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「ISHIDA Mind」で世界のイシダ目指す


石田隆英氏

(株)イシダ 社長

vol.2

日本計量新報 2011年1月1日 (2852号)2部4-5面掲載

企業理念は「三方良し」


イシダの理念と5つの行動規範 「三方良し」(「自分良し」、「相手良し」、「第三者良し」)は、当社の117年にわたる歴史のなかで創業当時から脈々と受け継がれてきた哲学です。「相手良し」とはお客様第一主義ということですが、これはお客様に満足いただきながら私たちも適正な利益を確保することで、研究開発や各種サービスを継続させ、税金や環境事業などで社会にも貢献するものです。この考え方は世界で通じるものです。
−−変わらぬところ、変えていくところはどこでしょうか。

理念は不動


この「世の適社・適者」(目指すべき姿)と「三方良し」(企業理念)は、われわれの事業活動の変わらぬ軸として、しっかり守っていきます。
 イシダ会長の石田隆一が言い続けてきた通り、経営は環境適応業で「不易流行」が基本です。時代やトレンドにあった対応を行ないながらも、その根底にある理念は不動のものでなくてはなりません。理念を変えると絶対に人はついてきません。

理念以外はすべて変える


 世の中が変わればお客様のニーズも変わりますから、それに応じてわれわれの技術も営業方法自体も変えていかなくてはなりません。時代の変化に応じて、理念以外はすべてを変えていく必要があります。
 どんなことがお客様のためになるのか、どうしたら喜んでもらえるのか、何が社会の役に立つことなのかを考え、変える必要があることはすべて変えていくということです。
 同じことを繰り返すのは楽ですが、変わっていくのは大変で、チャレンジし続けるということはしんどいことです。変わるにはパワーがいります。しかし、それを続けていかないと、世の適社・適者になることはできません。
 例をあげると国際化です。この国際化対応が、われわれにとっての緊急の課題です。

お客様に喜んでいただくために


−−行動規範についてお教えください。
 お客様に喜んでいただくとはどういうことか、そのためにはどういうサービスが必要かを自ら考えて、社員全員に価値観を浸透させるためにも理念や規範が必要になってきます。
 5つの行動規範を掲げ、人事制度ともリンクさせて、各自が実際の行動に活かしていけるようにしています。 
・「異体同心」(異体同心なれば、万事を成(じょう)ず)
・「三現主義」(現場に行く、現物を見る、現実を知る)
・「Speed! Speed! Speed!」(巧遅は拙速に如かず)
・「智徳一体」(高い専門性と豊かな人間性)
・「志、そして日々前進」(意思あるところに道は拓ける)


業績は回復基調


−−業績について、概略と好調な分野についてお聞かせください。


海外の売上は好調


2010年の春に底を打ちました。昨年対比では業績は確実に良くなっています。
 ヨーロッパ、アジア、アメリカともに回復基調にあります。海外分野の売上は伸びています。台数ベースでは、過去最高の売上になっています。


食品分野も堅調


 

食品関係分野のお客様は、リーマンショックでもダメージを受けていません。輸入に関しては、為替相場の影響で、小麦などの原材料費が安くなっていますからね。食品関係分野の売上も堅調です。食品の安全の面からも、X線異物検査装置などの検査装置が好調です。


人の縁を大切にする


 

今年は、社員のコミュニケーションを活性化するプログラムを進めていきたいと考えています。社員は、会社で過ごす時間が家族と過ごす時間よりも長い仲間たちですから、もう少し一緒にいる場を造っていきます。昨年末は本社でパーティーを開きましたし、今年は、クラブ活動を推進できるように補助金などの支援を考えています。
 このように社会全体に閉塞感が漂う時期にこそ、全社が一体となって、やりがいを持って働ける職場づくりを進めていきます。
 私自身も、どんどん外の場へ出ていって、いろいろな業界の方々と交流し、人脈を築いていきたいと思っています。
 今年は、社内でも社外でも、人とのご縁を大事にする年にしていきたいですね。
−−ありがとうございました。
(おわり)


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