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〈目次〉


 


2021年9月12日号(3349・50)
【寄稿】「計量史をさぐる会2021」へのお誘い
2021年10月22日(金)、松本市で開催
日本計量史学会会長 山田研治

(新型コロナウイルスをめぐる状況によっては中止する場合もあります。ご了承ください)

 コロナ禍も2年に渡り、かつ第5波にも及び、巣ごもり状態が長く続く結果となっております。しかし、高齢者中心に進められたワクチン接種の効果が徐々に浸透し、先行きが見えてくる時期を迎えました。

 この2年間にわたるコロナ禍は、当該学会活動の一部停止、そして2021年春の定時総会も郵便総会にするなど大きく影響を与えました。とりわけ、総会で行われる恒例の講演や研究発表会の中止は、会員の研究成果発表の場を失う等の事態にまでも発展しております。

 つきましては、この2年間のこの停滞を打ち破り、コロナ禍後の当該学会の研究活動を考えるため、「計量史をさぐる会2021」(日本計量新報社後援)を10月22日(金)に、東洋計器計量資料館土田泰秀館長の尽力や長野県の計量協会会員の方々の協力を得て、松本で実施することとしました。

 「計量史をさぐる会2021」の内容は、講演2件、研究発表4件、東洋計器資料館の新収蔵品を中心とした見学会となります。

 講演2件の中1件は、土田泰秀館長の三方五湖の地層年輪と新規収蔵品の紹介、特に後者は従前から知られていた長野県中之条の測量関係資料の収蔵経緯と大野規周銘の「彎?(わんか)羅針(杖先羅針)」すなわち円周儀の新規収蔵品の紹介です。

 そして、他の1件は、全国一の枡の収蔵を誇る東洋計器資料館との関連から、黒須茂先生の二宮尊徳「報徳会」の枡問題が論じられる予定です。

 また、研究発表会の4件の中、特に2件は新しい研究で、従前から当学会でも重要視しております科学史分野から、福岡の岩崎博先生の「古典的円周率計算法」が発表されます。「古典的円周率計算法」は、アルキメデスの円周率計算方法が中国を経て、日本へ伝えられたのかという問題をも含みます。

 加えて、また、もう1件は、東大史料編纂所、当学会副会長の西脇康先生の慶長小判金問題についての発表「江戸幕府の金位表示と慶長小判・一分判の誕生」です。西脇康先生の慶長小判金問題は、アルキメデスの主要命題、円周率問題に次ぐ、もう一つの命題、王冠問題、すなわち比重(密度)問題と深く関連します。

 西欧では、24金(24分率制、(カラット(carat)制)が純金とされますが、江戸時代の金座では44匁が純金(中国では赤足金)とされます。この44匁は、1寸立法の純金の質量を指すとされます。この分野の研究は、極めて遅れています。

 その原因は、江戸金座の貨幣の44匁金を純金とした金含有制度(44匁の純金に、銀を加えて割をいれる。慶長金のように52匁金であれば金「44匁+銀12匁」、金含有量は「44/52≒0.846」、約85%、20金程)は、幕末まで秘伝とされたこと、そして、明治2年の最初の貨幣分析で、江戸時代の金貨(判金、小判)は金及び銀の合金貨幣、すなわちエレクトロン(Electrum)貨であるとされたことによります。エレクトロン貨は、ギリシャ時代に生まれた最初の貨幣、原初的形態であったことを示します。

 なお、江戸時代の、半金や小判金についてのエレクトロン貨伝説は、1970年代の貨幣論の新たな発展段階に入っても続きます。今、西脇康先生を中心に江戸時代の貨幣問題の見直しが、進んでいます。貨幣問題は、度量衡の歴史を分析、研究するための原点です。

 研究発表の他の2件は、小川実吉先生「国際温度目盛(国際温度標準)の変遷―ITS―27(創設)からITS―48の実用化例―」と山田研治「佐藤政養と度量衡」です。

 以上の内容で10月に行われる松本での「計量史をさぐる会2021」は、日本計量振興協会等の協賛、また当該日本計量新報社の後援でもあり、愛読者のご参加を是非ともお願いいたします。

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2021年9月12日号(3349・50)
【寄稿】キップもデジタルへ
日本品質保証機構 片桐拓朗

 近年は計量分野のみならず、多くの分野でデジタル化がすすめられていますが、今回はキップのデジタル化のお話です。

 最近の首都圏の駅の改札はほとんどが自動改札になりました。若い人に聞くと、そもそも改札口でキップに鋏を入れていたという行為を知らない人がたくさんいます。あるいは、キップの買い方を知らない、という人もいます。考えてみれば、ICカード1枚があればキップなしで鉄道に乗れる時代なのですから。

 計量的な視点で見ると、キップのサイズは、近距離用の小さいキップ、長距離用の少し大きいキップ(定期券サイズ)、それ以外の磁気化されていないキップになります。小さいキップはエドモンソン式乗車券と呼ばれ、3.0×5.75 cmになります。大きい方はいわゆるマルス券で5.75×8.5 cmです。

