2012年5月 13日(2916号) 20日(2917号) 27日(2918号) |
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日本計量新報 2012年5月27日 (2918号) |
物事の辻褄と計測の辻褄と計測標準のトレーサビリティ 物事には辻褄があり、辻褄があっているということは論理的でもある。東京電力の福島原発の事故は原子力発電の安全運用のための全体の仕組みに辻褄はがあっていないことを示した。津波はきても大きくはない、その津波は原子炉の施設を壊しはしない、緊急時の炉心冷却用の発電機は動く、といった身勝手な前提で論理をつくっていた。その前提のなかでは辻褄があってはいても、この前提と論理は事実によって木っ端微塵に打ち砕かれたのである。産業技術総合研究所のある職員が、大きな津波に襲われると、この施設は破壊され深刻な原子力事故になると関係の委員会などで指摘したが、聞き入れられなかった。東電が原発設置の地元の人々に述べているのは「原子力発電は安全であり、安全だから安全である、という内容になっていて、地元の行政など関係の組織もその安全な原子力を正しく理解しよう」というものだったからお粗末である。ここにあるのは嘘の辻褄あわせだ。 |
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