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私の履歴書 齊藤勝夫(第18回計量賞受賞者、元千葉県計量検定所長、元流山市助役、現千葉県計量協会・計量士会会長)                 

03年、私が千葉県計量協会長として取り組んだ事業
懸案の関東甲信越計量協会・計量士会の協議会の合同開催に漕ぎつける

第4編 事後処理の扱いがブロックの人心をかえた

皆で心一になる(1)

 いままで述べてきたように、故あって関東甲信越地区の計量二団体の合同開催に、ともに歴史をつくってくれた多くの先輩、同僚、朋友、旧知の友、職域の縁者・知人の力と「天の時」「地の利」「人の和」に恵まれた。予想以上の盛況と多くの提案議題を寄せられ、本協議会が案ずるよりも生みが易しのごとく熱論の中で、しかも、議長から二団体の代表者による運営委員会を設けて、必ず事後処理をしますと公約して余韻をのこしたことが、どうしても、時間の制約とはいえ、会場内に安堵と期待をいだかれたものと思う。
 当日、予告したように11月12日運営委員会に付議する案件は、早くから、日本計量新報社の好意で広告をもって周知してあるものの、参加者の安堵と期待に添うように、事後処理の要諦は、(1)処理目的はなにか(2)目的達成の手段・方法はなにか(3)期限はいつまでか(4)案件の相手先は誰なのか(5)当然ながら責任をもって処理するのは誰か、その名は(6)事後処理終結の姿は、と数々の関門を乗り越え満足させなければならない。このことは、従来この点が曖昧模糊ではなかったのではないだろうか。
 参加者に、歴史は新しい扉が開いたことを実感として受け止めていただくことがなによりもまして、成る程今までとは違うぞ、と一人ひとりが肌で感じとってもらうことが、ブロック全体の雰囲気をかえることになり、以後の物事の展開に必ず役立つことと自らに言いきかせてきた。
 今に分かるぞ、運営委員会の討議が進むにつれ、このことが、ブロック内の結集に役だつこと必定必見と確信していた。そこで、案件を今一度点検し、11月12日運営委員会にのぞむ体制を整えてみることにした。案件を整理して、分かり易く述べると次のように、分類できる。
 物事をわかり易く見、聞きすることは、大事な要素である。
(1)2団体合同連絡協議会・当番県会長名の文書による方法
計量行政機関宛(お願い)
▽計量行政室長宛(基準器申請者の追加、省令改正事項)
▽関東甲信越計量行政協議会地区世話人宛(質量標準管理マニュアルの相互承認の導入の是認等)
▽特定市関東甲信越地区幹事市宛(同)
(社)日本計量振興協会長宛(要望・会費不公平是正)
(2)運営委員会に付議する方法
▽適管制度を含め計量管理普及策の検討研究
▽日計振の関連組織として位置付けして法令研究・計量士・計量管理・事業・組織等のあり方
▽はかり定期検査民間委託体制整備選択方法の検討
(3)調査の実施
計量管理普及啓発の実施状況

事後処理は3つの方法で

 本協議会で決定した事後処理案件は、前述のように3分類に集約される。処理方法も、文書による方法(関係当局にはお願い文・日計振には要望文)、運営委員会(計量二団体の長をもって構成)に付議する方法、調査の実施の3方法にきまった。
当番県会長名をもって行うため、自ら、まず文書の試案を宛先毎にそのポイントを、計量行政室長宛てには、提案議題・提案理由・改正が望まれる内容をもりこみ、ブロック地区世話人と同特定市幹事市宛てには、質量標準管理マニュアルの承認にあたって相互承認制度の導入の是認・各種申請書、届出書等の法令上の規定がないものにあっては可能な限り共通又は統一の採用の内容に絞り込んだ。その文書の表題は、「お願い」という当局が比較的受けて関係機関相互に相談がしやすいように侍史的表わし方をとった。
 素案を千葉県計量検定所斉藤博之所長さんと千葉市計量検査所三浦修所長さんに事前にみていただき、貴重にして、かつ、実践的助言を得て、文言を更に当局が受理し易く整序し最終成文を作成し、平成15年11月12日の運営委員会に持ち込む手筈を整うことができた。