 この5・75cmというサイズを考えた人が、1836年、最初にキップを作ったエドモンソンというイギリス人です。自動改札では、磁気化された券である2種類のサイズを読み取れればよいので、大きさの処理としては比較的楽です。技術的に難しいのは、新幹線自動改札の4枚まで同時に読み取る機能や、回数券に乗車日を印字する機能かもしれません。

 さて、デジタル化の波は改札機能にも進化をもたらしてきました。当初は、データを磁気の紙に書き込んだキップを自動改札に投入する形でしたが、磁気カード(イオカード、スルッとKANSAI、パスネットなど)を、直接改札機に入れるという形にまず進化しました。この時代でも、カードの裏には乗車日+乗車駅+下車駅+残高が印字されていたので、文字というアナログ情報が併用されていたことになります。

 その次に登場したのがJR東日本のICカード(Suica)です。ちなみに、Suicaのサイズは磁気定期券のサイズとは異なっています。これは、定期券がキップの規格サイズ(サイバネ規格)で作られるのに対し、Suicaはカードの規格サイズ(JIS規格)で作られるからだそうです。

 ICカードの特徴は、改札機通過時に非接触であることと、カードにチャージを繰り返すことで反復利用ができることです。さらにはオートチャージという機能も付加でき、残額が少なくなるとクレジットカードから勝手にチャージされるという優れもの(怖いもの)です。Suicaに数年遅れて首都圏私鉄系のPASMOやJR各社(実はJR四国だけは独自カードがない)のICカードも登場しています。

 ICカードでは、乗車駅・下車駅の印字がされないのでアナログ的な部分は消え去り、完全なデジタルキップとなった訳です。(磁気カードで絵柄の異なる記念カードを観光用にたくさん販売していたJR北海道は、減収になったことでしょう)

 最近は、自動改札機はないがポール型のカード読み取り機だけはついている、という駅も首都圏の郊外には登場しています。改札機の扉もないので、もはや改札機能ではなく運賃収納マシンといったところです。これでも運用できているのは、乗客の性善説が成り立っているということで、さすがは日本だと思います。

 では、将来はキップがなくなりICカードだけになるのでしょうか?首都圏に住んでいる人は、大抵、SuicaかPASMOを持っていると思いますので、キップがなくなっても電車に乗れると思います。滅多に乗らない人も、1000円以下の金額を券売機でチャージできます。

 残るは、首都圏以外に住んでいてふだん鉄道を利用しない人が首都圏に来た時や外国人旅行者です。さすがにこの人たち全員にICカードを買え、とは言えないので、キップで乗る機能は残るのではないでしょうか? 最近では、磁気の代わりにQRコードを読み取る改札機も登場しており、キップが生き残る道かもしれません。

 あるいは、全国民がスマホを持ち、ここに交通系ICアプリを入れて1円単位でチャージすることができれば、キップ廃止も可能かも知れません。データがエラーで消えてしまう不安がなければ、です。

 もっと発想を変えて、他の電子マネーで自動改札を通過できるようになればこれもありです。いずれは、1枚のカードで、鉄道、リニア新幹線、バス、航空機など全てに乗ることができるデジタルキップの時代になるかも知れません。

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2021年9月12日号(3349・50)
【寄稿】絹遺産群の産業集積と計量計測―群馬の世界遺産―
群馬県計量協会会長 横田貞一

 子供の頃の想出にある風景は、透き通った青空に沸き立つ入道雲と赤城、榛名、妙義の上州の山脈、一面の桑畑でした。古来より、風土的にも蚕種育成・養蚕から生糸が加工・取引された賑いのある商業集積地で、絹の道で繋がっている絹産業の一大産業集積地域でした。

 文明開化を迎えた当時の日本は、近代国家として国際社会へ踊り出るために、「富国強兵」「殖産興業」を打ち出し、特に外貨獲得の政策として、絹の輸出に重点を置きました。明治から昭和初期にかけて生糸は日本からの輸出70%〜40%を占めており、最大の輸出先はアメリカで1900年頃には中国を抜いて世界一の生糸輸出国になりました。つまり、生糸が稼いだお金で近代化のための工作機械並びに軍艦などを買ったのです。

 2014年6月に、富岡製糸場と絹産業遺産群が世界遺産へ正式に登録されました。これは、富岡製糸場、及び田島弥平旧宅、高山社、荒船風穴に点在する文化財が絹産業の国際的技術交流及び技術革新を伝える近代化遺産として認められたものです。

 高崎市にある山上碑・多胡碑・金井沢碑の3つの石碑「上野三碑」も古代の日本と東アジアの文化交流や当時の家族制度などを今に伝える貴重な歴史文化遺産であり、「世界の記憶」遺産に登録されました。

 蚕種育成・養蚕の工程で、様々な観察・測定を行い、記録を整え、生育法を確立した田島弥平は近代養蚕法「清涼育」の開発と越屋根、天窓付き総二階建てに工夫した旧宅は、近代養蚕農家建築の原点となった建物として保存されています。

