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日本計量新報 2012年8月5日 (2928号)

夏場の大きな催しとなった中部地域ブロック会議

計量協会、計量管理協会、計量士会といった組織が地方の計量関係の団体としてあり、現在はこの3つが1つにまとまるようになった。中部地域を含む計量協会の会合はブロック会議と呼ばれていて、夏場に開かれる大きなブロック会議の代表が中部地域となった。かつては東北と北海道のブロック会議が夏場に開かれており、関東甲信越の計量器工業会なども夏場に開かれていた。夏が来れば思い出すのはこれらのブロック会議であったが、今では中部地区の会合によって、夏の思い出がつくられる。

 ブロック会議の意義を問うと賛否両論で議論は尽きないと思われるが、単純にはブロックのの計量関係者が一堂に集い、顔をあわせて、酒を酌み交わし、交流することにこそ意味を見いださなければならないだろう。人によっては、ここで計量の世界の問題を提起して解決の糸口や方向を探ることにこそ、意義があると唱えるかもしれない。そのようになればそれで良し。そのようにならなくても、問題の提起の場と解決の方法があることも事実である。

 中部地域でときおり実施される計量管理研究発表などは、関係する人々が計量の仕事で頑張っていることを示す場となり、そうした活動に励まされる人は多いはずである。

 本紙では中部地域のブロック会議のおりに、愛知県の人々を中心に計量管理、品質管理、品質工学に関係した座談会を開いて、その内容を新聞に掲載している。この座談会に登場する人々がハイカラであるために、難しいことが述べられているので、人によっては敷居が高いかも知れない。しかし、そこで語られることは実際に役立つ計量の事例であり、本人の満足というよりも社内などでのそうした技術の確認であり、同時に計量に関係する諸技術と管理技術の有用性と有効性の世の中への説明である。そうしたことを通じて、技術の集大成としての製品・商品の顧客・ユーザーへの説明をしている、ということでもある。

 計測技術者は、計量管理、品質管理、品質工学も計測技術であると一括して考えてもよい。計測と計測技術によってこそよりよい商品がつくられ、その商品によって人の生活が成り立ち、世の中が上手く運営されていく。そしてまた計測技術によって、会社が成り立つという自負心があってもよい。それを自負心という心の在り方の段階にとどめずに、製品つくりの仕組みにしている企業があり、こうした企業の製品の利便性は高く、競争力は抜群であるから、その企業の繁栄をもたらす。計測担当者と計測技術は企業を発展させる、といったら我田引水になるかも知れないが。

 夏や秋に開かれる計量協会のブロック会議は経費倒れであると思う人もいることであろうが、総合してみると、人との交流によって啓発されることが多く、それはまた明日の仕事に取り組む意欲を育む場にもなることだろう。

 松尾芭蕉が旅した奥の細道の山場は夏であり、春や秋の旅行は憂いを多く含むが、夏にはそれはなく太陽の火炎は人の心を解放する。夏は人の旅情を最大に盛り上げる。

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