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日本計量新報 2008年1月13日 (2706号)

「計れれば造れる」「計ることは知ること」をビジネスで実現しよう

 国内の計量計測機器産業の生産高は微増であるとはいえほぼ横ばいで推移しており、この先大きな伸びは期待できない。計量器産業の生産力は、コンピュータ技術を利用することによって生産高の増加をはるかに上回る上昇を示している。市場が一定で生産力が急上昇する条件下で何がおこるかというと、企業の淘汰、企業相互の業績不振と企業規模の縮小のどちらかである。
 この条件から逃れて事業を拡大する方法は、計量計測機器産業ではない分野の事業を押し広げること、国内市場だけに頼らず海外市場で販路を拡大することである。国内の計量計測機器市場はすべての分野が同時に伸びたり縮んだりしているのではなく、消え去る事業分野と新規に勃興する事業分野が相反して市場の規模がほぼ一定であるのだから、新規に起こる分野で事業展開することも企業が発展する方法である。
 計量計測機器産業が市場を拡大するためには、新しい計測機器によって新しい計測分野を創り出す必要があり、こうしたことから料金計算はかり、デジタルはかり、体脂肪計、組み合わせはかり、三次元測定器、デジタル血圧計、デジタル体温計などが出現した。隠れた存在であるが、デジタル温度計などもこれに含まれる。
 また、造るだけでなく売ることにも精をだす。造るよりも売る方を得意分野にするということで事業を拡大している企業がある。そして保守管理とコンサルティングやメンテナンス事業を拡大することで企業に内容を元気に活躍しているところもある。最近では、標準供給の技術によって生きていくことを確実にした企業もある。もちろん標準器の供給で生きてきた企業もある。「計量標準のトレーサビリティー」をキーワードにして生きる方策を考えることも盛んに行われている。
 計量機器産業は過去の歴史だけをみるとこの先に単純に大きな希望を見いだすことができないが、「計ることは知ること」「計ることは造ることにつながる」(計れれば造れる)という原理で知恵を大いに発揮すれば、前に進むことができる。


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