はかり全機種の総生産金額は、631億8600万円(対前年度比109・1%)。過去15年ほどの推移を見ると(グラフ参照)、96年度に900億円台を突破した後、97年度851億円、98年度768億円、99年度739億円と3年連続して減少。2000年度は780億円と増加したが、01年度、02年度と続けて対前年比減。その後は、ほぼ横ばいを続け、07年度は生産金額が735億2400万円(対前年比103・4%)だった。08年度は、678億9300万円(同92・3%)と減に転じ、09年度も同85・3%。10年度は同109・1%で持ち直し傾向にある。11年度は4、5月は同99・7%で横ばい。
工業用はかり、連続減から脱却
生産金額で51・5%(10年度)を占める工業用はかりは、1999年度が343億円で、2年続けて約10%ほど減少。2001年以降は緩やかに回復していたが、08年度、09年度と連続して減少した。10年度は325億4300万円(同106・4%)と持ち直している。
東日本の影響あるも、持ち直し
工業用はかりは、はかり全体の生産金額の動向に与える影響が大きい。工業用はかりは生産設備として機能しており、このはかりを導入することにより省力化・合理化が推進され、また品質向上にも寄与している。一方で、景気動向の影響も強く受ける。
8月月例報告は、景気判断を2カ月ぶりに上方修正した。景気の基調判断は「東日本大震災の影響により依然として厳しい状況にあるものの、持ち直している」とした。
6月の機械受注統計(季節調整値)によると、民間設備投資の先行指標となる「船舶・電力を除く民需」の受注額は前月比7・7%増の7897億円で、2カ月連続で増加。
しかし、懸念材料もある。財務省が発表した2011年4─6月期の法人企業統計(金融業・保険業を除く)によると、東日本大震災の影響で売上・経常利益が前年同期比2桁の減少となり、設備投資も4期ぶりに落ち込んだ。
設備投資額(ソフトウエアを含む)は全産業で前年比7・8%減で、4期ぶりの減少。
機種別の傾向
天びんは50.9%増
機種別では、天びんは生産金額が92億900万円で対前年度比は150・9%である。生産数量も約12万8000台(同129.7%)と増加している。生産金額に占める電子式の割合は99.3%。生産数量では93.9%で、電子式が圧倒的多数を占めている。天びんの生産金額が全体に占める割合は14・6%である。
台はかりは17・8%増
台はかりは、生産金額が59億8300万円で対前年度比117.8%。生産数量は約13万2000台(同102.5%)と微増である。台はかりも電子化が進んでおり、電子式のはかりが生産金額で台はかりの97.0%、生産数量では96.6%と、ほとんどが電子式はかりになってきた。台はかりの生産金額が全体に占める割合は9.5%である。
商業用はかりは80億5300万円
商業用はかりは、生産金額が80億5300万円で対前年度比100.8%。生産数量は25万8000台で同101.7%。電子式の比率は、生産金額では91.7%だが、生産数量ではまだ39.5%に留まる。商業用はかりの生産金額が全体に占める割合は12.7%。
家庭用はかりは10.0%減
家庭用はかりは生産金額が67億8200万円で対前年度比90・0%。生産数量は約242万4000台(同97.1%)である。金額、数量ともに減少した。家庭用はかりの電子化率は、生産金額で97.7%、生産数量で78.6%である。家庭用はかりの生産額が全体に占める割合は10.7%だが、生産数量では76.4%を占める。
その他のはかりは、6億1500万円(対前年度比97.3%)、生産数量約19万台(同85.0%)。
工業用はかりは6.4%増
工業用はかりは、生産金額は325億4300万円で対前年度比106・4%、生産数量は約4万3000台で対前年度比141・9%、と生産金額、数量とも増加している。
工業用はかりの生産金額の35・3%を占めるのが組合せはかりで、114億9400万円(対前年度比102・6%)。生産数量が約2000台(同89・8%)である。
その他の主な工業用はかりは、チェッカー66億3400万円(同117・7%)、トラックスケール30億3300万円(同95・4%)、ホッパースケール28億6000万円(同80・9%)、袋・缶・びん詰め用24億4300万円(同160・9%)、コンスタントフィードウェア15億5200万円(同126・5%)など。
コンベヤスケール、大型台はかり、フレキシブルコンテナスケール、クレーンスケールは、併せて17億500万円になる。対前年比はすべて減少している。
その他の工業用はかりは、28億2200万円(同125・6%)。
10年は輸出入とも増
輸出は26・6%増
貿易統計で2010年(暦年)のはかり輸出入実績を見てみると、輸出は187億4600万円(対前年比126.6%)と増加した。
輸出で対前年比増になっているのは、コンベヤスケール19億5100万円(対前年比152.2%)、ホッパースケール等の定量はかり85億5600万円(同126.1%)、重量測定機器(30kg以下)9億8300万円(同127・8%)、重量測定機器(30kgを超え5000kg以下)5億4100万円(同258・7%)、分銅およびはかり部分品39億2000万円(同128.9%)、はかり(感量50mg以内のもの)およびその部分品・付属品22億2900万円(同133・7%)。
対前年比減は、体重測定機器および家庭用はかり1億8500万円(同86.9%)、重量測定機器(5000kg以上)3億8200万円(同45.7%)である。
輸入は27.3%増
輸入金額は88億9200万円(同127.3%)。輸入はすべての機種が対前年比増になっている。
内訳は、体重測定機及び家庭用はかり27億8600万円(同124.0%)、コンベヤスケール4100万円(同144.5%)、ホッパースケールなどの定量はかり1億5300万円(同136.0%)、重量測定機器(30kg以下)24億2500万円(同117.2%)、重量測定機器(30kgを超え5000kg>以下)8億3400万円(同127.5%)、重量測定機器(5000kg以上)8000万円(同161.8%)、分銅およびはかり部分品17億600万円(同124.3%)、はかり(感量50mg以内のもの)およびその部分品・付属品8億6600万円(同191.4%)。
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