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「充填分野」に注力し、さらなる飛躍めざす
金本 重孝氏

鎌長製衡(株) 社長

vol.1

日本計量新報 2011年12月4日 (2896号)2面掲載

創業130周年と飛躍のための課題

金本重孝 ――今年で創業130周年を迎えられましたが。
 わが社は明治13年以来“真心で売れ”・“真心を込め”・“真心で造れ”をモットーに“顧客の満足する製品造り”に社員一同励んでおります。今年130周年を経て新たな気持ちで堅実に運営をして参ろうと考えております。
 とくに私は今年の1月の130周年の記念パーティーで取引先の企業の皆様・先輩諸氏をはじめ、社員およびその家族をふくめ約800名の方々にご臨席を賜り、皆様の絶大なるご支援に対してのお礼を申上げました。また諸先輩方の築かれた伝統を継承し、世の中のニーズにマッチした製品を世に送り出して行かなければならないと決意を新たに致しました。
 他方、「政治的景気循環」が今年から始まるであろうと申上げました。理由は2012年3月にロシアと台湾、4月にフランス、11月にアメリカ、12月に韓国の大統領選挙が行われます。中国も5年に一度の共産党全国代表大会が開かれ、主席が習近平党中央委員に代わる予定です。
 過去の実績ではその前年は再選を期すために景気を良くする政策的な経済対策が講じられ、景気が良くなるというデーターがあるためです。残念ながら、3月の震災やそれ以降の世界情勢などにより景況は予断を許さなくなっています。

飛躍のための3つの課題

そして記念パーティーでは、当社がさらなる飛躍を果たすために必要な課題について3つお話をさせて頂きました。
 1つ目は社員のレベルアップを図り会社の実力(新製品の開発・需要の創造等)をもう一段強化し、オンリーワンの製品を増やすことです。
 2つ目は海外を中心にした事業の拡大です。
 3つ目はこれらを支える人材の育成です。
 これらの課題の達成のため、長期的視点で着実に一歩一歩進めて行くことが大切であると考えています。
 そのためには皆様方のご支援とオール鎌長の総力を結集し、みんなで確実に取り組んでいくことをお誓いし、お願いいたしました。
――具体的にはどのようなことでしょうか。
 具体的には次に申上げますように、最近開発している差別化された製品を完成させることとより一層の拡販をすることです。
3次元の重心の位置を計測できるトラックスケール
 最近、コンテナーの輸送でトラックの転倒事故が多発しており、人身事故を引き起している状況です。そのような事故を少しでも避けるためには積荷の3次元の重心が判れば安全運転ができるようになります。
 また、なにより安全の確保や作業の効率化には必要になります。これは画期的な製品です。

今年から“充填”に拘って参ります

計量充填の分野では、当社の製品が超微紛から粉体・ペレット・固体・液体(高粘度の液体を含む)と幅広く使われていますが、分野ごとの計量充填に適切に対応できる製品の提供と提案に力を入れてまいります。
@ 超高速パッカースケール(ペレット用)PSL−2000
 重袋(15<CODE NUMTYPE=SG NUM=831C>〜25<CODE NUMTYPE=SG NUM=831C>)で2000袋/時の計量ができます。これは世界最速ではないかと思います。しかしながら、国内ではあまり需要がありません、海外で売れています。
 国内市場では、高付加価値をつける少量多品種生産に生産方式がシフトしていますが、海外ではまだまだ大量生産の分野が多いためです。それに加えて造れば造るほど性能は良くなっています。
(1)超微紛用自動包装機HAP−500シリーズ
 縦型オーガーを使用した微紛用の高速自動包装機です。ボトム充填方式で粉立ちを極力無くして安心・安全・正確・清潔・高能力を達成いたしました。また従来型のスクリュー供給方式も好評いただいております。
(2)紛体用計量包装機HAP−150シリーズ
 従来は紛体の計量充填は大は小を兼ねるというように充填能力に安全性を持たせて設備をしていましたが、これでは投資金額が高くなり無駄が生じます。これを避けるため、その必要能力に合った機械を適切な機器構成とスペースで投資効果を上げています。とくに今まで積み付けのロボットパレタイザーは他社から購入しておりましたが、パッカースケールから包装機・パレタイザーまで製作致しております。
(3)液体充填機KFL−30シリーズ
 従来から引き合いの多かった液体充填機の生産を始めました。
 単品だけではなく、ストッカーから計量充填・オートキャッパー・シュリンク・パレタイジング・バンディングとシステムで提案させて頂きます。

高処理能力の石膏ボード分別機


 廃石膏ボードの発生量は今後ますます増加して参りますが、リサイクルに活用できる用途が限られています。
 それを解決するために乾燥再生装置および土壌改良材システムの拡販に注力していますが、その中心になるのが石膏ボードの分別機です。
 国内だけでなく、すでに韓国では10t/時の高能力処理の石膏ボード分別機が納入され、活躍中です。
 以上3項目が上げられますが、中でも“充填”は、とくに今後の展開の上では重要な項目だと思っています。

会社概要

【商号】鎌長製衡株式会社 Kamacho Scale Co., Ltd.
【所在地】本社・工場=香川県高松市牟礼町牟礼2246番地
【創業】1880(明治13)年10月1日
【設立】1947(昭和22)年1月17日
【資本金】8000万円
【代表者】代表取締役金本重孝
【従業員数】140名
【事業内容】産業用はかり、計量システム、計測制御、リサイクル用処理機器の製造および販売
【事業所】▽東京支店=東京都中央区日本橋1丁目14番7号(明治安田生命江戸橋ビル)
▽大阪支店=大阪府吹田市広芝町10番28号(オーク江坂ビル)
▽名古屋支店=愛知県名古屋市西区則武新町4丁目3番17号(加島ビル)
▽九州支店=福岡県福岡市博多区綱場町5番28号(さかえビル)
▽中四国支店=香川県高松市栗林町2丁目18番18号(フロンティア栗林)
【海外事業所】韓国駐在事業所
【関連会社】鎌長エンジニアリングサービス(株)、タイ鎌長(株)


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