新しい技術でマーケットを切り開く古川 陽 (株)エーアンドデイ 代表取締役社長 vol.2 |
日本計量新報 2008年3月23日 (2716号)2面掲載
次世代の計測制御技術が見えてきた自動車関係の開発で、われわれは基礎技術、次世代の計測制御技術が見えてきたと感じています。 開発技術を一般計量器へ拡張この車関係で開発した技術をどこまで、一般的な計量器や試験機に拡張できるか、というのがもう一つの課題です。今年はこの方面で新製品を出していきます。 グローバルに対応できるかがカギもう一つのキーワードは、グローバルに対応できるかどうかということです。国内だけでビジネスが成り立つというだけではなくて、国際競争力がないとこれからは成長できません。 次の成長曲線に乗る基盤技術が見えてきたエー・アンド・デイは1977年に創立しました。創立後13年間は会社の業績は順調でした。その後の13年間が新技術を開発するために苦しんだ時代です。そして、4年ほど前から基盤技術がある程度見えてきまして再成長が始まりました。 世の中にはS字カーブがある世の中にはS字カーブというものがあり、最初は急成長する。それから成長が止まる時期があります。その後、再成長できるか、落ち込んでいくかに分かれるわけです。 DSP技術応用の新製品開発エー・アンド・デイは、ちょうど次の成長曲線に乗れるかどうかという位置にあります。センサー技術とDSP技術(高速デジタル信号処理技術)で、新しい成長曲線に乗るようにがんばっていきます。車、ロボット、航空宇宙関連のマーケットを開拓していきます。その他の分野でも、基盤技術を基に新製品を開発していきます。 −−既存分野はどうですか。 はかりの分野では、今はフィーダーなどで制御が重要になっています。ラインでの計量・制御、これなどももっと伸ばしいていきたいと思います。制御技術を持っているのがエー・アンド・デイの強みですから。DSP技術を組み込んで、一クラス違う制御ができます。制御・解析・シミュレーションというかたちで捉えている会社はまだまだ少ないですね。 そういうことをわかっていただくことも重要ですね。モデル制御というのは予測制御、シミュレーションですから。このあたりが理解されるとともに売上も上がってくると思います。 日本の企業は戦前からの歴史がある会社と、戦後に昭和30年頃までに設立された会社が圧倒的に多いのです。エー・アンド・デイは最後発の会社です。 したがって、あとで紹介します粘度計のように微量ではかることができるといった差別化した製品や特殊な分野からしか参入できないということがあります。これは後発メーカーのつらさです。 ある会社がいったんシェアをとると、後発企業がそれをひっくり返すことはかなり大変です。よほど新しい差別化商品を開発するなどしないとね。つまり、そういう差別化商品を開発していく必要があります。 流通の形態も変わりましたね。こういったことにも対応していきます。 血圧計も、単に血圧をはかるのではなくて、動脈硬化をより正しくはかる方向にいきます。そのためには血圧の分野でも解析・シミュレーションが必要になってきます。 −−血圧計はロシアで好調ですね。 ロシア市場は安定的に成長しています。 |