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食品製造現場での温度計測機器

(3007号/2014年4月20日掲載)
特集記事 製品紹介

細菌性食中毒の予防は
「付けない」「増やさない」「死滅させる」

食品製造の現場で必要とされる温度域は、下はマイナス50℃から上は200℃近くまでと幅広い。これは特殊な例ではなく、鮮度を保つために極低温で瞬間冷凍した食品を解凍して油で揚げるといった工程で、ごく普通に目にする温度である。
 食中毒を防止するためには適切な加熱が重要だが、低温域での温度管理も、安全性や鮮度を保ったまま食品を輸送・保管する上で非常に重要である。
 0℃を挟んで250℃もある温度差を、人間の勘だけに頼って管理・制御することは不可能であり、現代の食品の管理手法にも適合しない。現在はフードチェーンで食品安全のトレーサビリティシステムが導入されており、安全の担保となる温度管理をおろそかにはできない。誰もが簡単に正確な結果が得られるよう、温度計を使うことが望ましい。

食中毒の発生要因

食中毒の発生要因には、原材料の汚染、未加熱または加熱不足、調理後の保管方法・保管時間の問題、また、手や器具からの二次汚染などが挙げられる。いずれも衛生の基本的な事由に係わることであり、一層の自主管理体制推進が求められる。一方で、家庭の食事からの発生も、発生件数全体の10%近くに及んでおり、各家庭での日頃の心構えが必要といえる。
 細菌性食中毒の予防の三大原則は、「細菌は付けない、増やさない、死滅させる」。食中毒菌を食品に付着させない清潔な調理環境作り、細菌を増やさない迅速な時間管理、細菌を死滅させる適切な温度管理が重要である。調理施設、調理者、調理器具等は、常に清潔に保つ。掃除や手洗いはもちろん、食器、まな板、包丁、ふきん等の調理器具の洗浄消毒を徹底する。

迅速な時間管理

分裂速度が最も短い菌のひとつである腸炎ビブリオは、最適条件下では7分以内に2倍に増殖し、2時間ほどで食中毒を起こすのに充分な菌数に達してしまう。調理から食事までの時間は、できる限り短くする。食品を冷却することは細菌の増殖を停止または抑制する効果があるが、その際も迅速な対応が必要。

適切な温度管理

食材を加熱する際は、細菌性食中毒の予防には75℃(食材の中心温度)で1分以上、ノロウイルスによる食中毒の予防には、85℃で1分以上の加熱が望ましい。また、保温する場合は、中心温度を65℃に保つ。一度加熱したものでも、一旦冷ましたものは必ず75℃まで再加熱すること。死滅せずに潜んでいた細菌が再繁殖している可能性がある。保存の際は、冷蔵庫で10℃以下、冷凍庫でマイナス15℃以下を目安とする。
 食品の温度は、表面だけでは不十分で、食品用中心温度計を用いて、内部の温度を測る必要がある。煮物などを測定する際は、最も熱が通りにくい食材を選ぶとよい。

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