日計振へ会費問題の要望書

 一方、日計振宛ての計量士団体の会費の額の不公平感の是正方の文書による要望書は、時正によし、鍋島綾雄総務委員長((社)宮城県計量協会会長・日計振副会長)のもと、全国6ブロックから計量協会側と計量士会側からそれぞれ1名ずつ選任された委員12名の計13名をもってする会費見直しの総務委員会が設けられ、鋭意検討中の真只中。11月26日第3回が開催されることは見逃すことはない。絶好の機会そのものである。11月12日の運営委員会で当番県会長名による要望書の文案とその取扱い方法等総て千葉県一任をとりつけて行動することに内心は決めてかかっていた。かくして、文書による方法の体制は練り上げ最終段階に入った。当番県としてブロック本協議会において総意をもって会費に関する議題は要望書をもって日計振に迫ると決められたときから、秘かに当時文案を練り用意していた要望書は、次のものであり、貴重な紙面を使わせていただいて恐縮ですが、歴史の歩みの足跡であるので紹介をさせていただき参考に供したい。


社団法人日本計量振興協会会長飯塚幸三様

平成15年11月26日
関東甲信越地区計量協会・計量士会合同連絡協議会開催当番県
千葉県計量協会・千葉県計量士会会長齊藤勝夫

要望書

 平成12年4月1日に中央計量三団体((社)日本計量協会、(社)日本計量士会及び(社)計量管理協会)が統合して爾来3年有余を経過し、中央、地方ともども一体化の成果を生み出すべく、懸命に努力を傾注しており、一方では、少なからず難問も抱えその乗り越えと解決に苦慮しているのが実状であります。
 そのような苦難のとき、衆望と内外からの求めに応じ、千葉県の二団体(計量協会と計量士会)が開催当番となり、関東甲信越地区1都9県の計量協会と計量士会が歴史上初めて、平成15年度合同連絡協議会を、千葉県の南房の地鴨川市において去る10月2日、3日多くの関係会員が参画して、盛大に開催されました。
 その会議内容たるや、盛り沢山な切実な職務遂行上の願望や、関係団体のあるべき姿と、その会費負担の実態から起因する不公平感の是正要望等の提案議題について熱心な討議と情報交換、加えて強い訴えが披灘され、46年振りの正に画期的にして、かつ、歴史的な意義のある実り多い成果と改善に期待をもち得る素地の提供ができたものと確信しております。
 このことは、関東甲信越地区計量二団体の融合発展に寄与するのみならず、全国的にも望ましい良き影響を与え、(社)日本計量振興協会の新たなる発展に貢献できた協議会と自負しております。
 つきましては、当日(10月2日)開催されました本協議会において、別添のとおり、「(社)日本計量振興協会の会費の額の不公平感の是正について」(比較表付)の提案議題があり、種々討議いたしました結果、本職名をもって、討議の主旨をふまえ要望書をもってその是正善処方を促すよう、その後開催された運営委員会において決定されました。
 ここに願わくば提案理由、特記事項及び実状と内容を真摯に受け止め、下記の事項を基軸に十分吟味され、しかるべき方法をもって、全力を傾注して誠意を尽くし最も説得力のある論理的で実行できる環境づくりを確立し、もって納得できる最大公約数の改善案を提示されますよう切望いたします。
 なお、今後お取りになられる善後措置等をいかなる方法と道筋を踏まえて進めるかの経過と結果の報告を、恐縮ですが平成16年3月中の理事会前後頃を目途に第1次のご回答を賜れば幸いであります。


