はかり
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最新版 電子はかり特集 2010

特集記事  

はかり
09年度生産額579億円
対前年度比85.3%、工業用はかりは83.1%

(社)日本計量機器工業連合会がまとめた2009年度のはかりの生産出荷状況は、生産金額579億2600万円(対前年度比85.3%)、生産数量323万2000台(同108.2%)となった。工業用はかりは対前年度比83.1%の305億8800万円。全体的に厳しい結果となっている。

はかり全機種の総生産金額は、579億2600万円(対前年度比85.3%)。過去15年ほどの推移を見ると(グラフ参照)、96年度に900億円台を突破した後、97年度851億円、98年度768億円、99年度739億円と3年連続して減少。2000年度は780億円と増加したが、01年度、02年度と続けて対前年比減となった。その後は、ほぼ横ばいを続け、07年度は生産金額が735億24百万円(対前年比103.4%)だった。08年度は、678億9300万円(同92.3%)と減に転じ、09年度も同じ状況になった。10年度は現在までのところ対前年度比136.9%であり、回復の傾向にある。

工業用はかり、連続して減少

生産金額で52.8%(09年度)を占める工業用はかりは、1998年度が388億円、99年度は343億円で、2年続けて約10%ほど減少。2001年以降は緩やかに回復していたが、08年度は生産額368億500万円(対前年度比90.7%)、09年度305億8800万円(同83.1%)と連続して減少している。

景気は回復基調だが懸念材料も

工業用はかりは、はかり全体の生産金額の動向に与える影響が大きい。工業用はかりは生産設備として機能しており、このはかりを導入することにより省力化・合理化が推進され、また品質向上にも寄与している。一方で、景気動向の影響も強く受ける。

景気は、全体的には回復してきている。6月の日銀短観は、大企業製造業の業況判断指数(DI)がプラス1と、リーマン・ショック前の2008年6月時点での調査以来2年ぶりでプラスに転じたことを示した。月例経済報告でも、景気の基調判断を上方修正している。

しかし、懸念材料もある。中国の工業情報省は7月20日、鉱工業生産が10年下期に鈍化するとの見方を示した。内閣府が7月8日に発表した5月の機械受注統計(季節調整値)は、民間設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需」の受注額が前月比9.1%減の6929億円と、3カ月ぶりに減少した。米景気の減速懸念や欧州の金融不安を背景に、先行きに不透明感が強く、個人消費に次ぐ内需の柱である設備投資の回復基調は鈍い。

機種別の傾向

天びんは24.7%減

機種別では、天びんは生産金額が61億300万円で対前年度比は75.3%である。生産数量も約9万8000台(同78.3%)と減少している。生産金額に占める電子式の割合は98.7%。生産数量では90.4%で、電子式が圧倒的多数を占めている。天びんの生産金額が全体に占める割合は10.5%である。

台はかりは17.1%減

台はかりは、生産金額が50億7700万円で対前年度比82.9%。生産数量は12万8000台(同104.4%)と微増である。台はかりも電子化が進んでおり、電子式のはかりが生産金額で台はかりの97.0%、生産数量では97.2%と、比率が高くなっている。台はかりの生産金額が全体に占める割合は8.8%である。

商業用はかりは10.2%減

商業用はかりは、生産金額が79億9000万円で対前年度比89.8%。生産数量は25万4000台で同95.1%。電子式の比率は、生産金額では91.8%だが、生産数量ではまだ36.7%に留まる。商業用はかりの生産金額が全体に占める割合は13.8%。

家庭用はかりは4.9%増

家庭用はかりは生産金額が75億3500万円で対前年度比104・9%。生産数量は249万8000台(同111.5%)である。昨年度に続いて増加した。家庭用はかりの電子化率は、生産金額で95.9%、生産数量で76.7%。家庭用はかりの生産額が全体に占める割合は13.0%だが、生産数量では77.3%を占める。家庭用はかりには、電子式ヘルスメーター、電子式の家庭用上皿自動はかりなどがある。

その他のはかりは、6億3200万円(対前年度比80.8%)、生産数量22万3000台(同121.1%)。

工業用はかりは16.9%減

工業用はかりは、生産金額は305億8800万円で対前年度比83.1%、生産数量は3万台で対前年度比63.8%、と減少している。

工業用はかりの生産金額の36.6%を占めるのが組合せはかりで、112億400万円(対前年度比95.2%)。生産数量が約2000台(同108.2%)である。

その他の主な工業用はかりは、チェッカー56億3600万円(同83.6%)、トラックスケール31億7800万円(同66.3%)、ホッパースケール35億3300万円(同101.1%)、袋・缶・びん詰め用15億1800万円(同66.6%)、コンスタントフィードウェア12億2700万円(同55.5%)など。

