動でルーフが開きリアゲートに収まる「アクティブトップ」だ。ダイハツのこの軽自動車「コペン」は「世界最小 電動開閉式ハードトップ・オープンスポーツ」とメーカーが呼んでいる。ガソリンエンジンの排気量660ml(0.66リットル)は最高出力47kw[64PS]/6000rpm、最大トルク110N・m[11.2kg]/3200rpm。ともにネット。車両重量830kg。前輪駆動の2WD。これがダイハツ・コペンという車の仕様だ。型式はダイハツ・LA-L880K。車種記号はKMVA。
高速は5速トップでも余力
今日のドライブ出発地は相模湖だ。中央度には直ぐ乗れる。空いているのでそのまま須玉インターまでストレスなく走る。エンジンの回りが良くなったような気がする。5速は変速比0.750になっていて車速60kmからするすると淀みなく加速する。高速に合流するのに安全を見越せば4速で入るべきだ。しかし5速に入れてしまっても車速が出ていれば更に加速して行くので不安がない。高速巡航も5速の上にもう1速欲しい状態である。6速が欲しいというのは正直な感想だ。4速オートマチック車の最終変速比は0.696の設定。
どこに、なにをしにというドライブではない。ドライブを楽しむこと、ドライブを通じてなにを楽しめるのか、という実験でもある。とりあえず遠くに行きたい。須玉インターまで一気に走る。甲府盆地からは南アルプスの白い連山が天空に浮かんでいる。やがて前方に八ヶ岳がやはり白く装いをして姿を見せる。いい景色だ。
須玉インターから野辺山に、冬の信州峠越え
どこで高速を降りようか迷いながら目に入った須玉インターで降りて料金を払う。ここからルート141号を野辺山に車を向ける。混雑はない。路肩に雪が残っているものの車道は乾いた路面。4速と5速、ときに3速に入れて走る。エンジンが大分回るようになった。1000kmで5−40Wの100%合成オイルに交換している。
高原野菜の川上村を経て増富方面に進路を取る。信濃の川上村と甲斐の増富村を結ぶ道路の頂点は信州峠。川上村は雪に覆われて白い世界だった。道は信州峠への登り口付近から先の500mを除いて雪されている。峠の先は増富村の所管であるためか、峠からの下りはずっと除雪されていた。後で分かったがこの日は除雪が間に合わなかったようで、時間さえあれば除雪をするようだ。黒猫ヤマトの宅急便がこの道を信州側から登っていったのをみてその後に着いたのである。雪道では前輪駆動車の動きが顕著に現れ、これはいつもの四駆ではないのだと感じる。タイヤはインチダウンしたスタッドレスで、165/55/14。轍の中央に残った雪が腹を刷る。嫌だなー。
腹部クリアランス105mm、直ぐ腹を擦る
ダイハツ・コペンはタイヤと腹部の間隔が105mmしかないから、二人乗車だと直ぐ腹を擦る。荒れた路面には乗り込まないことだこの車はそのようにはできていない。また105mmというクリアランスは普通の駐車場の輪留めにタイヤが当たる前にバンパーが衝突する。いまの車のバンパーはボディーと同じだから、ボディーに傷が付くといっていい。輪留めに車輪を当ててから車を止めることを習慣にしている人は厳重に注意すること。これ大事。
コペンの前に乗っていた三菱・FTOはクリアランスは150mmであった。三菱・FTOは4人乗り、コペンは2人乗りである。サスペンションの設定もコペンの方が乗車定員にあわせて軟らかになっているから路面と腹部との隙間は数値以上に小さい。コペンの重心はかなり低い。この重心の低さがスポーツ走行に向いた作用をもたらす。
座席のサイズほか
ダイハツ・コペンは一人で乗っている限り室内空間の狭さは感じない。「意外に広いじゃないか」というのが実感である。座席を後ろに引くと身長173cmの男性ではペダルに足が届かない。十分過ぎるほどの足下の長さだ。トヨタのRAV4の場合にはこの身長の人間が足がつかえて座席をもっと後ろに引きたいと思う状態である。コペンにはこんな足下のサイズ不足が全くないのに驚いた。頭上の隙間も十分だ。本革製座席は運転席助手席にもシートヒーターが付いている。
座席サイズと室内空間を三菱・FTOと比較しよう。
FTOは座席が大きいなぁという印象の車であり、助手席との距離は十分過ぎるものであった。座席幅はコペンが500mm、FTOが505mmだ。座席の深さ(奥行き)はコペンが500mm、FTOが495mm。座席から天井までの距離はコペンが900mm、FTOが運転席945mm、助手席935mm、後部座席825mm(FTOでは後部座席に乗車するとリアウインドウに頭が当たった)。室内空間の横幅はコペンが1250mm、FTOが運転席1450mm、後部座席1170mm。室内長はコペンが800mm、FTOが1600mm。コペンのシートはサイドが適度に堅いのでホールド性がよい。FTOではシートサイドが使っているうちにヘタってしまい不愉快な感じを与えた。コペンの本革製の座席は適度に堅くていい。
数字を列挙したついでに他のサイズ比較をしよう。
軸距はコペンが2230mm、FTOが2500mm。輪距(トレッド)はコペンが前輪1300mm、後輪1290mm、FTOが前輪1490mm、後輪1485mm。車体全長はコペンが3395mm、FTOが4365mm。車体全副はコペンが1475mm、FTOが1735mm。車体全高はコペンが1245mm、FTOが1300mm。車両重量はコペンが830kg、FTOが1190kg。
コペンは軽乗用車である。対してFTOは3ナンバーの乗用車。視界とボディー四隅感覚のつかみやすさ
室内幅の関係か、FTOは運転席と助手席が占める空間が随分広いと感じた。その広さが逆に運転者に室内空間の間延を感じさせた。コペンは運転席空間は戦闘機のコックピットに感じが似ており、いかにもスポーツ走行をするのだという印象を与える。空間に無駄がない。かといって狭さを感じさせるものではない。コペンは要らぬ空気を一緒に運んでいるという感覚を持たなくて済むのがいい。FTOに比べるとコペンは助手席がちょっと近いなという印象を与る。運転者のミッション操作が助手席座員の右腕に当たることがある。助手席の座員は右腕を適度に畳んで乗車しなくてはならない。助手席乗員はクローブボックスの上に右手を置かないこと。
ボディーの周囲の位置の把握性。ボディー先端の見切りと運転席からの視界などについてだが、FTOはボンネットの先がどこまでなのか非常につかみにくかった。後退するときの後部視界もほとんどない。全体にボディーの端がどこなのかつかみにくい。FTOはじめスポーツスタイルの車の座席の低さから来るもので、この種の車について回る因果ではある。
コペンの場合にはどうか。運転席からの左前方のボンネットの先端位置は見えない。右の先端は注意すれば見えるが、女性ドライバーではよく見えないだろう。しかしボディー端面の把握感はFTOに比べれば遙かによい。コペンの後部視界は十分だ。運転席から後部車体の先端までの距離が小さいことに由来するものであろう。コペンの後部窓が熱線入りのガラス製であるのは嬉しい装備だ。
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