日本計量新報 2008年9月21日 (2741号)2面掲載
3代目社長に就任
エンジニア出身
−−自己紹介をお願いします。
新光電子(株)の社長に就任しました安西正光です。
私は1949(昭和24)年生まれで59歳です。東京都日野市で生まれて日野市で育ちました。地元の都立国立(くにたち)高校を卒業し千葉大学工学部へ入学しました。電気工学を専攻し、卒業後はNECへ入社し、高周波回路の設計を担当しました。エンジニアとしてスタートしたわけです。
新光電子の創業者である故西口譲会長から招かれて1988(昭和63)年に新光電子に入社しました。以来、今年でちょうど20年たちました。
新光電子では、つくば事業所で生産管理の仕事をやってきました。そのあと、営業の仕事を4年間やり、今年社長に就任しました。
バランスよい発展
当社の初代社長は西口譲で、会社の創設者です。西口は研究者・技術者で、30年社長を務めました。次の社長が岡崎稔で15年間社長を務めました。岡崎は営業・管理分野の出身です。私は技術系ですので、技術−営業−技術と交互に社長を務めることになり、新光電子は一方に偏らない、バランスがよい発展をしてきていると思います。
10カ年の長中期計画を堅持
売上高は1・5倍に
−−会社運営の方針をお聞かせください。
私は、岡崎前社長時代に作成しました「10カ年の中長期計画」を引き継ぎ、堅持していきます。今年は10カ年計画の6年目になります。
この10カ年計画の最終年は、当社の創立50周年の年になります。中長期計画の10カ年目の目標は、売上高50億円です。これを達成しようということでがんばっていきます。
10カ年中長期計画の基準になる40期の売上高は20億円でした。5年目の45期(2008年3月期)の売上高は30億円を超えました。
ですからこの間の売上高は1・5倍になりました。この間の発展は社員の頑張りや、関係する企業の応援によるものだと思っています。
5年後に売上50億円達成へ
引き続き社員には頑張ってもらい、関係企業の皆さまの引き続いての応援をいただきながら、5年後には50億円の売上を達成することを目標に邁進していきます。
音叉センサがコア技術に
差動トランス式測定器を商品化
新光電子の歴史を振り返りますと、東京オリンピックの1年前になる1963(昭和38)年に故西口譲が、差動トランス式測定器を商品化することで会社を設立しました。
発祥の地はここ湯島(東京都文京区)です。以来、この地で発展してきました。
そのあと、差動トランスを利用した「はかり」をつくっています。これが当社のはかりの出発点です。
はかりに音叉センサを使おう
西口が音叉センサに関する研究論文を見まして、これをはかりに応用しようということを考えました。そして当社で開発したのが、はかりに取り付けられる一体型の音叉センサです。これが当社が音叉センサを使ったはかりをつくることになったきっかけです。
ですから、まずはかりという計量器があって、それに使うセンサとして音叉センサを開発したという経緯です。
はかりが大きな事業分野に
この音叉センサが、われわれのコア技術になっていきます。音叉センサを使った高精度の天びんを開発したり、すばる望遠鏡に使われている力センサをつくったりという方向へ進んできました。
そして、はかりが新光電子の大きな事業分野になってきました。現在は売上高30億円のの3分の2強にあたる約23億円がはかり関係です。
物流計測器を開発
その後、われわれは物流計測器と呼んでいますが、物を移動しながら計測する、いわゆるダイナミック計量といわれる分野の事業も始めました。
これも市場ニーズがあってわれわれが開発したものです。現在は売上高の1割強を占める事業分野になっています。
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