5年後に売上50億円をめざす
ー力センサをコアに事業分野拡大ー
安西 正光
新光電子(株)代表取締役社長 vol.4 |
日本計量新報 2008年9月21日 (2741号)2面掲載
不景気ではなく、チャンスである
儲かっている分野は必ずある
−−景況をどう判断していますか。
今、さかんに不景気だということがいわれていますね。しかし、私がお客様のところをあるいていますと、けっしてそうではないことがわかります。私はむしろ、今が事業を拡大するチャンスではないかと思います。
たとえば、現在、地球温暖化やそれに関連して二酸化炭素を減らすということが世界的な課題になっています。そのなかでバイオエネルギーが注目されていますが、その結果穀物が足りなくなってきています。ですから、農業生産を高めようとしているわけです。そうすると、そのために肥料や農薬が必要になってきますから、これらの分野の需要が増えて活況となっています。
こういう分野は、活動が非常に活発です。景気は全体としてみればまだら模様ですけれども、細かく具体的に見ていくと景気がよい分野・事業はちゃんとあります。ですから、そういった分野を重点的に攻めれば、事業は必ず拡大できます。
私はこういうふうに市場をきちんと勉強するかしないかの差が、企業活動の差として出てくると思います。
現場を自分の足で歩くことが大事
自分で汗をかくことが重要
実際にお客様のところへ行って話を聞くと、そういうことが分かってきます。
設計現場も、生産現場も、営業現場も、製品を使ってくださっているお客様の状況も、全ての現場を自分の足で歩いてよく見ることが一番大事です。これが重要です。
私はそう思っていますのでずっと続けていきます。以前からたびたびお客様を訪問しています。これは社長になってからも同じです。そうすると現場の状況が少しずつ分かってきます。状況をきちんと把握するためには、自分で汗をかくことが重要ではないかと思います。
別の視点で見られる
現場へいくと、本で得るより、ずっと得られるものが多いのです。われわれはともするとある視野・視点でしか物事を見ていません。ところが現場へ行ってお客様から話を聞くと、別の視点での話が聞けるのです。別の視点から物事を見ることで、やはり多くのことを得ることができます。だから新しい発見があるのです。そこから多様な対応も可能になってきます。
生産技術を知らないと設計はできない
私は、当社の技術者にも、とにかく現場をよく見なさいということと、生産技術を知らないと設計はできない、という話をよくしています。
営業関係の社員とお客様を訪問するときにも、直接、お客様から話を聞くようにしています。営業の社員にもできるだけ多くのお客様を訪ねてよく話を聞きなさいと言っています。私も多いときには1日に5〜6カ所、お客様を訪問します。
当社は販売会社さんを通じて売っていますので、現場のことを知るには、夕方に販社さんを訪問するのが一番よいといわれます。その会社の営業マンが戻ってきますので、彼らと直接会って話を聞くことができますから。ユーザさんの要望や現場サイドの悩みも直接聞くことができます。販社さんの営業マンの話を聞くと、本当に現場のことがよくわかります。自分たちの足りないところもよくわかります。
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