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神戸製鋼をデータ改ざんで起訴 当時の工場幹部ら起訴猶予

鉄鋼メーカー神戸製鋼所が製品の検査データを改ざんしていた事件で、東京地検特捜部は、法人としての神戸製鋼を不正競争防止法違反の罪で起訴した。ともに書類送検された当時の工場の幹部ら4人は起訴猶予となった。

 起訴状によると、同社のアルミ・銅事業部門の従業員らは20169月〜179月、大安(三重県いなべ市)、長府(山口県下関市)、真岡(栃木県真岡市)の3製造所で、製品が顧客らと合意した仕様を満たしていないのに、満たしたと記載した虚偽の証明書など計305通を作成し、顧客側に交付したとされる。

 神鋼によると、一部の改ざんは遅くとも1970年代に始まり、本社や国内外のグループ会社計23拠点で行われた。元役員を含めて約40人が関与したという。

 特捜部と警視庁は6月に本社などを家宅捜索。同社本社の従業員が関与し、長年にわたり不正が行われていた大安など3つの製造所を重点的に捜査していた。

 改ざんは昨年発覚し、今年4月には同社の会長兼社長らが辞任した。

一方、会社とともに書類送検されていた3つの工場の当時の幹部ら4人については起訴猶予となった。

特捜部は不正が組織的に行われていたことから法人の刑事責任を問えると判断した一方、当時の幹部ら4人については不正が長年にわたって社内で引き継がれていたことなどを考慮したものとみられる。

神戸製鋼を巡っては検査データが改ざんされたアルミや銅製品などが国内外の延べ688社に出荷され役員らが改ざんを黙認していたことなどが去年10月以降の会社側の調査で明らかになった。この問題で製品の出荷先にアメリカの大手メーカーなども含まれていたことからアメリカの司法省が調査に乗り出すなど影響が広がっている。

起訴されたことについて神戸製鋼所は「多くの皆様に多大なるご迷惑をおかけしていることを改めて深くお詫び申し上げます。グループ一丸となって再発防止策を実行し信頼回復に努めます」というコメントを発表した。

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