 一方、養蚕技術の更なる開発とマニュアル化に努め、教育・研修を行い、生育法を広めた高山長五郎(高山社)の「清温育」は、人工的に温度と湿度を管理した「温暖育」と、自然にまかせた「清涼育」の長所を取り入れた「折衷育」と言われ、「清温育」の特徴は、気温と換気と蚕の食べる桑の与え方等々を蚕の成長段階に応じ、分析を行い、マニュアル化した事でした。

 1872年(明治5年)渋沢栄一も関与した官営・富岡製糸場が開設されました。しかし、これまでの女性は家を守ることが役割で、外で働くことなど考えられなかった時代であり、外国人技師に対する誤解もあり、製糸場の創設時は工女のなり手がいませんでした。

 この急場を打開させたのは、渋沢栄一の従弟であり、学問の師でもあった初代工場長尾高惇忠でした。彼は自分の娘の勇を工女第一号として入場させ、全国から旧士族の子女を多く集め、その数は全国32都道府県にまで及びました。しかも、労働条件も驚くほど良く、寄宿舎や診療所も構内に完備され、労働時間は一日平均7時間45分、日曜日は休み、食費や医療費は国の負担でした。

 政府も「伝習を終えた工女は出身地へ戻り、地元の製糸工場の指導者となること」を奨励し、ここで学んだ最新の技術が全国に広がっていったのです。いち早く、女性が社会進出を成し遂げた驚くべき事実です。

 日本中で生糸増産のために、器械製糸は富岡製糸場に、養蚕技術は田島弥平・高山社に学び良質の製品を産出し、獲得した外貨により、欧米の優れた機械工業製品を輸入し、日本の工業の近代化、殖産興業に大きな寄与をする事が出来たと言えます。

 19世紀の中ごろ、ヨーロッパの遥か遠く、アジアの東の果てに位置する日本は、海外との国交もない貧しくか弱い小さな国で、その存在はほとんど知られていませんでした。

 しかし、開国を果たすと、たちまちにして「日本」という国と、さらに、ある一地域の名が囁かれ始めました。その地域で生産された艶やかな光沢を放つ生糸は、他の国が生産するよりも上質な生糸で、「トミオカシルク」として、欧米諸国のお洒落な貴婦人たちを魅了し、外国商人たちの取引の的となりました。

 小さな繭から手繰られた一本の生糸。その細くて弱々しい生糸が、アジアの片隅の小さな国を、豊かで強大な欧米列強と肩を並べる大国にまで押しやったのです。

 大量の絹を運搬するために、険しい山を切り開いて開通した碓氷線、高崎線、両毛線、上野鉄道(上信電鉄)と次々に開通。特に上州と横浜を結ぶ線として重要な役割を果たすことになった高崎線は、近年、湘南新宿ラインとして利用されています。絹の道で繋がっている富岡、高崎、本庄、深谷の上州・武州の商人も横浜で活躍をしました。

 単身ニューヨークに渡って、日本初の生糸直輸出に成功させ、Made in Japan=高品質として、世界に広めた人物が水沼の新井領一郎もその一人です。長い間、アメリカの生糸市場の開拓・拡大に携わり、日米貿易の先駆者の一人となり、民間人として初めて日米間の相互理解や信頼向上、交流促進に取り組み、明治期に日米友好関係の構築に尽力しました。日本人の社会的地位向上に寄与し、日本人初のゴルフプレイ−ヤ−でもあり孫娘はハル・ライシャワ−(ライシャワ−駐日大使夫人)です。

 ものづくりの高品質な品質の維持・安定に資する体系的な『計量・計測』は、手順を定め、要求仕様又は設計図に基づき、おこなわれる事になりますが、『何時?』『どこを?』『誰が?』『何を?』『何故?』そして、『どのようにはかるのか?』『どのような計測器を選択するのか?』及び『どのように計測結果を評価し、分析・検証するのか?』等々を認識する事が重要であり、基礎的な体系だった教育・訓練が求められます。結果、使用した計測器、計測デ−タとともに、計測結果が記録され、管理されていく事になります。

 ものづくりは計量計測から始まり、その基礎教育が大切なものとなります。田島弥平、高山長五郎等々地域の『ものづくり』にかけた先人の志を受け継ぎ、群馬県計量協会は次の100年に向けて、『群馬のものづくりは計量計測から』とした標語を掲げて、『ものづくり群馬』に資する公益的な一助として、計量計測に関わる基礎教育の講座の維持向上を図っていきたいと思います。

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2021年9月12日号(3349・50)
【寄稿】新型コロナウイルスに学ぶ
計量士 阿知波正之

 新型コロナウイルスの感染は全世界に広がり、国内での感染が発見されたとき“クラスター”による感染拡大が伝えられた。クラスターといえば、たまたま本の原稿を書くためクラスター(集落)サンプリングを勉強していた。

 クラスター内を調べる(測定する)ことは同じであるが、サンプリングの場合はクラスターの結果から母集団(全体)の状態を推定することが目的となるが、コロナウイルスの拡散防止の場合は集中的に感染が起きているクラスターを早期発見し、感染防止を図ることを目的にしており、目的の違いがあるように思う。

