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日本計量新報 2009年5月24日 (2774号)
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計量計測機器はパソコンやインターネットとの連動で市場を拡大できる
電子メールとインターネットの普及によって省かれてしまった手間や仕事が多くある。企業内の事務通信、グループ内の事務通信、会報に代わる電子メール、企業を広報するインターネットのホームページ(webサイト)などがその一例であり、また個人や家族のコミュニケーションを携帯メールでとることも増えている。
パソコンの能力拡大とインターネットなどの情報通信の機能拡大は著しい。パソコンは、かつて新聞製作のために必要だった印刷所としての機能を獲得している。完成した冊子や本や新聞などの原稿は、印刷ボタンを押すと事務所にあるプリンターと連動して印刷と製本までやってしまう。本格的な印刷・製本をする場合には、原稿データを印刷会社や出版会社に電子メール(インターネット技術による通信)に添付して送信し、その後の作業を一気に進めてしまう。
「活字」を拾う仕事はなくなった。紙に書いてある原稿をデジタルデータにする作業を依頼することの不都合は限りなく大きくなった。会計処理にパソコンと対応するソフトウエアを使わないなどということは、企業ではあり得ないことになった。IBMがパソコン製造の部門を中国企業に渡してしまって、パソコンメーカーから経営情報提供と経営コンサルティング企業に転身した事例をどんなときでも思い浮かべなければならない。
管理に属する業務の多くはワンパックのパソコン処理業務に移管されている。パソコンは多くの機能を備えるようになり、経営情報や営業情報その他を企業や個人に提供するようになったので、これを大いに活用することである。それと連動させるべきことは、考えたり判断したり想像したりする能力である。「活字」を拾う仕事のように、その仕事は既に要らない状態になっているにもかかわらず、活字を拾うがごとくの業務を続行している事例が少なからず存在する。人の意識が、パソコンや、通信技術の一端としての電子メールやインターネットの機能拡大に対応しないことから起こる現象である。
計量計測機器とマイクロプロセッサーならびにパソコンやインターネット通信(電子メール)との連動で広がる技術開発や市場の拡大に意識を注いで活動すると、よい結果が生まれる。
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