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安心・安全輸送のために トルク値管理は重大事故を防止する

(2968号/2013年6月16日掲載)
特集記事 製品紹介

輸送中の交通事故減少へ
トルクレンチで規定値を管理

官民協同で事故防止

2007(平成19)年4月から、定期点検時にホイール・ナットを規定トルクで締め付けることなどが規定された「改正自動車点検基準」(国土交通省令)および「改正自動車の点検及び整備に関する手引」(同告示)が施行された。この改正は、大型車の車輪脱落事故が発生していることなどを踏まえ、見直しを図ったもの。大型車の車輪脱落事故の再発防止のためには、適切な点検・整備の実施とタイヤ交換時における的確な作業が必要である。そのため国土交通省では、「再発防止のための注意事項等」を取りまとめ、大型車の運転者・使用者、自動車整備事業者、自動車製作者などへの啓発活動をしてきたが、依然として点検・整備等の不良を原因とした車輪脱落事故が発生していることから、いっそうの徹底を図るため、2007(平成19)年4月施行時に、次のとおり点検内容の見直しと追加をおこなった。
(1)日常点検に関しては、ホイール・ナットの脱落・緩みや、ホイール・ボルトの折損等の異常がないことを点検することを規定(新設)。(2)3カ月の定期点検において、「ホイール・ナットとホイール・ボルトの緩み」を点検するとされていたが、規定トルクでホイール・ナットを締め付けることを規定(明確化)。 (3)12カ月の定期点検において、ディスク・ホイールを外してホイール・ボルトを細かく点検すること、取り付ける際には規定トルクでホイール・ナットを締め付けることを規定(新設)。(4)タイヤの交換の際の注意事項として、規定トルクでホイール・ナットを締め付けること、誤組みをしないことを規定(新設)。

トルク機器での管理

適正なトルク値がある。この規定値を把握していないと、締め付けすぎてボルトやナット類を痛めたり、逆に締め付け不足によって、部品の脱落を発生させたりしている。結果、重大事故につながったり、製品の不良を生む。
■数値で管理が大事
 各種の機械生産工場や自動車や電車、飛行機等の整備工場における現場では、日常的に使われている各種のトルク機器は、数値で管理することで勘に頼ることなく、また個人差もない安全な生産と整備作業を確立している。

関係業界で取り組む安全対策

(公社)全日本トラック協会では、国交省が取りまとめた「事業用自動車総合安全プラン2009」の数値目標や取り組み計画を踏まえ、今後の交通安全対策を推進するにあたり、10年後(2018年)を目途とした「トラック事業における総合安全プラン2009」を策定して、実施している。
 同プランでは、▽コンプライアンスの徹底=点検整備実施率が他の業態に比べて低いため、点検整備実施率の向上対策を検討するなど。▽安全体質の確立=略。▽飲酒運転の根絶=略。▽IT・新技術の活用=略。▽道路交通環境の改善=略。などがあげられている。
■車種ごとに決められた適正トルク値
 (一社)日本自動車工業会は、「大型車(トラック)のホイールナット締付けトルク一覧」として、メーカー名と車種ごとに適正なトルク値を公表している。

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