 感染の拡大、減少の傾向は比例ではなく”指数関数“と聞く。品質工学の事例では化学反応とか植物の成長特性などの評価で指数関数が使われている。感染の拡大は指数関数によるとするとY=Y0eβTが考えられ、Tは時間で。Y0を最初の感染者数とすると、感染は係数βと時間経過Tから指数関数により増加又は減少することになる。

 最初の感染者Y0をゼロにするような処置とマスク、手洗い、人流抑制などβを小さく手段により、感染者の増加は抑制され、さらにβをマイナスにできる対策であれば、減少に転じることになる。

 報道される感染者の状況を見ると、諸施策によるβの変化が期待できるが、デルタ株のような変異ウイルスの場合、βのプラス変化による感染の急拡大が起こっているように思われる。

 田口玄一博士の語録に「豊かさは自由の総和」がある。コロナウイルスの感染拡大の予防策として、事業業の営業時間短縮、不要・不急の外出自粛、ロックダウンの実施により、事業者、消費者ともに自由が制約され、「豊かさ」が損なわれることになる。

 一方、自由の制約が少ない諸外国では感染による死者および感染者の急増が伝えられており、死者による損失、治療費の増加が予測され、いずれの場合も大きな損失となる。

 個人の計量士として業務のコロナウイルスの影響をみると、交通・輸送関係のように大きな影響のある業界もあるが、食品スーパーのように比較的繁忙な業界もあり、定常的な業務の性格から変化は少なく、感染予防をして日々の業務に取り組んでいる。

 計量・計測の広い視野でみると、非接触体温計、パルスオキシメーター、CO2測定器などの新しい需要が生まれている。また、その測定結果の信頼性確保のための校正のニーズも予測される。

 感染予防策に関わる変革として、リモートワークが広く進んでいる。生産性の向上も期待できることから、検査の実務は困難であるが、会議、セミナーなど関連業務のリモート化が進んでいる。

 ただし、小生のように硬化の進んだ頭脳には新しい知識の導入に抵抗があり、Zoomの便利な機能もなかなか身に付かない。しかし、業務のデジタル化は喫緊の課題でもあり、実用化できるように習得を重点的に進めて行きたい。

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2021年8月29日号(3347・48)
【寄稿】長寿と功労賞を記念して 漢詩2首
東京計量士会 岡 和雄

 世の常で長寿と功労賞を迎えられるのは何人いるのでしょうか。

■「喜寿を祝う」 作詞 岡 千風

目黒産声過生涯
●●●〇〇●◎
森森浴日道心委
○○●●●○◎
運行反転恵妻女
●○○●●○●
素朴文華繋盛衰
●●〇〇●●◎

【読み下し文】

目黒で産声生涯を過ごす
森森浴日道心に委ねる
運行反転妻女に恵まれ
素朴と文華盛衰を繋ぐ
【喜寿来る葡萄ほうばる良き日かな】(写真)

【コメント】

山梨石和温泉(左から1番目喜寿の従兄弟)
山梨石和温泉(左から1番目喜寿の従兄弟)

 私の従兄弟冨士夫氏は都内目黒で生まれ育ちこれからもこの津で過ごすことでしょう。今年令和3年9月喜寿を迎え、仕事は実直・途中最愛の妻女光江さんに出会い人生一転今の繁栄に繋がったのではないでしょうか。今後は益々健康に留意され、平穏な日々を過ごすことを祈念し、1首作りました。(2021−6−3)

 語句の説明【森森】杜甫の「蜀相詩」に出てくる孔明の廟は何処という問いに成都郊外柏の木のこんもりとしたあたりを引用、【浴日】日光を浴びる、【道心】物事の是非を判断して正義につく心。

 

■「東京計量士会感謝状を受ける」 作詞 岡千風

令和三年栄誉輝
〇●〇〇●●◎
入門十度味厳威
●○●●●○◎
六爻八卦重信義
●○●●○○●
文華無為保是非
〇●〇〇●●◎

【読み下し文】

令和三年栄誉の輝
入門十度厳威を味ふ
六爻八卦信義を重ねる
文華無為是非を保つ
【栄誉来て夜空に上がる花火かな】(写真)

【コメント】

2018年柏市煙火製造所にて(東京計量士会・神奈川県計量士会)
2018年柏市煙火製造所にて(東京計量士会・神奈川県計量士会)

 小生は東京計量士会に入会して早や十年その間東武百貨店・京急ストアを経て計量一筋で努力してまいりました。令和三年その実績を評価され感謝状を拝領する名誉を受けました。今後も当会に貢献できるよう微力ながら努力してまいる所存です。これを記念して一首作成いたしました。(2021−5−28)

 語句の意味【厳威】厳かで威光のあること。【六爻】卦は(剛爻)と(柔爻)の組み合わせからなる六本の棒、即ち六爻により表現される。【文華】文明の華やかさ【無為】自由奔放にふるまう。

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2021年8月29日号(3347・48)
【寄稿】希望・連帯そして未来へ繋げる計量コミュニティー
一般計量士(愛知県) 田中亀仁