1、抜本策に取り組み、統合の成果を減資に会費の現状から減額指向とすること
2、広範囲に意見・主張をきき、地方団体の財務実状から貴会の収入・支出構造にもメスを入れ、併せて過重負担緩和策を探究されること社団法人日本計量振興協会副会長・総務委員会会長鍋島綾雄様
平成15年11月26日
関東甲信越地区計量協会・計量士会合同連絡協議会開催当番県千葉県計量協会・千葉県計量士会会長齊藤勝夫
要望書
 平成12年4月1日に中央計量三団体が統合して爾来3年有余を経過し、中央も地方も、ともども一体化の成果を生み出すべく懸命に努力を尽くしておる中、地方側の重鎮にして、経験豊かな最高の有力者である貴職が、この度会費問題を所掌する貴会の総務委貝会の委員長の大役を、お引き受けになられ、難問解決に向けてご努力されることに、深く敬意を表します。
 関東甲信越地区計量二団体は、本年10月2日、3日の両日にわたり、本県の二団体が当番となり歴史上初の合同連絡協議会が開催され、盛り沢山の提案議題のもと、多くの会員が参集され熱心な討議が行われました。
 つきましては、当日、別添のとおり「(社)日本計量振興協会の会費の額の不公平感の是正について」(比較表付)の提案議題があり、本協議会として慎重、かつ活発な審議を経て、討議の主旨をふまえて要望書を本職名をもってその是正善処方を促すよう、その後開催された運営委員会において決定されました。
 一方、当日、貴会の飯塚幸三会長の挨拶において会費問題にふれ、目下、総務委員会で検討中との発言がありましたので、ときもよしとの思いで、僭越とは存じますが、貴職のお力で、願わくば、この提案理由、特記事項及び実状と内容を真摯に受け止め、下記の事項を基軸に十分吟味され、最も説得力ある、諭理的で実行できる環境づくりを確立し、粘り強く納得できる最大公約数の改善案を貴職のお立場により、お示しの上、提示されますよう切望いたします。


1、3年間の見直し期間をおいての総務委員会への付議でありますので、強力にして協力できる是正改善案の策定にご尽力、ご助力されたいこと
2、統合の成果として、一例をあげても、事務局が一元化したからには、それ相当の人員が削減さるべきであり、会費低減の減資になり得ること
3、会費不公平感の是正を訴える一つの要因は、一構成員当たり計量協会と比較して、少なくとも、同額に近い著しく差のない負担程度であるべきと思われること
4、無理な一方的と思われる是正策では、以後に禍根を残すことになりかねないので、ときには、段階的に行うことも視野に入れること
5、少なからず合意を得るためには、改善是正案の実施段階に当たり、貴会の人件費の削減縮少減額も視野に入れ、同時併せた方法の採用もありうること

 総務委員長宛の要望書の原案(前記文章)に東京都の意見をとり入れて、4・5を次のように一部文案を改めて正式文書として11月26日の総務委員会の席上手渡し、要望の実現を要請した。
4、一方的と感ぜられるような会費是正策では、以後に禍根を残すことにもなりかねない。目標時期を定め段階的な負担軽減案とすることも視野に入れること
5、効果的な実施案として合意を得るためには、貴会の管理経費(人件費を含む。)の同様な削減、縮小減額プログラムを策定し、前号4とあわせ、同時併行して実施し、両論案相俟って目指す目的を達成するという構図が必須であり、粘り強くその実現を図ること

 このように、「要望書」は計量二団体合同連絡協議会が関東甲信越地区ブロックとしては、歴史的に、初めて開催された席上取り上げられて、しかも、中央三団体が統合されて三年経ても、依然として矛盾を抱えているまま無作為で徒過してきた会費の不公平問題をまともに当事者である(社)日本計量振興協会が「要望書」として突きつけられたのである。こともあろうに、地域計量団体複合組織としては、最大の1都9県計量協会・計量士団体の共に和しての声ある声の巨人の吠える姿の現れである。平成15年11月26日第3回総務委員会の席上、手渡しされた鍋島綾雄委員長の態度と判断たるやまことにお見事。
 関東甲信越地区ブロック計量二団体合同連絡協議会誕生の歴史のさらなる延長線の歴史を紐解いてくだされた偉大なるお方であり、新しい団体運営の手法を切り開く大きな礎石をも築いてくだされた。このことは、小職が自ら長年携わって会得した団体運営の哲学と期せずして一致したからである。その根幹の筋道はこうである。

