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存在感のある事業部門へ
ー製品の供給を通じて、社会に貢献ー


木村雄二郎氏

(株)クボタ 電装機器事業部長

vol.1

日本計量新報 2009年2月15日 (2761号)2面掲載

はかりは「生活と社会の基盤を支える製品」

クボタは連結売上1兆1546億


−−(株)クボタはどういう会社ですか。  (株)クボタは、農業機械を主力として、2007(平成19)年度で、連結売上1兆1546億円、営業利益1369億円、輸出比率50・4%の製造企業です。
 クボタの経営理念に、「生活と社会の基盤を支える製品・技術・サービスを通じて、社会の発展と地球環境の保全に貢献」が表明されています。
 わたしどもが進めています「はかり事業」も、(株)クボタの事業の1つであり、はかりは「生活と社会の基盤を支える製品」です。これらを開発・製造・販売することは、当社の経営理念に合致した事業と考えています。

電装機器事業部は、はかり用鋳物部品製造から発展


クボタは鋳物メーカーとして創業


−−クボタのはかり事業の発展をお聞かせください。
 久保田権四郎氏が、因島から大阪の鋳物業者へ丁稚奉公した後、1890(明治22)年に、日用品鋳物や衡器用鋳物の製造を行う鋳物メーカーとして創業しました。
 その後、鋳造技術を活かし、水道用の鋳鉄管や発動機などを開発し、現在の(株)クボタに至っています。


1924年から、はかりを製造


創業当時より、はかり用の鋳物部品を製造していたことより、1924(大正13)年より、機械式の台秤を製造・販売しています。(株)クボタでも古くからの事業の1つです。
 戦後の高度成長期には、製鉄、セメント、ガラス業界等の重厚長大産業に対して、大型の工業用はかりを納入させていただき、事業を拡大してきました。


画期的な商業用料金はかりを開発


昭和30年代には、家庭用のヘルスメーターや料理はかりを、昭和40年代には、電気制御の技術を取り入れ、質量に単価を乗じて料金を表示するという、画期的な商業用料金はかりの開発を行いました。


粉粒体連続定流量供給機等を開発


昭和50年代になり、質量計測技術が、従来の機械式から歪ゲージ式ロードセルに移行してきました。当社は順次、ロードセル式の台秤、吊秤、トラックスケールを開発し、これらを活用したLPG充填装置や粉粒体連続定流量供給機等を開発してきました。


コイン精米機などへも事業拡大


また、昭和50年代に、米の共同乾燥施設に、入出荷用のはかりの納入したことより、米の収穫後の精米工程にも関わりを持つようになりました。  現在、コイン精米機や米用のガラス選別機等も、同じ事業部の製品として、開発・製造を行っています。

4つの事業を柱に展開


お客様の要望を具現化


−−はかり関連事業の現状はどうなっていますか。
 現在、はかり事業は、台秤や吊秤の標準はかり、トラックスケール、主に樹脂の押出機へ粉粒体を連続供給する粉体関連機器、及び、LPG充填設備の4つを事業の柱としております。
 事業部の基本方針は、「新製品を開発し、市場でトップシェアを獲得し、数多くのお客様の声を反映して、モデルチェンジや新製品開発を、継続して行うこと」としております。現在、取り扱っている商品の大半は、お客様の要望を具現化したものです。
 製品を供給することにより、社会に貢献し、われわれの存在を認めていただける事業部門をめざしたいと考えています。


各事業とも順調に伸展


 

この数年間は、国内の設備投資増に伴い、各事業とも、順調に事業を伸ばしてきました。
 特に、車や家電に用いられる高機能樹脂の増産により、粉体関連機器が大きく伸びてきました。


輸出が増大


 

また、主要なお客様である日本の樹脂関連企業が東南アジア、特に、中国での生産を拡大したことにより、当社の製品も、多く輸出されることとなりました。
 一昨年の秋頃より、若干伸びは止まりましたが、本年度の上半期である9月末までは、ほぼ順調に推移してきました。


市場は不透明な状況に


 

しかしながら、昨年9月のアメリカに端を発する金融危機以来、市場は非常に不透明な状況になってきました。


設備投資凍結の兆しも


 

原材料価格の乱高下も非常に激しく、例えば、トラックスケールでは好調であったスクラップ業界様向けの納入が、急激に減少してきております。また、樹脂関連企業の一部では、生産の予測が立ち難い状況となっており、「とりあえず、延期できる設備投資は、全て凍結」といった兆しもあります。
 本年度の下半期から来期にかけては、設備投資抑制の影響を受けることとなりますが、新たな市場開拓や、これに伴う、新たな技術の開発により、より強い事業体質つくりに努力していくつもりです。

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