 TOKYO2020オリンピック(7/23〜8/8)が、17日間の戦いを閉幕しました。

 このコロナ禍で明るい話題が少ない中で、規制や自粛生活を迫られる中、初めての無観客の中で行われたオリンピックでしたが、アスリート達が真摯に戦う姿が皆さんの心を少しでも熱くしたり、動かしたり、世界の人々に希望と勇気を与えてくれたのではないかと思っています。

 私は、このオリンピックで行われた競技の中で、日本選手が活躍した競技や感動を与えてくれた競技は、たくさんありましたが、一番印象に残っているのは、卓球混合ダブルスです。ペアを組んだ“じゅんみまペア”の水谷選手と伊藤選手の個人の卓球レベルは決してトップレベル(世界一)では、ありませんが強豪の中国相手に、一時は、このまま負けてしまうのかと思ってしまうほどまでセットカウントを取られましたが、フルセットの末に逆転勝利し金メダルを獲得しました。日本人の個人レベルはそんなに高くないですが、団体となると個人以上に高い能力を発揮することができる日本人の特徴をよく表していたのではないかと思っています。その背景には幼稚園や小学校・中学校・高校の団体生活や運動会や体育祭などの集団生活を通して培われたのではないかと思います。

 オリンピック開会式及び閉会式で、IOCバッハ会長が挨拶の中で言われた、希望・連帯という言葉が印象に残っています、「困難な時代に希望という最も重要な贈り物を世界に届けた」、「パンデミックが始まって以降、初めて全世界が一つになった」です。

 今年の一月に日本計量新報の新年特集号へ、「定年を迎えるにあたり決意したこと」と題し寄稿させていただきました。一般社団法人 愛知県計量連合会の自動はかり指定検定機関の立ち上げについてです。 あれから、現在ではタスクチームを立ち上げ、品質マニュアル作成を概ね完了しました。また、タスクチーム内で毎週1回行っているWeb会議の中で、もっと計量関係者との交流を深める必要があるとのことで、一般社団法人 計量計測技術センター様や一般社団法人 京都府計量協会様、株式会社 イシダ様など、多数の計量団体様と自動はかり情報交歓会を通じて、お互いが抱えている問題・課題を共有化し、解決策の検討を始めています。

 その中で、やはり今年1月に省令改正された全国制をどのようにして対応するかが、一番の課題であり、地域ブロックの計量団体で全国をカバーすることはとても無理ですので、この改正に伴い指定検定機関をあきらめている団体が数多くあります。今後、省令が当初の地方ブロックを認めることにならない限り、先は見えません。今のままでは、現在のコロナ禍のように長く続く先が見えないために、希望がなくなり、皆が泣き寝入りすることを待つしかない「希望がない」状態です。

 このTOKYO2020オリンピックが開催の有無について世論からの批判が多い中、関係者が一致団結して開催にこぎつけたように、待っていてもダメ、自分達から動かないと始まらないと思っています。そのためには、これまで連携をとることが出来ていなかった地方計量団体が一つになり、自動はかり指定検定機関の全国制に向けて、思いを共有化し行動することが重要だと思います。まさに、TOKYO2020オリンピックが「困難な時代に希望という最も重要な贈り物を世界に届けた」ように、自動はかり指定検定機関にも希望を届けたいと思っています。日本人が、このTOKYO2020オリンピックで示したように、個人戦(地域ブロック)では弱いけど、団体性(全国)になれば強くなれるはずです。まさに、「省令改正が行なわれた以降、初めて全国の計量団体が一つになった」と言えるように。そのためには、日本国の計量の総本山である、一般社団法人 日本計量振興協会殿がリーダーとなり旗を振り、全国制の自動はかり検定制度を立ち上げるためのリーダーシップを発揮する必要があると思います。

 自動はかり指定検定機関の制度は、課題が山積みですが、一つずつでも石を取っていかなければ、山はどんどん大きくなるばかりです。たとえ、小さな小石でも取ることに意味があります。

そのためには、全国の地方計量団体が心を一つにして、一枚岩となり自動はかり指定検定機関制度について計量コミュニティーを通じて、自分事と捉えて活動することが必要ではないかと思います。なぜならば、今後の自動はかり検定で、取り残しが発生して一番困るのは、精度保証されていない道具で正しく測れないままの商品を買ってしまう国民のお客様達です。

 最後になりますが、一般社団法人 日本計量振興協会殿が、全国制の自動はかり指定検定機関制度についてリーダーシップを発揮して取り組んでいただけるのであれば、私は微力ですが、全力で協力する覚悟です。2021年に行われたTOKYO2020オリンピックをやって良かったと思われたように、あの時に、自動はかり指定検定機関の全国制に向けて取り組んで良かったと思えるようになりたいと思います。そして、TOKYO2020オリンピックで活躍したアスリート達のように、自分のためだけでは、日の丸国旗のために頑張り、日本国民に元気と希望を与えてくれたように、“この仕事にやりがいを持って取り組むことは、お国のためになるのではないか!”と思っています。