団体運営の名人のなせる業と手法

 執行部(会長、理事長等キャップの下に事務局)が、総会において定められた事項の実務を実行する。当然のことながら、執行機関(理事会等)の議決が大前提であることはいうまでもない。問題は、意思決定を誰がやるかである。いまさら設問する程もない愚問である。会長である。当たり前である。ところが、どっこい、有能な事務局が、細部にわたり精通し、かつ、経験豊かにして誇りと自尊心に満ち満ちている。万事そつなく実行案を練り上げてくる。このこと事態悪いことではない。結構なことであろう。それをそのまま、「よし、わかった」方式はしてはならないのである。何故か、肝心要の意思決定が会長ではなく、事務局になるからである。一歩も二歩も譲っても大綱段階で会長の意のままに指示して決めてゆくことが肝心であろう。でなければ責任の在りかが不明になる。裏を返せば、強いリーダーシップのもとの案づくりと実行である。
 千葉県の会長を受けたとき、そのような決心し、ブロックの当番県を引き受けるや否や必ず唯我独尊と言われてもやりぬく決意をかためていた。
 自ら会得している団体運営の哲学即ち周りの人の意見を聞き、自分の強い意思による判断をくだし前へ進む。右顧左眄しない。
 「要望書」を手渡し一覧されて、鍋島委員長の見事な行動が開始された。その内容をつぶさに読み上げ、並みいる委員に重ねての認識を深めさせ、要望書の内容を念頭においての活発な議論を引きだした。先に集めた全国資料から、計量士会費の重複納入の実態と納入総額が313万円にのぼることの事実を掴み、委員長見解を大綱として次のように強い口調で述べられた。

1、本総務委員会としては、各委員から、発言されてきた根本的、抜本的にただ単に統合時の構成団体の当時の負担会費の移行から白紙に戻して議論し、見直すことが本筋・本論であることは、いうまでもなく、常道である。しかし、現状、重複して地区計量士会が日計振会費を納入していることも明らかになった。
2、この矛盾は、放置できないし、早急に是正し、解消しないと不信感を増大する。平成16年度から解消する必要がある。
3、重複納入額313万円を減資として、当面、計量士総員1095名で除し、1名当たり3000円に各地区計量士数を乗じて得た額を16年度から減額として、不合理を解消したい。
4、関係委員の発言にあるよう、日計振には団体加入して個人会費の集合形式ではなく、理論上団体負担会費である。それで、A会員、B会員と区別して、差別扱いはおかしい。少なくとも、日計振内部においては、AもBもなく、扱うべきである。但し、大事なことは地区計量士会の内部の構成や負担等まで立入る問題ではない。地区計量士会は、夫々、内部自主的事情、判断にゆだねておくことである。
5、会費の不公平是正は、ただ額を下げればよしというわけでもない。計量士会費と他の会費と比較しての論法をとっているので、その答えは簡単に出ない。時間をかけて引き続き根幹的解決をめざす。
6、日計振は減額分は、内部にメスを入れ、無駄を省き経費節減等をもって補うべきである。地域団体の苦しい財務状況を勘案して認識する必要がある。
7、収入減の激変緩和案も考えておくこと

建議書を一気阿成に書き上げる

 あの温厚な鍋島綾雄総務委員長が、小気味よい口調と毅然とした態度と節度をもって委員会の第1段階の終着点とその向かうべき方向と内容を論争を裁いて示された。つまり2段階方式で会費是正策を講ずることを建議する基本方針を読みとれた。
 第1段階、不合理・不公正の是正(二重払いの解消)を早急にやること。第2段階、時間がかかっても抜本的是正策を探し求めること。1、本総務委員会としては、各委員から、発言されてきた根本的、抜本的にただ単に統合時の構成団体の当時の負担会費の移行から白紙に戻して議論し、見直すことが本筋・本論であることは、いうまでもなく、常道である。しかし、現状、重複して地区計量士会が日計振会費を納入していることも明らかになった。
2、この矛盾は、放置できないし、早急に是正し、解消しないと不信感を増大する。平成16年度から解消する必要がある。
3、重複納入額313万円を減資として、当面、計量士総員1095名で除し、1名当たり3000円に各地区計量士数を乗じて得た額を16年度から減額として、不合理を解消したい。
4、関係委員の発言にあるよう、日計振には団体加入して個人会費の集合形式ではなく、理論上団体負担会費である。それで、A会員、B会員と区別して、差別扱いはおかしい。少なくとも、日計振内部においては、AもBもなく、扱うべきである。但し、大事なことは地区計量士会の内部の構成や負担等まで立入る問題ではない。地区計量士会は、夫々、内部自主的事情、判断にゆだねておくことである。
5、会費の不公平是正は、ただ額を下げればよしというわけでもない。計量士会費と他の会費と比較しての論法をとっているので、その答えは簡単に出ない。時間をかけて引き続き根幹的解決をめざす。
6、日計振は減額分は、内部にメスを入れ、無駄を省き経費節減等をもって補うべきである。地域団体の苦しい財務状況を勘案して認識する必要がある。
7、収入減の激変緩和案も考えておくこと