クレーンスケール、大型台はかり、コンベヤスケール、フレキシブルコンテナスケールは、併せて20億4600万円になる。対前年比はすべて減少している。

その他の工業用はかりは、22億4700万円(同93.0%)。

ザルトリウス
モジュラータイプ電子天びん
「Cubisシリーズ」

ザルトリウス・メカトロニクス・ジャパン(株)(東京都品川区北品川1−8−11、電話03−3740−5408、ピーター・グリムリー社長)は、ひょう量部、表示部、風防、オプションそれぞれをユーザーが納得いくまで組み合わせることができる完全モジュラーデザインを採用した電子天びん「Cubis(キュービス)シリーズ」を発売している。

キュービスシリーズは、ユーザーの異なるニーズに、すべて対応すべく開発されたモジュラータイプの電子天びん。

表示コントロール部は3種類、ひょう量モジュールは24種類、そのほか水準器、JCSS証明書、風防、インターフェースと、すべてに複数の選択肢を用意し、ユーザーが望む最適な組み合わせを実現できる。

ザルトリウス・メカトロニクス・ジャパンでは、キュービス分析シリーズ(ひょう量120g〜320g/読取限度0.01mg〜0.1mg)、キュービス1mg読取シリーズ(ひょう量320g〜3200g/ 読取限度1mg)、キュービス上皿シリーズ (ひょう量1200g〜12200g/読取限度0.01g〜0.1g)とひょう量域ごとに3シリーズに分けている。

機能面では、心臓部であるひょう量センサには、同社独自のモノリスィックをさらにコンパクトに高性能にした新型モノリスィック計量セルを採用。これにより、従来比で25%の設置面積を削減できるトップロード式天びん(皿下にひょう量メカが存在する天びん)を実現させている。 そのほか、自動レべリング機能のQ−Level (Qレベル)は、最新のセンサに最先端の表示技術を組み合わせ、迅速、容易かつ正確に天びんのレべリング(水平)を行う。サンプルが計量皿の中央からずれても補正し、計量できるQ−Pan(Qパン)機能。複数の出力が可能なQ−Com(Qコム)。Q−guide(Qガイド)機能は、日本語タッチセンサーを使用し、目的の項目まですばやくたどりつける。

表示コントロール部は、3種類用意されている。「MSE」は表示がシンプルで操作が分かり易い。「MSU」は、解像度が高く大きなモノクログラフィックディスプレイを採用。クラシカルでユーザービリティなモデル。「MSA」は、3種類のなかでハイエンドなモデル。タッチスクリーンには高解像度のカラーTFT液晶を採用している。

田中衡機
ハンドパレットスケール
「DPS ll」

(株)田中衡機工業所(新潟県三条市福島新田丙2318−1、電話0256−45−1251、田中康之社長)は、ハンドパレットスケールDPSUを発売している。

ハンドパレットが計量器になったことが最大の特徴。運搬と計量を同時にこなし、省力化だけでなく、省スペースにも一役買っている。

読みやすい大きな文字で重量を表示。環境に優しい充電池仕様で連続使用時間は最大60時間。標準で内蔵プリンタも付いている。

【主な仕様】▽型番=DPSll−2000P▽ひょう量=2000kg▽目量=1kg(±0.5%フルスケール)▽使用環境=0℃〜40℃(湿度80%以下)▽表示=液晶表示52mmバックライト付き▽フォークの長さ=1150mm▽フォークの幅555mm▽プリンタ=感熱ラインドット方式(ロール紙)▽電源=ACアダプタ(標準)、充電池▽充電池=18時間でフル充電60時間連続使用(プリンタ未使用に限る)▽材質=鉄▽検定=取引証明以外用

A&D
高精度コンパクトスケール
「HTシリーズ」

(株)エー・アンド・デイ(東京都豊島区東池袋3−23−14、電話03−5391−6123、古川陽社長)は、コンパクトスケール、HTシリーズを発売している。高精度/幅広いレンジといった機能に、3色カラーバーや専用収納ケースなど、便利さ・使い易さが加わっている。

主な特長は以下の通り。

▽3色カラーバー付属=レッド・オレンジ・グリーンの3色のカラーバーを付け替えることで、はかりの使い分けが可能。食品調理現場など衛生レベルによって使い分けるような場所や、学校でのクラス・グループ分けなどに便利。

▽文字高13.5mmの大型LCD表示。

▽全機種収納ケース付きで積み重ねて保管が可能。

▽風袋引き機能

別売品として、ステンレス皿とACアダプタがある。5月からは、ステンレス皿とACアダプタをセットしたバリューパックも発売予定。

【ひょう量/最小表示】

▽HT−300=310g/0.1g▽HT−500=510g/0.1g▽HT−3000=3100g/1g▽HT−5000=5100g/1g

【計量皿寸法】▽計量皿=132(W)×130(D)mm▽ステンレス皿=135(W)×132(D)mm

【本体寸法/質量】195(W)×136(D)×44(H)mm/約550g(電池含む)

【税込価格】▽HT−300=1万2600円▽HT−500=1万4700円▽HT−3000=1万2600円▽HT−5000=1万4700円

島津製作所
校正分銅内蔵形天びん
「AmidiaTW−Nシリーズ」

(株)島津製作所(京都市中京区西ノ京桑原町1、電話075−823−1110、中本晃社長)は、校正分銅を内蔵した機種「電子上皿天びん“Amidia”(アミディア)TW−Nシリーズ」3機種および「宝石用TWC−Nシリーズ」1機種を発売している。