 そして、今回の活動が、一過性の打ち上げ花火に終わらせることなく、100年先にも計量関係者が活躍することに繋げるようになれば良いと思っています。

 一般社団法人 日本計量振興協会殿の運営にかかわる方々がこの紙面を拝見され、共感していただき、そして行動されることを祈念しております。

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2021年8月29日号(3347・48)
【寄稿】安心して買い物できるよね
メジャーテックツルミ会長 横須賀健治

 計量法の改正がのびた。2年遅れるという。「自動はかり」を一部取り込むことになっている。戦後、規制を基本的な安全に絞って制定してきた。消費者保護に主体が行われていた。今回の規制は計量の安全性に主眼が置かれているように見かける。それはいいことなのだが、専門家すぎて、制度上行政の指導を超えてきている。従って民間に検定が移ることになる。それでいいのか。

 戦後の混乱の中で「正しい計量が大事だ」と丁寧に計量行政が行われてきた。その後の日本の発展の土台をしっかり支えてきた。私はそれを「当たり前の計量」と意識している。誰もが当たり前に計量し取引できる。だから「それでいいのかという議論」と「これからの取引における安全性の担保をどうしていく」とのことを今こそしっかり議論しておかなければならない。その議論の中で、若い人が育たないという声が聞こえる。

若い人がいない」のではない。「計量を次の時代にどのようにしていくのか」、「人をどのように育てていくか」の視点が求められている。

 実は、法を整備していく方の悩みもそこにあるのではないだろうか。これからの時代がどのようになっていくのか見えないのだから。だからこそ、当たり前の取引が安全にできる環境を守る・改善することが大事なのだ。使われている原料名と成分量について知ることで、より安心して購入できるのだ。

「住む町」 けんじ

緑があって
坂道があって
公園も大きいのだある
 故郷鶴見は素朴だ
 そう思っていたら
 今鶴見は30人に1人は外国人ですよだと
鶴見の国道を一寸歩いた
何年振りなのだろう
パチンコ・スロットの店がある
 ふるさと鶴見は
 どこへに行く
 どこに行こうとしているのか
町を知らねば
文化を反映させねば
ふるさとは変わっていく

「新しい種目」 けんじ

オリンピックに新しい種目が出ている
それらが新しい種目であるせいか
若い人が参加している
 サーフボードなど
 サーフの下にローラーがついている
 試合場は凹凸のある谷間
その試合場を自由に演技し
自由に飛んだり跳ねたり
落ちてもケガをしない自由さ
 時代がかわったという想い
 発想の自由さ
 若さとう体の柔軟さ
時代が何かを呼んでいる
発想の仕方が新しい可能性
日本の進出が凄いなぁ

 無観客を決意し、反対意見も多いなかでオリンピックは終わった。テレビ放送のおかげもあり、試合は適宜見ることができた。成績も前回より上がった。入場料が取れないなか、全部が国の負担になる。日時も一年ずらしての開催だった。日本だからできたと思われる。成果も順調であり、若手選手や新競技に見るものがあった。きっちりやった、やれた。日本だからこそできたこと。今後にこのことは生きるぞ。

 計量に求められているのは、まさにこの可能性、信頼性である。若い人たちの可能性をしっかり掴みだしてあげよう。時代は急速に変わっていく。若い力に道をあけよう。よく言われる。人がいないと。そうではないのだ。道を空けてあげようよ……。

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弥生時代の10進法の分銅発見
国内初、須玖遺跡で

10倍権(春日市提供)
10倍権(春日市提供) 30倍権(春日市提供)


須玖遺跡群 権出土地点(上)と、須玖岡本遺跡岡本地区5次調査全景(南から)(春日市提供)

 弥生時代の10進法に基づく分銅が発見された。弥生時代の10進法に基づく分銅(10倍権)の発見は国内初。30倍権も見つかった。弥生時代中期(紀元前2世紀〜同1世紀)の「権」だという。福岡県春日市が2021年9月1日発表した。

 10倍権(円筒権)は、大きさは最大長5.0p、最大幅4.15p、最大厚3.02p、質量116.318g(復元値、約119.3g)で石製(トレモラ閃石岩)。

 30倍権(石斧転用権)は、大きさは最大長7.3cm、最大幅5.25cm、最大厚4.4cm、質量354.2gで石製。材質は調査中。

 朝鮮半島の茶戸里遺跡と同じ基準質量が11.365gの体系に属すると見なされており、10倍権はこの基準質量の約10倍になっている。

 「権」(けん)とは、天秤や棹秤で質量をはかるときに使うおもりのこと。

 新たに確認した10倍と30倍の権は、1989年に調査した須玖岡本遺跡岡本地区5次調査の包含層から出土したもの。

 発掘時はどちらも権とは考えられず、10倍権は用途不明の円筒形石製品、30倍権は石斧の欠損品と考えられていたが、資料を整理する中で権と判断した。

 今回の発見により須玖遺跡群で見つかった権は10例となった。10倍となる権が見つかった事で、3・6・10・20・30倍の権が揃い、春日市は、須玖遺跡群の人々が弥生時代から十進法を使用した可能性がさらに高まったとしている。