建議書を一気阿成に書き上げる

 あの温厚な鍋島綾雄総務委員長が、小気味よい口調と毅然とした態度と節度をもって委員会の第1段階の終着点とその向かうべき方向と内容を論争を裁いて示された。つまり2段階方式で会費是正策を講ずることを建議する基本方針を読みとれた。
 第1段階、不合理・不公正の是正(二重払いの解消)を早急にやること。第2段階、時間がかかっても抜本的是正策を探し求めること。さすがに下した裁断は、天の時、人の和をうまくつかんだ当面の良策であることは間違いない。全国規模で行う論理的根拠と、納得を得る事実に基づいている。よし、これで次回に日計振に実行を迫る環境が整えることができたと、即座に委員多数が賛意を表し、明年2月10日に第4回総務委員会を開催することを決め、いよいよ論理的にして、納得できる最大公約数の改善策づくりを目指すことになる。明けて暦は平成16年を迎え、1月30日は昨年11月12日の運営委員会時に次回ブロック2団体の運営委員会と決めていた。1月30日(金)東京都計量検定所で開かれたブロック運営委員会の東京からの帰路、どうも2月10日の総務委員会の建議書づくりが心配になってきていた。本来のやり方は数名の起草委員会を設けて案文づくりを行い、書き上げていく。
 どうしても、人選と起草文の構成骨格組み立てで一両日はかかり、とても3月理事会に付議することは難しい。よし、先ず齊藤試案をたたき台としてやってみよう。出過ぎるかもしれないが、要望書はれっきとした千葉県提案で、しかも、当番県の責務で行動してきたことだ。逃げてはいけない。責任感あるなら男らしく前へ進むべし。人に講釈しているくせに。今をおいてなし。後で後悔するな。自らに言いきかせて建議書づくりに取り組むべしと胸の高まりが脳に伝えた。明日は土曜だ。日曜と2月1日まで2日間で書き上げられる。午後5時をまわった。日計振の総務の市川由雄さんに駅の公衆電話(浜松町駅)でかけてみた。いました。いました。よかった、市川さんに第1回(平成15年8月26日)、第2回(同年10月15日)、第3回(同年11月26日)の3回分の議事録を至急自宅宛FAXで送信依頼した。ことの自らの事情と判断を伝えた。それから40分して自宅に着く。約束どおり市川さんから所望の議事録FAXが届いていた。
 正確な時系列に記述し、基本的見解を哲学的記述を簡にして、ぬかりなくを常に頭に刻みつつ、何度も何度も書き直し、具体的見解は日頃からのメモ通り一気阿成に並べ書き上げた。あとは起承転結で文体全体を整える。2月2日、月曜日、協会に出て、鍋島委員長に電話で事の経緯を克明に説明した。答えは「よくやってくれた。頼む」出来上がったばかりをFAX送信し、委員長の加筆点のやりとり後最終は2月6日(金)最終版を鍋島委員長にFAXし、帰る電車の中で了解の携帯電話があり、「やれやれ」との気持ちは、このことか。
 翌週2月9日(月)、日計振市川さんに電話して、2月10日(火)朝、第4回総務委員会開催前に原稿を渡すから、コピーを急いでやり、委員のテーブルに運び終えるようにと、難しい注文を出した。当日、全委員の討議を経て、建議書の解釈に誤りのないように、2箇所即ち1箇所は第1種正会員はカッコ書きの通りに書き直し、具体的見解の2の地区計量士会納入会費のところはカッコ書きの通り日計振実納入額をいう。と書き添え、万全を期した文言を分かり易く訂正しなおし、正式に建議書として、輝くことになった。感無量。その建議書こそ、次のとおりの力作としていよいよ始動することになるのである。このことは、前述の鍋島総務委員長(宮城県計量協会会長)の態度と判断たるやお見事と絶賛した真因が、小職が自らの経験で会得した哲学と相有無通ずるからである。とりもなおさず、団体運営の課題により選択する事務局意見は先行させない。リーダーの示す方向に従わせること。自ら当事者となり、すべてを自らの能力で仕上げて見せること。真のリーダーシップを内外に力として示し、次の展開を有利にすることに無言の手本にしてしまうことである。今回の総務委員会は一貫して、事務局には文字通り事務局としての仕事しかさせなかった。一方、事務局の行動も利口であった。こんな難しい骨格づくりは、手を出さないことが、一番怪我が少ない。本当は、手も足も出なかったというべきかな。 この建議書の原案を委員のお一人であるあの滋賀県の名会長の平野將(社)滋賀県計量協会会長さんが、褒めたのである。「よくできておる。特に、基本的見解はこのとおりである。いうことがない」、一番嬉しいお言葉である。建議書はスタート台に立つことが、これでできる。
 3月の理事会には、並いる難しい正論を述べること人後におちない有名な方々がいる委員が、そのまま理事会の理事ばかりである。理事会はとおり、実施はされること間違いないと確信した。改めて、重ねて全会一致で建議書採択させて、実行へと歩を進めさせた鍋島綾雄委員長、ご手腕はお見事、ご立派である。仕事をやるなら、このような方のおそばでしたい。欲ばった言い方ですかな。平成16年2月10日
社団法人日本計量振興協会会長飯塚幸三様
社団法人日本計量振興協会副会長・総務委員会総務委員長鍋島綾雄