TW−Nシリーズは、従来の高機能・普及タイプTXシリーズの性能や機能、外観をほぼすべて継承しながら、天びん内部に校正用分銅を組み込み、指一本のキー操作のみでの校正を可能にした。

一塊のアルミニウム合金から製作した同社独自開発の質量センサー「ユニブロック(UniBloc)」を搭載。高級機並みの性能を備えながら、低価格で操作性・使い勝手の良さを備えている。

また、宝石市場向けカラット天びんとして、校正分銅内蔵モデルのTWC−Nシリーズもラインアップ。このクラスでは最高の分析天びん並みの最小表示0.001カラット(0.0002g)を実現した。

新シリーズの投入に合わせて従来のTXシリーズは、シリーズ名を「TX−Nシリーズ」と改め、価格を平均約40%低減するとともに、ひょう量420g、4200gの機種、宝石市場向けのカラット天びんTXC−Nシリーズを追加投入。より幅広いニーズヘの対応を図っている。

その他の特長(TW−Nシリーズ、TWC−Nシリーズ、TX−NシリーズTXC−Nシリーズ共通)は以下の通り。

(1)メニュー操作専用のキーを測定用キーから独立させ、十字キーにより直感的にメニュー操作が行なえる。

(2)測定作業途中で測定を中断することなく、表示の安定や反応スピードをアップさせることができる。

(3)Windows直結機能を備えており、測定データをソフトウェアなしで直接取り込むことができる。

【仕様】▽TW−Nシリーズ(校正分銅内蔵)/ひょう量=220g、320g、420g(計3種)、最小表示=0.001g、価格9万1350円〜13万200円(税込)▽TWC−Nシリーズ(校正分銅内蔵)/ひょう量=620カラット(124g)、最小表示:0.001カラット(=0・0002g)、価格12万750円(税込)

守隨本店
丸ごと洗えて清潔
オールステンレス製デジタル台秤

(株)守隨本店(名古屋市中川区福川町3−1、電話052−361−1511、早川静英社長)は、新製品として、防水・防塵に優れたオールステンレス製デジタル台秤を発売している。

最大の特長は、天板を開けて内部を隅々まで洗浄できること。これまでは、台秤部分が重く、なかなか下部を洗浄することができず、食品製造の現場では、害虫(ゴキブリやネズミ)の巣になるなど、深刻な被害例もあった。

今回の台秤は、油圧機構により、ハンドルを持って簡単に天板を開けることができるため、害虫やカビ・細菌類の増殖を抑え、清潔な環境を保つことができる。

センサやコード類の内部電子機類は徹底保護しているので安全。また、表示部もオールステンレスで、高い防塵・防水機能を持っている。

主な仕様】▽サイズ=1000(W)×1000(D)mm▽ひょう量=1000kg▽目量=0.5kg(サイズ、ひょう量、目量は応相談)

新光電子
不確かさの算出が簡単に
電子はかり計量管理ソフトHKS

新光電子(株)(東京都文京区湯島3−9−11、電話03−3835−4577、安西正光社長)は、電子はかりや電子天びんの不確かさの算出が誰でも簡単にできる計量管理ソフト「HKS」を販売している。

電子はかり計量管理ソフト「HKS」は、データの入力から校正手順まで、HKSの画面に従って作業することで、特別な訓練を受けた専門家でなくても、簡単・正確に電子天びん・はかりの校正を行える。 データ自動取込み機能に対応した電子天びん・はかりなら、パソコンとケーブルでつなぐことで入力ミスのない校正が可能。

機能ごとに色分けされたメイン画面。大きなメインボタン。大きめのフォントを使用して見やすさ・わかりやすさを第一にデザインしている。複雑な手順に沿って作業する校正モードでは、進行具合がフェーズアイコンで一目瞭然。ガイドメッセージが次に必要な操作を知らせてくれる。

校正者が入力した指示値および自動入力された値は、HKSが自動で計算。登録事業者が行っていた複雑な計算を処理して、表示・保存する。 (独)製品評価技術基盤機構(NITE)の「不確かさ見積もりに関するガイド」に沿った校正が、誰にでも正確に行える。

起動時のパスワードによって管理ユーザーと制限ユーザーを設定した2つのユーザーモードを装備。校正する電子天びん・はかりや分銅の登録など、データの改ざんや誤操作によるデータの消失を防ぎ、管理者以外でも校正作業ができる。また、制限の設定は項目別に自由に変更が可能。

また、入力した電子天びん・はかりや分銅のデータをデータベース化している。保存したデータはいつでも参照・校正に使用でき、帳票に印刷して管理することも可能。目量が0・01<CODE NUMTYPE=SG NUM=8475>の高精度分析天びんから、ひょう量40tにもおよぶ大型台はかりまで、様々な種類・仕様の電子天びん・はかりに対応している。また、新光電子の製品だけでなく、他社製のあらゆる種類の電子天びん・はかりの校正にも対応している。

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