 元古代オリエント博物館の堀晄氏が、インダスの分銅の研究のなかで、古代では何系列かの分銅システムが現実に存在していると指摘していたように、古代人は多様な進法を併用していた。多様な対象物を計るための利便性を考えれば、人体が起源と言われる10倍系列の権も、日本でもその存在の可能性が指摘されていた。今回、10進法による権の弥生時代の「実物」が日本で初めて発見された意義は大きい。

 すべて青銅器生産遺跡から見つかり、一部が青銅器鋳型の再加工品であることから、須玖遺跡群では青銅器生産技術に伴って秤を導入し、青銅器の材料を調合する際に使われたと考えられるという。

 須玖岡本遺跡は、中国の歴史書『魏志倭人伝』に登場する「奴国(なこく)」の王墓とされ、同遺跡を含む須玖遺跡群は青銅器やガラス、鉄器などの生産工房跡も多数確認されている。

 春日市の「奴国の丘歴史資料館」は、2021年9月1日(水)〜9月26日(日)まで、「発見!!弥生時代の権」オンライン展示室」を開設している。

 新発見の資料2点を含めた須玖遺跡群の権を中心に、弥生時代から古代の資料および民具資料など計58点を公開している。

 内容は中学生でもわかるように、権とはどのようなものか、いつ何のために日本で使われるようになったのか、権の研究のはじまりなど、弥生時代の権の最新研究をまとめている。

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JCSSで特定標準器による校正等を実施
ベリリウム標準液等の値付けを開始
計量行政審議会答申に基づき

(2021年9月12日号)

 経済産業省は、2021年8月10日、計量法トレーサビリティ制度(JCSS)に基づき、ベリリウム標準液、けい素標準液、ジルコニウム標準液の供給(値付け)を開始し、経済産業省のwebサイトに公示した。

 2021年5月19日〜25日に開催された、計量行政審議会計量標準部会(書面審議)において、特定標準器による校正等の実施について諮問し、答申を得たことによる。

 2019年12月20日以降、計量法第135条(特定標準器による校正等)に関する公示は、官報ではなくホームページに掲載することが可能になっている。

 ベリリウム、けい素、ジルコニウムは、いずれも産業材料として広く利用されており、各分野において測定されるベリリウム、けい素、ジルコニウムの濃度を適切に評価するためには国際単位系にトレーサブルなベリリウム標準液、けい素標準液、ジルコニウム標準液が必要不可欠である。

 産業技術総合研究所より国際単位系にトレーサブルなこれら3つの標準液が認証標準物質として開発され、かつ標準物質の値付けの実施が化学物質評価研究機構(CERI)で技術的に可能となったことが2020年11月に最終確認されていた。

 これら3つの標準液に関して、計量行政審議会から答申を得たことから、特定標準物質を用いて行う標準物質の値付け(特定標準器による校正等)を開始することになった。

■指定校正機関の指定

(特定標準器による校正等の業務の範囲、指定校正機関の名称及び住所、特定標準器による校正等を行う事業所の名称及び所在地の順)

▽ベリリウム標準液であって、濃度が1グラム毎リットルのもの=一般財団法人化学物質評価研究機構(東京都文京区後楽一丁目四番二十五号)、東京事業所(埼玉県北葛飾郡杉戸町下高野千六百番地)
▽けい素標準液であって、濃度が1グラム毎リットルのもの=同前、同前
▽ジルコニウム標準液であって、濃度が1グラム毎リットルのもの=同前、同前

■特定標準器による校正等を行う者等

【特定標準器による校正等を行う者】一般財団法人化学物質評価研究機構

【特定標準器による校正等を行う計量器又は標準物質、特定標準器による校正等に用いる特定標準器等又は特定標準物質】
▽ベリリウム標準液であって、濃度が1グラム毎リットルのもの=ベリリウム標準液であって、一般財団法人化学物質評価研究機構が保管する標準液製造用精密天びん、超純水製造装置及び分析計測装置(以下「標準液製造装置」という)を用いて製造されたもの
▽けい素標準液であって、濃度が1グラム毎リットルのもの=けい素標準液であって、一般財団法人化学物質評価研究機構が保管する標準液製造装置を用いて製造されたもの
▽ジルコニウム標準液であって、濃度が1グラム毎リットルのもの=ジルコニウム標準液であって、一般財団法人化学物質評価研究機構が保管する標準液製造装置を用いて製造されたもの

■校正等の周期

12月

 一例として、ベリリウム標準液におけるトレーサビリティ体系図を図に示す。

ベリリウム標準液におけるトレーサビリティ体系図

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A&Dグループのホロン
新本社工場が完成
生産体制拡大と開発・製造環境を充実

ホロン新本社工場
ホロン新本社工場

(2021年9月12日号)

 エー・アンド・デイグループの半導体検査・測定装置メーカーであるホロンの新本社工場が完成した。生産体制の拡大と開発・製造環境の充実が目的。

■製造能力が2倍超に

 ホロンの新本社工場建設は、生産体制の拡大と開発・製造環境の充実をはかることを第一の目的としている。

 特にクリーンルームを従来の3倍のスペースに拡充し、従来の製造能力は年間10基ほどだったが、年間20基超に引き上げ、次世代機の開発スペースや装置のプレゼンテーションエリアも併設した。