建議書

 社団法人日本計量振興協会は、平成12年4月1日に旧中央計量3団体が統合した際、会費については、当時その団体が有する会費の額をそのままをベースに踏襲し、一部地方計量協会の会費に限り、その団体の自らの会費収入の12%を乗じた額を計算しその額と、踏襲した会費の額即ち統合時の会費(平成12年度の日本計量振興協会会費)と比較し少ない場合は、前記の12%を乗じて算出した額を以後の会費とする。一方多い場合はそのまま据え置く。ただし、算出した額が統合時の会費の70%を下廻る場合は、70%をもって以後の会費とする3通りのケースのいずれかに属する手直し的改正を、平成13年5月24日の本会通常総会に行われ、3年ごとに会費を見直すことで、今日まで経過し会費問題は根本的、合理的解決をみていない。特に地区計量士会の会費は、計量協会との重複加入がある実態から、この整理がなされるまでは、個人加入制による会費の集合体計算のもとの統合時の会費として移行した現行方式は、矛盾を内包したまま推移してきた。
 このような実状と、3年ごとに見直す時機と、加えて計量士会側からの矛盾是正を当然ながら求める背景から、総務委員会は、可能な限り広い地域の代表的な声と意向を取り入れるべく、全国6ブロックから地区計量協会及び同計量士会の代表の方に委員をお引き受け願い、本職の他、12名の委員が平成15年8月26日に第1回の委員会を開催し、第1種正会員(地区計量協会、同計量士会及び計量8団体)及び第2種正会員の本会を構成する関係団体のそれぞれの負担会費の実状と課題を改めて認識把握し、当委員会の今後の審議と判断を下す上で基本となる、地区計量協会の直近年度の会費収入額及び本会への意見並びに同計量士会の直近年度の収支決算額及び本会が取り組むべき事業や意見・要望について「アンケート」をもって調査し9月末日までに回収し取り纏めの集約を見極め、当委員会として「会費問題」の改善のあるべき姿と取るべき措置の「新改定会費制度案」を、基本的には、拙速を排しつつ不公平感の是正と会員の納得できる改善案として可能な限り、平成16年度通常総会に提案できるよう、つとめて努力することを決定した。
 さらに、10月15日に第2回の委員会を開催し、さきに回収、集約した「アンケート」調査結果を分析し、本職から当委員会として、当面、喫緊の課題として「計量協会と計量士会の会費負担の不公平感の解消」をはかるべく妥当な良い案を導き出すことを主眼として、計量士会の会費のあり方を先議集中論議あるべしの提案をし、そのように審議を進めることを確認した。その理由の一つとして、10月2日に開催した関東甲信越地区計量協会・計量士会合同連絡協議会に提案された議題に「(社)日本計量振興協会の会費の額の不公平感の是正について」があり、切実な実状の訴えを計量協会と計量士会の一構成員当たりで比較し23倍という高負担を計量士会員が負っていることを、論理的根拠の数字を挙げて等しからざるを憂うと迫ってきたことも一因であり、さらに、別の視点からA会員、B会員の区分の撤廃を求める意見も少なからずあり、このことは日計振(本会)に団体加入でありながら日計振は差別し、B会員に受益を異にした遇し方に起因しているという主張であり、会費問題とともに両者の信頼維持のためにも付随して解決しておくことが、賢明な選択肢の一つであろう。
 第2回の委員会のまとめとしての考え方的は、計量士会の個人の会費をいくらにするということでなく、地区計量士会(公益法人にあっては、計量士部会)の日計振(本会)に対する会費を、計量士会の会員数等の実勢を表す指標に連動させる方法の採用とか、併せて自らの計量協会との重複加入による日計振に対する二重納入の解消整理に力点をおき検討審議を進めることにした。従って、地区計量士会会員が同地区計量協会へ重複加入して、結果として日計振に二重納入(重複支払い)している実態・実勢を早急に47関係団体に調査し、全国規模にわたり具体的な金額を把握し、一方、計量協会と計量士会の会費の比較一覧表を作成し討議判断資料とすることにした。
