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日本計量新報 2017年6月4日 (3151号)

経済を計るモノサシと仕合わせを計るモノサシ

人は大きさでものを比較したがる。これは変だ、おかしいことなのだと思うことは変ではない。国の経済規模は国内総生産というモノサシで計ることが多い。

名目GDPというモノサシを使うと1位アメリカ18兆5691億ドル、2位中国11兆2182億8000万ドル、3位日本4兆9386億4000万ドル、4位ドイツ3兆4666億4000万ドル、5位イギリス2兆6291億9000万ドル、6位フランス2兆4632億2000万ドルの順になる。購買力平価では1位中国21兆2917億7000万ドル、2位アメリカ18兆5691億ドル、3位インド8兆6623億5000万ドル、4位日本5兆2377億9000万ドル、5位ドイツ3兆9802億8000万ドル、6位ロシア3兆7997億ドルとなる。

  一人当たりの名目GDPでは1位ルクセンブルク10万3199ドル、2位スイス7万9242ドル、3位ノルウェー7万392ドル、4位マカオ6万7079ドル、5位アイルランド6万2562ドル、6位カタール6万786ドル。19位ドイツ4万1902ドル、20位ベルギー4万1283ドル、21位イギリス4万96ドル、22位日本3万8917ドル、74位中国8113ドル、145位インド1723ドルの順。

人口は1位中国13億8271万人、2位インド13億935万人、3位アメリカ3億2330万人、4位インドネシア2億5871万人、5位2億610万人、6位パキスタン1億9356万人、7位ナイジェリア1億8364万人、8位バングラデシュ1億6151万人、9位ロシア1億4344万人、10位日本1億2690万人。

経済の国際活動ということでは市場の規模を第一に考えることが多い。つづいて賃金が低くて能力が高く輸送面で好都合な工場適地。工場は韓国、中国の順で賃金が高騰したため、タイやベトナムなどに移っている。その始まりは台湾であった。アジア途上国に工場が移る。インドは市場ほかの面で魅力があるようにみえるが、宗教などにともなう慣習の面で一筋縄ではない。  

日本の人口は現在世界10位で1億2700万人ほどだが、このさき急激に減少して第2次世界大戦終了時の7000万人に向かっている。東京など都市部からの遠隔地の市町村の人口減少は行政単位の活動を破壊するように作用する。人口減少によってこのことが一番先におこるのであるが、現在の市町村の行政は自分のところだけは人口を減らさない、そのためならないお金も使うという無茶苦茶なことになっている。

人の仕合わせは生き甲斐を持って働く場があること、それは同時に何とか生計の立つ収入を得ることができること、健康であること、病気になったときには適切な医療を受けられることなどである。このことを実現させることと日本の人口が減っていくこととがどのようにかかわるのか。小さな人口で大きな個人所得を実現している北欧の国々が参照される。日本の森林率はスウェーデンと同じ70%ほどであり世界での順位は17位である。日本人がどのようにして生きていくのか賢い選択が求められる。一言付け加えると計量計測機器産業は日本の歴史と風土に溶け込んでいる。

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