 社員が働く環境を改善し、優秀な人材を獲得するために、駅(西武拝島線武蔵砂川駅)の近隣に建設した。

■寸法測定装置を製造・販売

 ホロンは独自の電子ビーム技術を活かして、半導体デバイスの製造に必要な回路図の微細な回路パターンの寸法測定装置を製造・販売している。エー・アンド・デイとシナジー効果を発揮し次世代機を開発している。

【主力製品】

@フォトマスク用CD―SEM「ZX」

▽ホロンがフォトマスク市場で長年培ってきた独自の高分解能技術、チャージ対策技術をさらに進化させて、sub−10nm最先端デバイス用マスク向けに開発した装置
▽ナノパターンの高速・高精度計測が可能
▽収差補正技術をさらに改良し、高SNRイメージを取得
▽低真空技術によるチャージフリーSEM画像を取得、高精度計測が可能▽多彩なアプリケーション(多点計測・輪郭抽出・2D測定・欠陥レビュー・3D表示)

A欠陥レビューSEM「LEXa―10」

▽フォトマスク用CD−SEMで定評のある低真空技術の採用により、チャージ抑制を行いながらナノの世界を観察・分析する欠陥レビュー装置
▽低真空技術によるフォトマスク(絶縁物)の全面観察および元素分析
▽低加速電圧による高分解能、低ダメージ分析
▽光学式欠陥検査装置とのリンク機能
▽自動欠陥レビューナビゲーション(ADR)機能

■会社概要

【株式会社エー・アンド・デイ】
▽本店所在地:〒170−0013東京都豊島区東池袋3―23―14
▽代表者:代表取締役執行役員社長森島泰信
▽設立:1977年5月
▽資本金:63億8800万円
▽市場情報:東証1部7745
▽事業内容:電子計測器、産業用重量計、電子天びん、医療用電子機器、試験機、工業計測機器、その他電子応用機器の研究開発・製造・販売

【株式会社ホロン】
▽新本社工場:〒190−0032東京都立川市上砂町5―40―1
▽代表者:代表取締役社長張皓
▽設立:1985年5月
▽市場情報:JASDAQスタンダード7748
▽資本金:17億6400万円(2021年3月末現在)
▽事業内容:半導体回路の寸法測定および検査装置の開発、製造、販売、保守サービス

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超重元素の精密質量測定に成功
新元素の新しい原子番号決定法の証明に

図 超重元素領域の原子核の地図(核図表) 
図 超重元素領域の原子核の地図(核図表)

 高エネルギー加速器研究機構(KEK)・素粒子原子核研究所・和光原子核科学センター(WNSC)、理化学研究所(理研)仁科加速器科学研究センター、九州大学を中心とする国際共同研究グループは、原子番号105番の超重元素ドブニウム同位体257Dbの質量を精密に測定することに成功した。

 これは、超重元素の存在理由を解明する第一歩となる研究。

 理研の重イオン加速器施設「RIビームファクトリー(RIBF)」の気体充填型反跳核分離器(GARIS−II)と多重反射型飛行時間測定式質量分光器(MRTOF)を用いて、測定した。

 原子番号(=陽子数)が大きい超重元素は、正の電荷を持つ陽子間の反発力が大きく、どこまで原子番号の大きい元素が存在できるか分かっていないため、新元素の探索が続けられていた。

 超重元素がなぜ存在できるかを解明するには、原子核の結合エネルギーの系統的研究が鍵となり、そのためには超重元素同位体の質量をくまなく精密測定することが必要になる。

 理化学研究所の加速器施設で核融合反応で生成されたドブニウム同位体(257Db)は、研究グループが開発したMRTOF質量分光器とα―TOF検出器を用いることで、一日に2個程度しか観測できない稀な事象にも関わらず、質量を1/100万の相対精度で決定できた。

 これは、超重元素同位体を直接質量測定した世界で初めての実験となる。今回の測定結果から、超重元素領域の原子核の原子番号を決定するには最低2事象を観測できれば良いことも実証した。

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2021年度東北・北海道計量大会と第69次東北六県・北海道計量協会連合会総会は中止(2021年9月12日号)

 2021年度東北・北海道計量大会と第69次東北六県・北海道計量協会連合会総会は中止となった。

 福島県が当番県として開催予定だったが、コロナウイルスまん延防止等重点地域となり(期限は9月12日)越県中止も出されておリ、今後の改善の見通しがない状況から、今年度はは開催を見合わせることにした。

 次年度の開催につきましては、理事会で協議し、連絡するとしている。

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日本科学機器協会・東京科学機器協会
事務所を移転
2021年9月27日(月)から新事務所で

 日本科学機器協会と東京科学機器協会が事務所を移転する。

 2021年9月22日(水)までは現住所で業務し、2021年9月27日(月)から、新住所で業務を開始する。9月24日(金)は引っ越し作業のため電話が不通となる。

【移転先】〒103―0001、東京都中央区日本橋小伝馬町14―9、小伝馬ファインビル6階
【業務開始日】2021年9月27日(月)
【電話番号/FAX番号】変更なし。

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