 続いて、11月26日に第3回の委員会を開催したところ、直ちに、10月2日に開催された関東甲信越地区二団体合同連絡協議会において熱烈に集中論議し、決定した計量士会と計量協会とのそれぞれの会費の比較において、生じている不公平感の是正に関する当番県会長名による要望書が、日計振(本会)会長及び同総務委員長宛て提出された。本職から、その内容をつぶさに読み上げ本委員会の審議と委員の再認識を深めることに寄与ができ、さらに、同要望書の内容を念頭におきながら活発に議論し、先の調査で、把握できた計量士会費の重複納入の実態と納入総額が313万円余にのぼることの事実を転機に、委員長見解を次のように提示した。基本的見解:論理的に確立でき、かつ、会員が納得できる最大公約数の「新改定会費制度」の策定を目論見、暫定現行会費制度を白紙に戻し根底から抜本的に見直すべきが本筋のところ、差し迫って焦眉の急といえる地区計量士会の負担する会費の不公正感の是正こそ、3年間徒過してきて相互信頼を失う危機感がつのる風潮を消去するためにも、最優先で取り組み早急に、第1段階の会費改定を、計量士会の重複納入の不合理の解消とその金額を改定減資に活用し、併せて、日計振の統合メリットともいえる支出部門(管理人件費)の削減、縮少、整理、抑制、経費節減等の内部管理にメスを入れ減額節減をはかり、自助努力による改定減資を捻出し、両々あいまって現行会費より低減し妥当相当額を求めるものとする。
具体的見解:(1)日計振(本会)として地区計量士会の所属計量士について、A会員及びB会員等の呼称並びに区分はしないこと。
(2)日計振(本会)に対する地区計量士会納入会費(日計振実納入額をいう。以下回じ)は、現行会費をペースとしておき、その額から増額はありえず、現行維持もありえず、減額方式のみ採用すること。
(3)減額方式は、まず論理的に考察し、重複納入の不合理を解消しこれによって生ずる313万円を減額原資とし、平成15年10月15日現在の地区計量士会所属計量士全国総数(1095名)で除し、1名当たりの金額を算出する。
(4)算出して得た1名当たり3千円に地区計量士会所属数(改定会費実施年度の開始日現在)を乗じて得た額を現行の地区計量士会納入会費から減額した金額を「新地区計量士会納入会費」とすること。
(5)日計振(本会)に対する地区計量士会納入会費は、上記<CODE NUM=0174>の規定の計算方式で確定する所属計量士の数とともに次期改定まで固定し、計量士数と毎年は連動しないものとする。
(6)「新改定会費制度」は、実施年度を除き過去に遡及しない。
(7)「新地区計量士会納入会費」として算出して得た金額が現行会費の70%を下廻る場合は、70%の金額をもって以後の改定会費とすること。
(8)日計振(本会)に対する地区計量士会納入会費が10万円以下の団体には、「新改定会費制度」は適用しないこと。
 以上の総務委員長の見解に対し、委員から活発な意見交換がなされて、委員長の基本的見解に示めされているように、根幹的、抜本的改正是正策でなく、当面、喫緊の課題の焦眉の急対策としての第1段階として了承し、真の改革是正の難問解決のため本委員会は、粘り強く検討協議を引き続き重ね、所期の目的解決のため任務をつくし、もって3団体統合の成果の実をあげるため不断の努力を期すものである。具体的見解そのものを実施案として建議しますので、この建議書の内容を十分吟味し、所要の手続きを経て実効を期せられたい。
 なお、要望書に対する善後措置の経過と結果の報告の回答は適時行われたい。
添付書類
(1)第1回総務委員会議事録の写し
(2)第2回同
(3)第3回同
(4)要望書(宛:日計振会長、発:関東甲信越ブロック2団体合同連絡協議会当番県会長)の写し
(5)要望書(宛:日計振総務委員会委員長、発:同)の写し

