ホーム・計量計測データバンク2005年度計量法改正情報BOX>座談会(2007/06/15)【6】

旺盛に計量管理を実施している適正計量管理事業所
「適正計量管理制度と計量士」座談会

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【6】

適正計量管理事業所をアピールするには

日本の量目管理は出口チェック、ヨーロッパは入り口で管理しようという内容

佐藤克哉 日本の量目管理は出口チェックですね。ヨーロッパは入り口で管理しようというものです。それがeマークです。その後、全世界共通のIQマークが出ましたがぽしゃった感じです。ところが中国がcマーク、韓国がkマークをやりますね。日本はどうするのか気になります。

適正計量管理事業所のKKマークの運用の実態はどうなっているか(KKマークは商品にも付けられない仕組みである)

林 紘治 適正計量管理事業所が生産工場であれば対応は楽だと思います。私は百貨店やスーパーのインストアーパック商品にまずマークを付与する権限を与えて欲しいと思います。それによってこのデパートの商品は安心を担保していますよという売り込みができます。IQマークが検討されている段階で、そこまで踏み込むのかなと思っていたのですが。

佐藤克哉 適正計量管理事業所のKKマークは商品にも付けられるのでは。

林 紘治 いやダメです。個々の商品には付けられません。国は、いいとも悪いとも言っていないのですが、付けた場合はこのマークはどういうマークなのか説明しなさいと言っています。

KKマークはこの商品が安心・安全であることを証明しているものではない(行政がつつかれる可能性があるものについてはダメだということで踏み込みが足りない)

横尾明幸(司会) KKマークはこの商品が安心・安全であることを証明しているものではない。適正計量管理事業所のマークであるという形しかなかったのです。これでは個々の商品に付ける意味はありません。

 平成4年の計量法の改正の時に、今までの考え方はやめてeマークのように変えていかなくてはならない。それから適正計量管理事業所のメリットを出す。消費者にもっと理解してもらわないとダメ。適正計量管理事業所制度をそういう制度にしようと検討したのですが、なかなかそうはいきませんでした。

林 紘治 検討のなかで、そういう制度にして不適正な商品が出たらどうするの、という議論が先にきてしまうのです。つまり行政がつつかれる可能性があるものについてはダメだということになるのです。

横尾明幸(司会) それがあるから適正計量管理事業所にも立入検査をやるのです。

計量という行為は人間がやることだから絶対に不適正なものが出ないという保証はない

林 紘治 それは人間がやることですから、絶対に不適正なものが出ないという保証はありません。私の事業所でも検査をしていて毎月何%かは量目に関して不適正なものが出ています。

蓑輪善蔵 KKマークに計量士の名前は書けますか。

林 紘治 書けません。

横尾明幸(司会) 改正前の計量器使用事業場のときは書けました。

 今はマークがたくさんありますから、適正計量管理事業所を広くアピールするマークというのはなかなか難しいのかなということはあります。

 eマークは、今度の計量制度見直しのなかで当初は考えられていました。それは自動はかりの規制を導入しようということとの絡みです。自動はかりは生産工場で使われていますから、そこでの大量生産品にeマークを付けようということだったのです。ただ、自動はかりをどうやって検査するのかという問題がありますから。

蓑輪善蔵 できた商品を計ればよいのではないですか。

横尾明幸(司会) 今の非自動はかりのような検定の方法ができないので、難しかったですね。しかし検定というのは分銅を載せて検査する方法ばかりではないということを私も言ったのですが。

適正計量管理事業所制度の見直しはトーンダウンした

適正計量管理事業所制度がらみの計量法改正はトーンダウンしたように見える

横田俊英 計量法改正の話が出ましたが、今度の計量法改正の検討は結局どういうふうに理解すればよいのですか。

高松宏之 6月5日に開かれた、全国の計量検定所で構成する都道府県計量行政協議会総会に来賓として出席した籔内雅幸計量行政室長はあいさつのなかで次のように、経過と現状、見通しを説明しました。この時点での状況認識は以下のようなものでした。

 経済産業省としては今国会に計量法改正案を上程するつもりだったが会期などの関係で国会での審議の見通しがつかないため、見送った。計量行政審議会の計量制度検討小委員会報告書(案)は、7月か8月頃には中間とりまとめか答申という形でまとめたいと考えている。来年の通常国会には計量法改正案を出せる準備をしておきたい。来年の通常国会で法律が改正されれば、関連する政省令の改正を経て最短で1〜2年後ぐらいには改正計量法で動き出すことになる。ただ、国会情勢は流動的であり、来年の国会に改正案を確実に出せるかどうかはわからないのが現状だ、と述べました。

横尾明幸(司会) 適正計量管理事業所制度に関しても、計量法改正がらみではトーンダウンしたのは確かです。

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