改革はタイミングが成否を決す

 前述の鍋島綾雄総務委員長の卓越した手腕の采配により、自ら全会一致で採択させた建議書は、その実行に向けて歩を進められ、時運天の時誠によきめぐり合わせかな、丁度数ヶ月前から設定されていた(社)日本計量振興協会が主催する第2回全国計量士大会がマツヤサロンで2月19日脈々しく開かれる手筈である。この機を鍋島委員長は見逃すことはない。直ちに行動をおこし、自らも(社)宮城県計量協会長として、かつ、(社)日計振副会長の立場からご出席される手順から、同日、飯塚日計振会長に、経緯と審議内容を説明され、建議書を手渡し、一日も早く、是正をめざし、建議内容の実現を講じられるよう、強く迫られた。時宜を得た措置とは、正に、このことである。 物事改革させるときは、タイミングが、成否を決するというが、先の道筋には、日計振の理事会が、3月と4月に各1回は開くこと必定であり、その先は5月の定例の通常総会が待っている。すべてを見極め見通しての行動であり、駒の歩め方である。飯塚会長が有能にして、誠実のお人であることも幸いして、中央三団体が統合後4年を経て、誰も手をつけず先送り徒過してきていた会費問題の不公平是正策の一端を切り開き、抜本的方策を求めて、難しい道を進む意図を明確に示す事態展開になってきており、有難いことである。
 関東甲信越ブロックに端を発した計量協会と計量士会との合同連絡協議会が千葉県の当番から始まり両計量団体の親密度が当初予想しなかった、温かいファミリー的雰囲気を醸し出し、なにか計量一家的様相に見える。都県という、協会、計量士会という、壁も違和感も感じられない。一年にして今日的統合の果実が生まれてくるとは、想像もしなかったし、考えてもいなかった。ただし、今にして思えば、千葉県の当番のとき、平成15年10月2日の関東甲信越ブロック計量協会・計量士会合同連絡協議会開会後、来賓の筆頭の祝辞に当たり登壇された経済産業省計量行政室の醍醐辰也室長さんが「関東甲信越ブロックという大きな圏域内の計量協会と計量士会が、共に、一堂に会して、合同で連絡協議会を行うということに歴史的に大変意義があるし、良い影響力と成果が出て、波及的効果が生まれ、他圏域に、全国的にも良い効果が必ず出ると思うので、この協議会の成功を期待しています」という趣旨の言葉を発せられた記憶があり、会議後に「室長さんが、歴史的にも意義があるし、波及的効果が生まれると申されましたことが、感銘しました。そうなるでしょうか。なれば千葉県としても、やってよかったと、いささか誇れますね」と申し上げましたら、笑顔でおられた。その光景を思いおこして、室長さんは今日の変化を予想していた唯一のお人と今にして思い知った次第です。

予測超えたスピードで効果が

 話しは変わり、会費の要望書の提出は、予測を超えたスピードで効果が出始め、他の事後処理案件は、運営委員会が動き出し、神奈川県の横須賀健治委員長のもとに6専門部会と1分科会がそれぞれに意欲をもった1都9県の有識者の方々が、自主的に役割分担に入り、文字通り、熱心に、しかも、整然と、討議記録を残しつつ、制定した運営委員会設置要綱と運営要領に基づき、談論風発喜ばしい家族的雰囲気で、お互いが和気あいあい溶け込み勉強会と実践行動に走り出した。このことが計量協会と計量士会の協議会の合同開催に漕ぎつけたことの新しい息吹としていきづいてきた。今までのブロックの計量人の人心が、わだかまりが、思い過ごしが、誤解があったとするならば、一新し、一つになったと肌で感じ、正にブロック協議会の事後処理の扱いが、人心をかえたとつくづく実感している今日この頃であり、ずっとずっと続いていくことを信じている

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